新サスケ「雲」 | 新サスケと短歌と詩

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短歌と詩を公開します。

僕の第1詩集「みだれた足跡」(1994年・刊)より、次の作品を紹介する。


  雲

    新サスケ


道路の端に車を寄せて止め

妻を待つ

シートをたおして凭れる

(寸時 記憶が切れる)


首をめぐらすと

窓から

空に雲が

名は忘れ(習いそして忘れた多くのように)

悠久と雲の艦隊は進む

雲が動いているか いないか

目印の部分が

窓の枠から去ってゆく

私もあのように歩みたいとは……

首を逆にめぐらすと

次々と脇を走り去る

車の音――