さて、スグ出る系の薬や方法を試して効果が無い場合。
便秘で相談に来られる人の多くは、恐らくそうなんじゃないかと思う。
たぶんね、徹底的に、3.腸を整える、すなわち腸内環境の改善をしないといけない。
腸自体を強靱にするために食事の見直しと、腸内の「善玉細菌の増殖」。
食事の見直しは、身体全ての症状にも繋がるので、あらためて。
今回は「善玉細菌の増殖」のためのお薬・補助食品を紹介するね。
人間の腸内には、いろんな種類の細菌が棲み着いていて、それらは個々に、自分とは別の生物なので、まずは「カンタンに思うようになる」とは絶対に考えないこと。
主な善玉菌(乳酸を産生したり、ビタミンを合成したりする有用菌)
・ビフィズス菌
善玉の99.9%を占める
広義では乳酸菌だけど、嫌気性(※酸素で死ぬ)なので、主に動物の腸にしかいない
ファイバー(水溶性)が大好き
・乳酸菌
善玉の0.1%。
酸素で死なないので、地球上どこにでもいる
オリゴ糖が大好き
ファイバーは苦手
・酪酸菌
酪酸は結腸細胞のエネルギー源←良い腸壁にする
ファイバー(水溶性)が大好き
・糖化菌
乳酸菌の増殖を促進する
(アミラーゼという消化酵素を出し、デンプン(ファイバー)をオリゴ糖にする←乳酸菌が食べられるようになる)
ビフィズス菌や乳酸菌の作る乳酸は、ATP合成に関与、筋肉疲労を防ぐ、運動時の脳のエネルギー、傷の修復、遺伝子や心筋にも関与していて、とにかく無ければ、人間的な生活が送れないという、超重要な物質。
ファイバー好きの細菌は、ファイバーをオリゴ糖に変えることができる、というだけで、直接のエネルギー源はみんなオリゴ糖のようだ。
ただ、ファイバーを変換する時に、いろいろ良いものができるので、やっぱりファイバーは必要だね。
主な悪玉菌(乳酸がキライ)
・ウェルシュ菌(腸内のタンパク質などを腐敗させ、悪臭の元を作る)
・ブドウ球菌
・サルモネラ菌
・大腸菌(毒出すヤツ)
・緑膿菌
日和見菌
・バクテロイデス
・大腸菌(毒出さないヤツ)
・連鎖球菌
日和見菌は普段はただ居るだけだが、身体が弱ったり悪玉が増えると悪玉側になるそうな。
グッドバランスは、善玉20%、悪玉10%、日和見70%。
腸内細菌はおよそ1000兆コ、重さにして1~1.5キロはあるそうなので、ドッサリウンコのほとんどが細菌とその死骸というのも頷ける。
75%が細菌、17%が食物繊維のカス、あとは腸壁の古い細胞などで、
フカフカのどっさりウンコは、これに水分油分、空気(ガス)を含んでかさ増しされて、フカフカになっているんだな。
(私のフカフカは、生クリームが缶から出てくるみたいにずいぶん空気を含んでる感じ)
ということで、善玉のビフィズス菌と乳酸菌が増えればいいわけだな。
整腸剤は、ビフィズス菌や乳酸菌を直接摂るか、彼らの環境を整えるというものだ。
菌入りの整腸剤は、医薬品、医薬部外品と、そうでないものがある。
「医薬品」は、「治療」を目的に、「身体になんらかの作用がある」と保証されてるってことだ。
医薬品承認試験をパスしてるので、安全性、治療的効能が認められている。
「医薬部外品」は、「予防」を目的に、「身体になんらかの作用がある」という保証。
こちらも医薬部外品承認試験をパスしてるので、安全性、予防的効能が認められている。
「特定保健用食品」は個別審査で、安全性、有効性が認められている。
「機能性表示食品」は、安全性、機能性の根拠を届けているが、個別に審査されたものでは無い。
ということをしっかり把握して、今の自分にあったものを選ぼう。
整腸薬(治療効果)
ガスピタン(ビフィズス菌+乳酸菌)
太田胃散整腸薬(ビフィズス菌+乳酸菌+酪酸菌+整腸生薬+健胃生薬+消化酵素)
ザ・ガード(ビフィズス菌+乳酸菌+糖化菌+健胃生薬+制酸剤+消泡剤+VB5)
医薬部外品(予防効果)
新ビオフェルミン(ビフィズス菌+乳酸菌)
ヤクルトBL整腸薬(ビフィズス菌+乳酸菌)
ビオスリー(酪酸菌+乳酸菌+糖化菌)
パンラクミン(乳酸菌+消化酵素+ビタミン)
強ミヤリサン(酪酸菌) ミヤフローラEX(酪酸菌+胆汁酸)
エビオス錠(ビール酵母)※酵母菌+ビタミン+ミネラル+アミノ酸+食物繊維+核酸
特定保健用食品
小岩井ヨーグルト(ビフィズス菌)
明治ブルガリアヨーグルト(乳酸菌)
ヤクルト(乳酸菌)
タカナシおなかへGG!(乳酸菌)
機能性表示食品
ビフィーナR(ビフィズス菌+乳酸菌+オリゴ糖)
ラブレ(乳酸菌+食物繊維)
ビヒダス便通改善(ビフィズス菌+オリゴ糖)※スクラロース入り
毎朝快調(発酵乳+食物繊維)
もっとあるけど、店頭で買えそうなものに絞った。
今回は菌入りだけね。
「機能性表示食品」は、メーカーが言ってるだけという可能性もあるので、特にドリンク剤は効果があればラッキー、無くても美味しければいいやくらいの心の広さでご利用ください。
ヨーグルトは、特保や機能性でなくても、いいものがいっぱいあるよ。
(人工甘味料の使われてないものが、腸のためにはオススメかな)
余談だけど、納豆菌は糖化菌の一種で、なんと腸まで生きて届く最強戦士なので、腸の為にも納豆を食べよう。
ここまで調べてきて、やっとわかった。
善玉菌として、ビフィズス菌だけでも乳酸菌だけでもダメで、両方とるのがベストってこと。
だから「高千穂牧場のむヨーグルト」だけだと、たまに効力が落ちるんだな。
で、「小岩井ヨーグルト」でビフィズス菌を送ってやると、また元気に働くようになる。
菌の寿命はそれぞれだろうから、お腹の具合と相談しながら、
毎日必要なもの、
1日おきでもいいもの、
1週間に一回でもOKなど、
経済的なこともふまえて、最善のルーティンを見つけよう。
私にとって、絶対手放せない「高千穂牧場のむヨーグルト」は、毎日半量。
ビフィズス菌の「小岩井ヨーグルト」は1週間に1コ400gを4回に分けて、1週間おきとか2週間おきとか。
パイナップルやリンゴ、バナナや夏みかん系など、食後にフルーツと一緒に食べる。
リンゴや夏みかん系は、ハチミツで甘くすることもある。
たまにだが、コーンフレークを加え、チョコをかけると、超ウマイ。
さて、今回いい機会なので、整腸剤などいくつか試している。
1種類1週間程度で試して、1週間空けて、また次、という具合。
おかげで、腸内が混乱してるのか少々不具合気味だが、自分にとってもいいものが見つかるのを期待してる。
こればかりは試してみないとわからないからね~
明らかに毒、私にとっての甘草や人工甘味料(スクラロース・アセスルファムK)が入っていないことが大前提で、自分で選んだり、いただいたものを試したり。
結果はまた報告するね。
次回は、これでもなんかダメ、という場合。
腸を作る素材「タンパク質」についてだ。