AUさんの「口のなか」 | 新サスケと短歌と詩

新サスケと短歌と詩

短歌と詩を公開します。

僕が編集役をしている同人詩誌「群青」の第21号より、AUさんの作品を掲載する。なお作者の同意を得てある。


     口のなか

           AU


手品師の

口のなかから

次々とでてくる丸い石を


右手に受け

左手にうつし

テーブルの上はもう

石でいっぱいだ


白い光ってる

軟骨の色は

すこしくすんでいる


養豚場からにおいと

ドアごしに届けられる

普通便の送りもの


砂利を

踏む音が

表で鳴ってるわ


暖炉の火が

すきま風で細くなり


背をのばしたのが

やった見つけた