新サスケ「冬づく」 | 新サスケと短歌と詩

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短歌と詩を公開します。

僕の詩集「僕のソネット」の、最後の「冬づく」を載せる。

このテーマでは、本版の詩集より1編を削り、未発表の2編を加えて、総21編となる。


   冬づく

     新サスケ


暑い日々には日陰を求めたが

冬づく今は日向を求めて

作業場の仕事の合間に

庭のコンクリ石に腰かける


午後三時 すでに低い日が

吹きつけ塗装の壁に差す

赤とんぼが止まり

大きな眼でぼくを見つめた


煙草のけむりにおどろいたか

それはすばやく飛び去った

生き残った一匹が


暖かい場所に来て

あとわずかの命を憩わせて

それでも見遣れば日は眩しすぎる