漫画から「上キリ症候群」 | 川島正仁の南米体験歌

川島正仁の南米体験歌

川島正仁は、東京オリンピックの年(1964)、高校を卒業し、翌年19歳で南米アルゼンチンに移住します。日本を最後の移民船「アルゼンチナ丸」に乗船し、横浜港の大桟橋から出航しました。その時からの苦しい移民生活を、歌とともに綴ります。

「要するに今の日本人は「上キリ症候群」に掛かっちまっているんだよ。」「何だ!その上キリ症候群って」「ふ!上を見たらキリがないってことだよ」「こんな物質的に豊かになっているのに、みーんな不満足感でいっぱいだ」「つまり、モノは豊かになっても、心の寂しさは、埋められなかったってことだろ」「だからソレが上キリ症候群だっての」「もっといい暮らし、もっといい毎日が欲しいと、上ばっかり見過ぎているんだよ」「この地球上で衣食住すべてがちゃんとそろった生活ができるのは、一部の人間でしかないんだ、日本人はそのほんの一部の超恵まれた国民なんだ」「なのに、みんな自分の足元を見ず、上ばっかり見て自分は不幸だと感じている」「残念ながら俺もその一人だ、なんだかいつも淋しさと虚しさがつきまとってる」「つまり、意味もなく欲求不満になってるわけだな、俺も含めて日本人は」「ヨン様にとびついたオバチャン達もそれが原因だ」「俺もその一人かなーーーいや俺は本当に不幸な男だよーーーこの年でボロアパートの独り暮らしだもの」「とにかく上を見たらキリがないからなあ、日本人はみんなその蟻地獄にはまっている」今の自分の位置でどう毎日を楽しく過ごすか、それを分かっているのが多分ヨーロッパの人々なんじゃないかなーー」「長い歴史によってつちかわれた日常の楽しみ方が根付いてる国の」「アメリカはまだ新しい国だからカネがすべてになっているが」「ヨーロッパの一流国に負けない長い歴史を持っている日本なのにーーアメリカ式のカネがすべての国になってしまって、根付いていた日本なりの日常の楽しみ方を簡単に捨ててしまっている」「もう、上キリ症を治した人しか健やかな日常は得られないと思うな、上キリ症の人はカネを他人まかせにして自分でどう楽しく生きるかを考えるべきだ今のキュークツな日本を治す特効薬はソレしかないよ」

上記は、漫画「特命係長只野仁」に書かれた一章から索引しました。今の漫画には、本当に「心、哲学」が書かれています。こんな主人公と上司との会話の中にも今のわが国の問題が強烈に描かれています。頭が下がります。今の日本社会は、すべて「カネ」の社会に変貌してしまいました。ほとんどの国民はこの「カネの力」に「忖度」し、お金の奴隷になってしまいました。今こそ私たちに必要なのは「心の学問、哲学」の教育ではないでしょうか、点を取ってとにかくテストに合格し、有名校に入学するだけが「真の人生」なのでしょうか、良く考えましょう。私たち人間は「神」によって生を受け、生かされているのです。特に我が国の現状は一見平和で治安も守られていると思われますが、実際は深刻です。ほとんどの国民は「官僚マフィアシステム」に支配され、彼らのゆうままに働き、従っているだけです。そうしている間に「お金の力」に完全に虜になり、奴隷に成り下がっています。今こそ、正常な心を取り戻さねばなりません。その初めに「教育改革」です。幼い時の教育が大切です。