障害者雇用について | 元気な障害者

元気な障害者

2004年発症。当初はうつ病の診断。転院を繰り返し、発症から10年目で初めて双極性障害という言葉を知りました。休職、復職後、2016年3月に定年退職。2017年7月から障害者枠のパート勤務。
病気のことだけでなく、日々感じたことを書いています。

私がいる職場には私を含めて3人の障害者がいます。

いずれも精神障害者です。

 

私はこの職場での社歴が3人の中では最も長いこととずば抜けて年長であることから、お二人の業務の手伝いや、ある意味で、管理をする羽目になっています。

 

二人のうちの一人は週三日の勤務ですが、体調不良が理由で三日間とも出社できることはありません。

また、考えられないようなことをしてしまうため、複雑な仕事をやっていただくことはできません。

それが障害のせいなのか、個人の素養なのかは分かりません。

書類を番号順に並べてもらうと、50枚中に1枚は必ず順番が違うものがあります。

五十音順だともっと増えます。

封筒に書かれている宛名と同じ宛名の書類を封入してもらうことは怖くてお任せできません。

ですから、この方に仕事をしてもらうために、どうやったら間違えずにできるかを考え、その準備をし、説明をし、随時確認することが必要になります。

この方に、例えば30分かかる仕事をしてもらうために、私は1時間かそれ以上の時間を使うことになります。

 

そして、そうやってせっかく段取りを整えてもなかなか出社しないので、期限に間に合わず、私かもう一人の方がやらざるを得なくなることが多々あります。

それが全部終わったころ、久しぶりに出社してきて「何かやらせてください」と言われても、そうそう都合よく仕事があるわけではありません。

 

企業の中に期限のない仕事などない、と私は思っています。

あるとすれば、せいぜい不要な書類をシュレッダーにかけることくらいでしょうか。

それだっていつまでも放っておいたら溜まる一方ですから、いつか誰かがやらなくてはなりません。

 

企業には障害者の雇用義務が規定されています。

しかし、今、ご紹介したような障害者にも仕事を与えなくてはならないのでしょうか。

その方の支援者は「やることがなかったら勉強してみてはいかがでしょう」と提案したそうです。

それを受けて、この方は仕事中にパワーポイントの勉強(と言えるほどのことではありませんが)をしていたことがあります。

 

支援者ってなんなんですかね。

もちろん、障害者が企業で働けるようにすることは大事なことだとは思います。

しかし、何がなんでも働かせなくてはならないとは、私は、思いません。

やはり適性というものを考慮しなくてはなりません。

企業は職業訓練校ではありません。

働いて成果を出したものに対して、それに見合った賃金を支払うところです。

お金をもらいながらパワーポイント?

他の社員の時間を使わせておいて給料をもらえる?

 

障害者雇用とはそういうものなのでしょうか?

少なくとも私が今働いている職場には、あの方にやっていただける仕事はないのです。

 

これって「障害者の雇用促進」という観点からすると間違った考えなんですかね?