芸術家のほとんどが変人で、私には到底理解も尊敬もできない人たちだということが、大人になってからわかりました。だから芸術家になろうとは思いません。でも絵を描いて生活することは、とても魅力があります。
私が画家になることを妨げてきたものは、たった一つ。私のわがままです。私は自分が楽しく描けて、自分が幸福になれる絵しか描きたくありません。辛い思いをしてまで絵を描こうとは思わないのです。でもそれではプロとして通用しません。
私は今でも、自分の好きなやり方で、好きな絵を描くというスタイルを続けています。これからも変えようとは思いません。ただ、もう一つそれに付け加えるものを見つけたのです。自分が楽しく描けて、自分が幸福になり、さらに人も幸福にする絵。そういう絵を描きたくなったのです。そして、描けると思ったのです。人を幸福にするためには、多くの人に見てもらわなければなりません。
だから一銭も収入を得られなくても、画家になる決心をしたのです。私の絵を身近において、手に取って、壁にかけて、折に触れて見ることで幸福になってもらいたい。そのために私は画家になります。
