こうして治った「便秘」5 -原因- | まさきせいの奇縁まんだらだら

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原因不明の「声が出ない症候群」に見舞われ、声の仕事ができない中で、人と出会い、本と出会い、言葉と出会い、不思議と出会い…

瀬戸内寂聴さんの『奇縁まんだら』というご本を真似て、私の「ご縁」を書いてみようと思います。

子どもの頃から便秘の私だが、
そもそも、いったいどうして、私は便秘性だったんだろうか?


私は浜松で生まれ、2才で大阪に引っ越した。
当時の大阪は公害まみれで、近所の川(どぶ)は玉虫色に光っていた。

物心ついた頃は毎朝歯磨きすると、げーっとなって咳が止まらず、鼻水も出まくりで鼻をかみまくり、その時の名残か、今も鼻の下に毛細血管が浮き出て赤くなっている。

あんまりヒドイので調べたらレントゲンの肺が真っ白で、何やら細菌に汚染されてたらしく、抗生物質を大量に投与された。

3~4才頃のことを場面が浮かぶほどに覚えているということは、深く刻まれたよほどヒドイ記憶だね。

子どもの頃からアレルギー体質だったと思うけど、5才で岡山に引っ越してからは大病には縁が無く普通に健康で、お医者といえばアトピーで皮膚科と、近眼で眼科に通ったくらい。

アトピーは、岡山のたんぼで駆け回って真っ黒に日焼けしていたら、いつの間にか治っていた(いいか悪いかわからないので、アトピー治療の参考にはしないで)。

以降はお医者に縁がなく、中2の時にエビのアレルギーで顔が腫れたくらいで、
大学でも、保健室で風邪薬(PL顆粒)をもらってすませていた。

花粉症で一度だけ耳鼻咽喉科に行ったけど、もらった鼻スプレーで鼻血が出て以降は、市販薬のみでがんばった。


それが、前の会社を作って数年後の28~9才頃、どうやら頑張りすぎたようで、扁桃腺が腫れて唾も飲み込めなくなった。

口を開けて鏡で見たら、ノドに穴が無くなっていたんだ。

つまり、それほどに腫れて、これで鼻が詰まったら、息が出来なくなるところだった。

あわてて近所の病院に行ったのだけど、当時は成り行きで北青山3丁目の高級スーパー紀ノ国屋の裏あたりに住んでいて、近所の病院といえば、北青山病院だった。

北青山病院は小さいけど、一応手術室もあるような総合病院で、即、人生初の入院となった。

うちから歩いて3分ほどの距離なので、必要なものを取りに帰って、またすぐ戻った。忘れ物があっても、また取りに帰ればいいので、気楽だった。

ゆるい病院(当時の話)で、途中で抜け出して紀ノ国屋スーパーにバナナとか買い出しに行って入院患者仲間と食べたりもした。

まあ、ノドは腫れて声も出せなかったけど、抗生物質の点滴で痛みはすぐに退いたし、熱も出ず身体は元気だったんだ。

身体が丈夫すぎる為に、がんばりが利くから、それで弱い部分が悲鳴をあげることになるんだそうで、

それが私は扁桃腺で、「命綱だから絶対とってはいけないよ」と後日ノドの先生に言われたほど。

そんな程度に健康体だったので、身体には全くの無頓着。

気付いたら、いつの間にか病気のオンパレードになっていたのだった。


今思えば、仕事が楽しくて、忙しくて、それなり無理をしていたんだな。

その後も入院するほどではないけど、しょっちゅうノドが腫れて、その度に抗生物質のお世話になっていた。

抗生物質は、細菌感染症を治すため、

細菌を善悪の区別無く殺してしまうお薬だから、

つまり、この時に腸内細菌がほとんど死滅してしまったとも考えられる。

3~4才頃の抗生物質の大量投与が原因で、子どもの頃から便秘症だったのかもしれなくて、ここにきて再度の大打撃で、少数派だった善玉菌はついに全滅してしまった?

ノド腫れはその後もしょっちゅうだったから、抗生物質の錠剤は手放せず、いつも多めにもらって、今もまだ常備している。(もう古いので処分しなきゃなんだけど)

幸い、最近は腫れなくなって、こんなことも忘れかけていた。

たぶん、あのヒドイ便秘や腸の不具合は、抗生物質の副作用?


☆ここでポイント

便秘がいつ頃からで、思い当たる原因が無いか、を考えてみよう。

原因を無くさないと、それが継続していることなら治りにくいし、仮に治ってもまた再発する。

まずは、原因を排除すること。

「いつ頃から」を思い出せば、その頃にあったことや始まったことが原因として推測できるので、そういったことをことごとく排除してみて。

私の場合は、3~4才頃と28~9才頃の抗生物質の大量投与と、その後の連続投与で、腸内細菌(特に少数派の善玉菌)が死滅してしまったのが原因と考えられるね。

それで、抗生物質を飲まなくていいように、ノドが腫れないように気をつけるようになった。

抗生物質は腸内細菌に良くない、とは10年ほど前から言われるようになったけど、それまでは万能薬としてホイホイ処方されてたから、思い当たる人も多いんじゃないかな。

咳がヒドくなった頃発行のお薬手帳から、処方された抗生物質を追ってみると、

・クラリスロマイシン(お薬名:クラリス、クラリシッド)
・レボフロキサシン(お薬名:クラビット)※正確には抗生物質じゃないらしい

今わかるのは錠剤の、まとめるとこの2種類で、

これ以前ノドが腫れた時は、手っ取り早く点滴注射で入れてもらっていたので、なんとか静注用だろうけど、ノド腫れに高価な薬が投与されるとは思えないので、

クラリスロマイシンと同じ「マクロライド系」なら、エリスロシン768円(1本)とかかな?

WEBで検索して見てるだけなので、全く根拠は無いけど、なかなか興味深い。

レボフロキサシンは、1996年承認だそうで新しいので、私が入院した頃(93~4年)はまだ無かった。


副作用を見ると、マクロライド系は「消化器症状」として下痢、腹痛とあるので、これは腸内細菌に影響するものと考えられるね。

一方、こちらはついでになるけど、

レボフロキサシンは、つい最近の2023年9月末、腎盂腎炎になった時に処方されたお薬で、おかげであっという間に腎臓は回復したんだけど、

38度の熱が出て、脇腹がものすごく痛かったから、新手のコロナ?と思ってたら、腎盂腎炎で、

これは抗生物質でないと治らないので、病名を聞いて「ああ、また細菌たちがやられるなあ」とがっかりしてたら、

なんと、1週間朝夕と続けて飲んだのに、なんともなかったんだよね。

腸内細菌に影響しない抗生物質なのか?とか思ったけど、どうやらそうらしい。

んで、この時、昔から気になってた親知らずを抜いた跡の歯ぐきのブヨブヨ腫れが完全に治まって、今もきっちり締まってるのだけど、適応疾患に「歯周組織炎」とか歯周関係があるので、ついでに効いたっぽい。

痛くて、ちょうど歯医者に行こうと思ってたところだった。
(それでも歯医者は行っとけ)

レボフロキサシンは、ノド腫れにも効くようなので、今後ノドが腫れても、もう便秘を再発するような事態にはならないと思う。

初診時の問診で、普通の抗生物質はNG、できればレボフロキサシンで、と伝えればいいね。


私の原因は、高い確率で抗生物質だったと考えられるけど、そうじゃない人もいると思う。

私たちは、生まれた時に、お母さんから腸内細菌をもらうらしいんだけど、帝王切開の場合、自然にはもらえない。

昔はお産のスタッフが「お母さんの肛門を軽くぬぐって赤ちゃんにつける」というのをやっていたと聞いたことがあるけど、今は衛生上の云々で、無くなってるんじゃないかな。

だから最初から腸内細菌を受け継いでいない人もいるかもしれない。

お母さんが便秘症だったかもしれない。


他にも、食事がダメで、乳酸菌や食物繊維などを長年にわたって摂っていなかったとか、

逆に食物繊維ばかり取り過ぎて、栄養失調になってしまったとか、

ダイエットで必要な栄養が摂れていなかったとか、

そんなことがきっかけだったかもしれない。



または、ストレスや大腸炎などで深刻な下痢が続いて、菌が全て押し流されてしまったとか、

繰り返し腸内洗浄をして、キレイに洗いすぎたとか、

極端な運動不足で腹筋が無くなって腸を支えられなくて、血行不良になっているとか。


なんとなくでも原因がわかれば、対処法も探れるし、原因排除だけで改善する可能性もある。


私の場合は、まず食事がダメで、さらに善玉の腸内細菌がいなくなっていたようなので、

・腸内細菌は、自分の一部ではなく、別の生きものと認識した
・善玉を迎える準備を整えた(食事※主に菌のエサ、軽い運動)
・強いヤクルト菌でガツンと悪玉を黙らせて、善玉の市民権を獲得した
・優良な高千穂のむヨ菌が良い働きをしてくれた

結果、フカフカの無臭便を産生できる腸になった。

善玉細菌がいなくなってる系の人には、同じようなやり方で改善が見込めるかもしれないよ。


万一、原因が器質的(腸捻転とか腸閉塞といった腸の状態異常や、ポリープやがんといった病気、腸の動きが悪いなど)という場合もあるので、一度は専門の病院で診てもらってください。


次回は、薬やサプリ。