こぐま星座さんの詩集「なんなはん」より、「蕎麦の花」を転載する。母恋の作ではなく、彼の詩としては短いが、佳品である。
蕎麦の花
こぐま星座
おばば へずかしもってきた
さつまいも
黒板に姉ちゃんの字で
おばばんとこへ持ってけって書いたった
ここか
自転車でころんでもた
血止め草はっつけたでもうだんね
ソフトボールしてたとこ
もうやめた
家でテレビみるってみんな帰った
今日のはおもっせんやと
なんか手伝うか
家んなかひとりやとおとろしいで
ここにいるわ 姉ちゃんまだ帰って来んし
ぶとめに食われるってかあ
え?
今の聞こえんかった何ちゅうた
あっこの鉄橋のうえ今 電車が通って
やかまして聞こえんかったわ