「アフターマス」(ブログ後半) | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

(以下ネタバレします)

シュワちゃんは一人で住んで、近くの工事現場で、巨体を生かして作業員してました。そしてクリスマスに、孫を宿した娘が飛行機で帰って来るのを楽しみにしてます。奥さんは離婚したのか、最後まで一切出て来ませんでした。

 

ひょっとすると、写真でも飾ってあって、亡くなってたのを見落としてたでしょうか。すると中々時間になっても娘さんからも連絡なくて帰って来ません。それで空港へ行って、どうなってるのか?と問い合わせると、何やら不穏な空気がして、別室へ通されます。

 

そして、娘さんの乗られた便は、大事故に遭い、この種の事故の場合、生存者は居ませんと、そっけなく宣告され、新しい情報が入り、専門医が待機する別室へ案内しますよ言われますが、シュワちゃんは気丈に断って、何かの間違いかも知れず、生きて帰るかも知れんと家へ帰ります。

 

するとテレビでニュースやってて、まず希望は無くなります。そして失意の内に一晩車を走らせて、とにかく現場へ行くと、実際に現場は事故機の残骸だらけで、多数の遺体も散乱して、煙が立ちこめていました。

 

すると現場では、現場捜索のボランティアと言うのを受け付けてて、遺族は入れないと言うことで、このボランティアに成りすまして、シュワちゃんは現場に入り捜索すると、妊娠した娘さんは見つからず、その代わり一人目の孫娘が、木にひっかかって亡くなってるのと、娘のネックレスだけが見つかります。

 

そして、場面は一転して、事故時の管制塔になって、もう一人の主役の管制官の事故時の挙動が出て来ます。たまたま電話工事屋が来ていて、暫く電話が使えないかも知れませんと不穏なこと言ってます。予備回線は無く、また深夜も運行してるのかと疑問が過ぎります。

 

事故の原因は、全てこれと個人的には見ています。2機の航空機が空港着陸に接近した時、その空港に状況を知らせる電話を掛けると繋がらず、その管制官はそのことに忙殺されて、その都度レシーバーを外し、接近する1機からの無線が聞き取れませんでした。

 

それで、結局それに応答出来ず、高度変更を指示出来ず、結局、気づいた時には2機は、同じ高度で接近し、大きなレーダースコープ上で、見つめる内に、赤に警告表示されて、静かに交差して、機影は消えたのでした。この衝突大事故のレーダーだけよる表現は優れてました。どんな派手な表現より、ぞっとして怖ろしいものがありました。尚、もう一人管制官は買物で外出しててこれも致命的でした。

 

そのあとは、少しだけ衝突後の機窓から見える壊れた主翼と、落ちて行く相手機がちょっと映る場面がフラッシュバックしてました。その後両機の死者は271人と報道されてました。それでまあシュワちゃんは、悔しさと寂しさで悲嘆にくれます。

 

当事者の管制官は責任を感じて、悲嘆にくれ、家族と済む家には、殺し屋と赤いペンキで落書きされ、結局耐え切れずに、一人離れて住みます。するとそこに、定番通り女性取材リポーターが居て、管制官の居場所が分り、シュワちゃんは車を飛ばしてアバートを訪れます。

 

そして一度はチャイム押しましたが、やっぱり勇気が無くて車へ戻ったものの、やっぱりこのまま帰れないと、またチャイムを押すと、管制官は現れ、シュワちゃんは娘と孫娘の写真を見せ、謝ってくれと言います。しかし管制官は決して謝らず、帰れと怒鳴り散らします。

 

するとシュワちゃんは、持って来たナイフを取り出して、管制官の腹と首を刺して殺します。部屋には訪ねて来ていた奥さんと幼息子が居て、それに気づいて悲嘆にくれます。シュワちゃんはそこを離れて、自殺しようとしましたが、結局その勇気はありませんでした。

 

そして次の場面は、自首したか捕まったのか、今度は服役10年後に出所して、娘さんらの墓へ参りに行くと、そこには成長した管制官の息子が来ていて、父親の買ってあった銃を突きつけます。シュワちゃんは殺せと言いますが、息子は殺せるが殺さないと言って立ち去って行ったと言う話でした。

 

うむむむむむ、どうなるのか息もつかさない緊迫感で見せるんですけどね。どっかに計算違いがあって、訴求点が見えなかったのです。二人の人物には、大きなドラマがあったと思うんですけどね。それが上手く表現し切れなかったと、個人的には思えるのでした。

 

10億円の製作費で、興収は6千7百万円の不発に終わったようでした。老年シュワちゃんには、何とか活路を見出して、またヒット作が欲しいんですけどね。