四度目のヨーロピアン 74 | CARPE DIEM BJJ 岩崎正寛の独り言

CARPE DIEM BJJ 岩崎正寛の独り言

日々の考察、気づき、試合レポート、昔話などを交えて柔術を語る

年が開けるとすぐにヨーロピアン選手権の開催が迫って来る世界三大大会の中でも世界最大の大会参加者数を誇るヨーロピアンには毎年参加して来た。

それも四度目の挑戦になる。

私の中でヨーロピアンは因縁深い大会だった。

何としても今回は結果を出したいと思っていたが3位になるには同じ枠にまたホドリゴ・カポラルがいて次こそはリベンジしてやるとそちらにフォーカスが向いていた。

 

一回戦が始まる前にカポラルに会った。

また君と戦いたいから負けるなよ。と彼に一言言うとお前もなと返された。

気合は十分入った。

セコンドには強さんがわざわざロンドンから来てくれた。

一回戦の相手はチバート・オリバー

フランスの選手でヨーロッパ圏では三兄弟で有名な強豪選手だった。

開始早々すぐにハーフガードに引き込みディープハーフへ。

トラップを作ったら早めにかかってくれたので1分もしない間にスイープし2点。

相手のガードの中へ入って行った。じっくり攻めようと思っていたのでクローズガードを半分ぐらい経過してから相手が焦れてスパイダーに変えて来たがベースをしっかり構え、隙あれば動き攻撃の隙を終了まで与えずに2−0で勝利。

 


 

さぁ次はカポラルだと気合を入れ直し彼の試合を見ていた。

すると相手選手にいつの間にかマウントを取られている。

しかもかなりバテてしまっていた。

そのまま試合が終わりカポラルは一回戦で姿を消した。

私は唖然とした。

トーナメント表を見てから彼が参加しているのを見てカポラル対策までしっかり考えて来たと言うのに。

あれだけカッコよくお膳立てはしたのに・・・えー・・・

私の気持ちが切れそうになった。が、相手がそれだけ強かったと言うことだ。

全然無名の選手だったが力強い動きだった。

私はすぐさま気持ちを切り替えた。

 

二回戦Kacper Rot

なんて読むのかが未だにわからないヨーロッパの選手。

しかし、カポラルを破った実力があるので油断はできない。

これに勝てば銅メダルが確定する。絶対に負けられない。

試合開始と同時にハーフガードに引き込んだ。

すると相手は少し変わった抑え方をして来た。

しかしそれにカウンターを合わせる形でスイープを取った2点。

上になり体勢を整え相手の三角に合わせてさらにカウンターパス。これは決まりはしなかったがアドバンテージになった。

少しパスできそうな感覚があった。相手のガードをさらに飛び越えパス。戻されそうになったのでマウント。が、強いエビで戻された。アドバンテージ2個追加。

さらにトレアンドパスを仕掛けアドバンテージ4つ。

抑えれそうで抑えれない。

強さんの声が届く。少しペースダウン。相手の様子を見ることに。

そこから相手のペースが上がって来た。

カポラル戦もそうだったが彼はスロースターターだった。

力強い方襟片袖のグリップにどんどん引き込まれそうになる。

しかしそれでもこのままでは呑まれてしまうと思いパスガードで対抗しアドバンテージ5個め。

強さんの声援もどんどん熱を増す。

相手もこの試合絶対勝ちたかったのだろう。最後まで動きを落とすことはなかったが私は彼を抑えきり勝利。

嬉しさが爆発しマットを叩いた。



 

悲願の三大大会のメダルを取ることが確定した瞬間だった。