大家MASAの世界まるごと不動産投資 ブログ読者の皆様
1. 産業再生機構でご活躍された冨山氏の
「なぜローカル経済から日本は蘇るのか」をご紹介します。
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日本はグローバル化が必要だ、
英語は必須だ、
移民を受け入れるべき、...
などなどマスコミが叫んでいますが、本当にそうでしょうか?
本書ではそんな疑問が解消されます。
そもそも日本は1億3000万人も有する世界でも
類を見ない巨大な国内マーケットがあるのです。
そこで、G(グローバル)とL(ローカル)を分けて
考えるべきというのが筆者の主張です。
トヨタ自動車などの輸出産業が最高益を更新する報道がなされ、
あたかも円安効果と基幹産業が製造業である事のように錯覚しがちです。
日本国内の実態は、モノの製造ではなく
コト(介護、便利なこと、運ぶこと)を
提供するサービス産業が主であり、労働集約的であるが故に
今後のパラダイムシフトで人手不足となります。
そのため、GDPの大きな比重(7割!)を占める
Lの世界を理解する必要があります。
こちらは不完全競争で赤字経済圏なため生産性の向上が必要です。
ローカルの交通産業、飲食・宿泊・社会福祉・流通などが該当します。
一方でGの世界は言うまでも無く、グローバル競争にさらされた
経済圏であり、自動車などの製造業やIT産業が当てはまります。
この世界では、日本企業がグローバル競争に勝っても必ずしも
大量の雇用を国内に生み出しません。
かのドラッガー博士の言うところの知識労働者が中心であり、
世界レベルのエリートなのでグローバルマーケットで高い所得を
維持できる傾向にあります。
稼ぐ力のオリンピックチャンピオンが必要な世界なのです。
ちなみに韓国はこのGの比率が異常に高いため国内が不安定なのです。
以上の事から、“日本の企業“と一括りで語るのはナンセンスであり、
加工貿易立国時代の大企業と中小企業と語るのもナンセンスです。
また、グローバルとローカルの二項対立では無くそれぞれの特性を理解した上で
共存共栄も可能と筆者は言います。
一部の才能に恵まれた人や企業がレベルの高いGの世界で外貨を稼ぎ、
その他多くの人は、Lの世界でも良いのです。
「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」
が生じます。
しかし、かのサッチャー首相曰く、
「金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない」のです。
日本全体である程度の格差を許容する事は必要な事です。
ローカル経済圏は緩やかな退出と集約化で寡占的安定をめざし、
地域の雇用と経済的安定を担う。
地方の組成はコンパクトシティ化と駅前商店街の復活により
生活サービス産業を都市中心部に据え、
消費の中心である高齢層を効率良く囲い込む、その他世代にも
暮らしやすい環境を提供する、
これが最終的な人口減少に備える事にもつながるでしょう。
今後の日本の産業・社会動向を鳥瞰する上で非常に有効な良書です。
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