今回は、「30代が覇権を握る!日本経済」をご紹介いたします。
- 30代が覇権を握る! 日本経済 (PHPビジネス新書)/PHP研究所
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あの産業再生機構のCOOを務められ、数々の企業改革を行った冨山和彦氏の著作です。
私のメルマガのテーマである不動産投資は、社会構造や世代間の問題と必ず関係しますので、
ぜひご一読を。
大きな社会変革、「革命」の背景には、とかく深刻な階級対立が存在する。
日本も例外ではなく、例えば、源平の騒乱の背景には武士階級と旧支配階級であった公家勢力の対立であったし、
明治維新も、結果的に封建身分制の頂点にあった氏族階級の解体をもたらし、それが、アジアで唯一、19世紀における近代国家の誕生を可能にしました。
過去、日本においては、このような階級対立が大きな変革をもたらしたわけですが、著者が指摘する、
現在の深刻な対立軸は、世代間対立であると指摘します。
日本の個人金融資産が1500兆円と言われていますが、その大半を60代以上の人々がもっていて、
相続する人の平均が60代半ばと言われています。消費旺盛である若い世代がお金を持っておらず、
あまり消費せずにお金を塩漬けにしてしまう60代以上が
お金を持つというよろしくない実態があります。
また、社会保障制度の面では、資産も所得もない若い世代から巻き上げて、資産も所得もある
上の世代に配っている。
企業のレベルでも、終身年功制と企業年金という仕組みの下で同じような収穫構造がまだまだ温存されている。
これは、イデオロギーの問題でなく、20世紀に作り上げてきた社会システムが守っているのは既得権を持っている上の世代という事になります。
この少子高齢化を他国に先行する日本が解決モデルを世界に提示する使命があり、日本再生に向けて残された最後にして最大のチャンスでもある。
特に私が気に入った項目は以下でした。
<各章の項目(抜粋)>
・定年廃止、解雇規制緩和、完全能力給の導入
・大学を職業訓練校へ
・教育サービスには競争原理を
・グローバル競争に打ち勝つために
・若い革命家が老練な抵抗勢力に足をすくわれないために
著者が論ずる世代間格差は日本の現在抱える問題の根本原因で、せっかくある個人資産1500兆円が次の世代に継承されないようでは、
日本の次の成長の原資として有効活用できない事になるし、『資産フライト』で触れたように海外に
資金流出を加速させることになります。
過去、ブログでも触れましたが、各年代によってという事は上の世代が歩んだ時のような道は
続いていない事に早く気づいて早く行動する事が重要となり、会社や所属組織から経済的にも精神的に
も自立する必要があるのです。
参考:http://ameblo.jp/masacb2001/entry-11239925975.html
・今の60代-70代というのは、高度経済成長期にサラリーマン人生を歩んでバブルの絶頂を経験して引退した「逃げ切った世代」
・40-50代というのは、日本経済は傾きかけているものの、全力で既存のレールの上を走っていれば何とかなると思っている
「逃げきろうと必死な世代」
・そして私自身を含む、20-30代は、「逃げ切れない世代」だそうです。
これに対する私の答えは不動産投資でした。不動産投資は、億を超える借金(場合によっては)を抱える事と引き換えに潤沢な
キャッシュフローと金融機関への信用を積む事ができ、リフォーム業、管理業、清掃業、公共サービスなどへの波及効果のある
社会貢献度の事業です。対象は国内不動産でも海外不動産でも基本的には同じ考え方に基づきます。
著者が言う革命には、世代が結束して上の世代に対抗する事と論じられています。
下の世代が、個人個人で投資活動や事業を行い、上の世代が時には舌を巻くほど成功する事も一つの革命ではないかと思いました。