居場所 | 元気な障害者

元気な障害者

2004年発症。当初はうつ病の診断。転院を繰り返し、発症から10年目で初めて双極性障害という言葉を知りました。休職、復職後、2016年3月に定年退職。2017年7月から障害者枠のパート勤務。
2024年には顔面神経麻痺を発症。苦しんでいます。

私は定年退職を迎えるまでの通算5年間、休職し、そのまま退職しました。

 

休職期間中は社会復帰のために、いろいろなことを試みました。

関連の本を読む、当事者会(自助グループ)への参加、カウンセリング、心理療法、などなど。

 

電車に乗って会社まで行く「通勤練習」もしました。

まず電車に乗って、一駅、二駅。

会社の最寄り駅まで。

駅から会社まで歩く。

と、何日かかけて徐々に会社に近づいてゆく。

 

しかし、いずれも効果はありませんでした。

そんな中で、最も困ったのが、日中の「居場所」でした。

主治医に相談したところ、図書館を勧められました。

日中、図書館で過ごすのです。

私はそれほど読書に関心がなかったので、せいぜい1時間。

そのころはパソコンを持ち込める図書館は少なかったので、許されている図書館を探して、遠くまで出かけたこともあります。

それでも2時間程度しかいられません。

医師にそのことを話すと、「読みたい本を見つけなさい」。

 

パソコンを持ってカフェにも行ってみましたが、あまり長居はできません。

また、会社での産業医面談でそのことを話すと、「カフェでは自由すぎて訓練にならない」と言われ、やはり図書館を勧められました。

ある程度の「緊張感」がある図書館のほうがいいというのです。

 

「リワーク」というものも考えました。

しかし、民間のリワークは料金が高くてとても通えません。

いったい誰が通うんだろう、というほどの料金でした。

また、公的なリワークは「元の職場への復帰」が条件となっており、退職間近の私は受けられませんでした。

今は、もっと選択の範囲が広がっているかもしれません。

 

そして、最終的に通ったのが就労移行支援事業所というところでした。

午前中だけですが、約1年間、通いました。

しかし、そこでの活動内容は長い社会経験のある私には物足りないものばかりでした。

というのも、その事業所が対象としているのは、これから社会に出ようとしているかそれに近い若者が中心だったからです。

面接、電話応対、人前で話す練習など、正直なところ、私には不要なものでした。

また、グループ討議も他の皆さんとの話が噛み合わない。

仕方なく、職員の許可を得て、別行動で資格の勉強をしました。

「居場所の確保」という意味では良かったかもしれませんが、「就労移行」を「支援」してもらえたかというと、残念ながらそうは思えません。

今も中高年の社会復帰を支援してもらえる施設は少ない、か、ないのではないかと思います。

 

では、中高年向けにどんな施設があったら良いか。

まずは「居場所」です。

・公共交通機関を使って通い、気兼ねなく好きなだけ過ごせる場所。

・他の人たちとの共用だったり、ある程度一人になれたりする場所。

そして、症状に応じていろいろな訓練をしてもらえる場所。

・集中力を養う訓練(簡単なものは私が通った施設でもやっていました)

・同年代同士での討議などの課題解決

・模擬業務(パソコンを使っての報告書作成、計算、発表資料作りと発表など)

・資格の勉強などの自習

 

このようなことを年代や症状に応じてできる施設があったらいいのではないかと思います。