新サスケ「雀」 | 新サスケと短歌と詩

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短歌と詩を公開します。

My詩集「光る波」より、「雀」を紹介する。


  雀

   新サスケ


心が苦しくて

仕事を休んだ

職場の電話はテープの声で

始業十分前に連絡できた


冷蔵庫からアイスコーヒーを

取りだしてコップに注いでいると

台所の前の木槿に雀が騒ぐ

はて おかしいな


いつもは風呂場の横の柘榴や

向うの白木蓮の木に群れるのだが

そうか いつものこの時刻には


私や家人は不在だから

雀にも 平日の

日中の生活があるのだ