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1. 「グローバリズムが世界を滅ぼす」をご紹介します。
- グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)/文藝春秋
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グローバルリズムと聞くと現在の世界では当たり前のキーワードであり、
マスコミなどで聞きなれているせいか、なんとなくポジティブな響きを抱くかと思います。
しかしながら、日・仏・韓の論客たちがそんな状況に反論します。
(英、米の論客が混じっていない点に注目です。)
そもそもグローバル化は今に始まった話ではありません。
近代の第一次グローバル化は産業革命以後の19世紀後半に始まり、
明日本の1930年の輸出比率は19%、戦後の高度成長期は10%程度でしたからむしろ戦前の方が海外に依存していたのです。
また日露戦争の戦費を高橋是清がロンドンやNYを飛び回って調達した話は有名です。
日本はアメリカ、ハワイ、ペルー、ブラジルへ大量の移民を送り出した国でもありました。
20世紀にかけて当時の新興国は日本とドイツであり、
英仏米に対抗し得る力をつけ始めました。
現代の新興国は中国やインドですね。
本書は現代のグローバル環境において新自由主義は失敗している
事実をテーマとしています。
リーマンショックの前の水準から、多くの国のGDP成長率が低下、
世界の貿易額も増えていません。
各国のエリートは劣化、命をかけて国を守る気概がある方がどれほどいるのでしょうか。
4. エリートが統治を放棄した結果、特に欧州の若年層の失業率は50%となり、欧州域内ではドイツを頂点に国ごとにヒエラルキーが形成されています。
また、世界中では金融危機が頻発している有り様で
アングロサクソンが主導したネオリベラリズムのエコノミスト、金融機関の幹部の仕事は明らかに失策であり、
相変わらず先進国では短期利益の最大化とコストカットが最優先される状況。
国家を隠れ蓑にして、自己の利益を追求する輩が政府、民間問わず多く存在。
リーマンショック後の度重なるQEにより、ハードランディングが回避されているものの、経済はいつクラッシュしてもおかしくないのです。
金融商品はコントロール不能になっており、途上国はマネーに翻弄されるという図式が定着しています。
結果として、各国の所得配分の不平等を生み、社会を不安定にしたのです。
そこで、論客たちは戦後ブレトンウッズ体制、保護主義政策を一定の評価を行い、
5. 100%自由化を志向する自由貿易から、貿易と資本移動のメリットを享受できる“程度”をコントロールすべきと主張します。
これには前々回ご紹介した「なぜローカル経済から日本は蘇るのか」の
6. G(グローバル)とL(ローカル)を分けて考えるべきという観点が重要になります。
1億人以上の国内マーケットを抱える日本において守るべき
ローカル産業の存在は大きいのです。
日本はまだTPPを妥結していませんし、米、欧州のようには
自由貿易に組み込まれていません。
これまで培ってきたものを国内で温存し社会的にも文化的にも成長していくポテンシャルがあるのです。
今、置かれている日本の立場は、世界の未来を決める壮大な実験場であり、
7. 安易なグローバリズムを受け入れる事への答えを出せるかもしれないのです。
但し、本書はグローバル資本主義を批判する内容としては画期的でありますが、
グローバル資本主義を超えた望ましい社会・経済のあり方が何なのか、
8. 具体的に明示されておらず、結論が明確でなかった点が課題を残していると感じます。
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