コンサルタントと御用聞きとロジカルシンキング | 夢追い人のブログ

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IT・経営コンサルタントを経て、㈱Dream-LINKを設立。
個人の夢が縦にも横にも繋がると、社会全体の価値を高められると信じて、誰もが、いくつになっても夢を持ち続けられるために活動しています。
夢ややりたいことを個人/法人両方の観点から捉えた記事を書いて参ります。

さて、今日は「コンサルタント」という仕事について、思ったことを整理してみようと思う。

もともとコンサルティングファームで働いていたときから、お客さんのいうことをしっかりきいて、それを実行するコンサルタントを揶揄した言葉として、「御用聞き」という言葉を僕も、周りも使っていたことがあった。

それを久しぶりに思い出しながら、これを書いているのだが、「コンサルタント」が「御用聞き」になってしまったら、それはもう言葉の意味として「コンサルタント」足り得ないと改めて思う。

元来、コンサルタントは経営者に寄り添い、経営者と同じ目線でものを考え、会社の中で孤独である経営者をしっかりとサポートする役割を負っていた。
だからこそ、「医者」に喩えられることもあるし、経営者に対して時には厳しい意見もぶつける役割を担っている(と、一般的には認識されているのではないだろうか)

しかし、昨今(と言ってももう10年以上になるのだろうが、)「コンサルティングファーム」を名乗る企業が増え、「コンサルタント」を名乗る人間がこれだけ増えた今、元来の意味でのコンサルタントはほとんどいないと言っても間違いないだろう。

なぜなら、「経営者」の数はそれほど増えていない(高額なコンサルタントを雇える経営者、ね)のに、コンサルタントだけ(大手のファームだけ考えても)国内でざっと50倍以上の数になっていると思われることからも分かることだろう。

まぁ、それもそのはずで、コンサルタントといっても、「IT」コンサルタントや「人事」コンサルタントなど、各ファンクションごとのコンサルティングへコンサルタントの活動領域が拡がっただけである。

こうなってしまうと、組織体としては、各部署(システム部や人事部など)の目的というのはトップダウンで降りてきていて、すでに自明であるはずであるから、わざわざ「コンサルティング」してもらうことはなく、その実行ノウハウだけをコンサルファームに委託するということになる。

これが、「御用聞き」となるからくりだと僕は考えている。お客さんがやりたいことを必死にヒアリングし、うちならこんな方法で叶えますよ!安くできますよ!という営業活動をするわけだ。

もちろん、こういったアウトソーシングが悪いといっているわけではない。「コンサルタント」ではない、と言っているだけだ。

少なくとも「コンサルタント」であるなら、お客さんの要望を元に、もっといい実行目標を提案するべきだと思っている。それが相手の意に時にそぐわないときであっても、企業の為、部門の達成目標を超える提案をしてこその「コンサルタント」であろう。

また、それを「論理的」に説明できるからこそ、コンサルタントの価値はあるのだと思う。
例えば、医者が検査の結果、こうこうこういう風に数値が悪いときは、こういう病気です。だから、こういう対処方法があります。と患者に伝えるのと同じように。

トップファームで働くコンサルタントの多くは、非常に論理的である。論理病であると言っても過言ではない印象を持っている。

そういえば、コンサルタントの中には、いくら論理を振りかざしてもお客さんが動かなければ意味がないと言う人もいるが、その時点でコンサルタントであることを捨てているのだろう。

論理的な主張がなければ、納得はしないし、結局のところ考え抜かれていないただの思いつきでしかない。しっかりと論理構成が練られた主張で、顧客と一緒に高みを目指していく。
それこそが「コンサルタント」であると、僕は思う。