「市子」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2023年邦画をアマプラ397作目となります。杉咲花主演で最近はこんな仕事してるのですね。思い切り暗い深刻な、ファンと関心ある人しか見に行かないような深刻映画作ってるのですね。採算合うのかなと心配になる作品でした。

 

二人姉妹が生まれてて、妹の方が常時呼吸器要って、胃瘻してるような生活してて、姉の杉咲花が全て面倒見てるような生活と人生を描いてて、しかも自分がその妹になり代わって人生歩んでると言うそう言う生活を杉咲が渾身の熱演力演で描いてる映画でした。

 

こうして書いて行く内に、分りにくいところが少しは分ってくるだろうかの気持ちもあります。かなり難解で謎多いです。分らないまま終わることも多いと思います。WiKiがあり、原作戯曲があるようです。恐らく実体験ベースと思われるような激話です。

 

はい、これも2時間じっくり描く長尺となってます。激話で秀作で、杉咲は名演を見せてますが、個人的には若干演劇的と言うか、深刻振り過ぎる気運は感じました。見応えはあります。まあ解決法が無かった悲劇を、杉咲がその身に一身に背負った物語と言うべきでしょうか。

 

もしくは解決しなかった物語とも言うべきでしょうか。

 

(以下ネタバレします)先ずはアパートに引っ越しして来て、同棲始めたカップルの真面目そうな男性が、杉咲にプロポーズして、杉咲は誰しもそのように涙の感激して受けますが、翌朝から行方不明になります。なのでそのあと男性はその市子と名乗ってた女性を探す旅に出ます。

 

そうして時代が市子が高校生の時に遡り、その時は別の彼氏が居て、しかし市子は正体が知れず、団地に住んでいて、父母が居るようですが、家庭は複雑で父親の性虐待があったりして、崩壊してるようです。

 

そして当然男性は行方を必死で探しつつ、途中で刑事とも接触し、僅かな手がかりとともに、結局は捜索は市子の過去と生い立ちへと遡り、過去の数少ない知り合いや、昔の彼氏とも接触して行き、結局は重度の病気の妹を、それ以上面倒見れないので、母親も承知で酸素を止めて寝た切り妹を死なせたまま行方をくらましてたようでした。

 

それでこれは多分高校卒業後の話で、その間は母親が決死の看病続けて、それでももう生活あかんとなり、母親は敢えて姉の杉咲に妹を殺させて、その直後から杉咲は名前変えたりして、行方をくらましてて、それでプロポーズされた男性と、やおら結婚しようとまで辿りついてたようでした。

 

しかし婚姻すると身元バレて、妹の殺人容疑がかかって来るので、この映画もやっばり身元バレるまでが実体の生活と言うことを描いてました。刑事は重病の妹の殺人で捜査してると思いました。昔の恋人もある時から市子は訳も分らず行方不明になって終わってました。

 

そして結局、市子はまた一人で道を歩いて行く姿で映画は終わってました。誰も割と時間前後する複雑なあらすじは書かず、誰も書かないので誰もコピー出来ず、本作のあらすじは、例によってネットには一つも無いようでした。

 

しかしおちょやんの杉咲の演出と熱演はよく出来ており、ファンにもなってた自分には充分見応えはありましたよ。まあしかしこう描くと見ざるを得んと言う縛りの強さは、こう言う作品では仕方あるまいとは思い、主演女優がファンでなかつたら、個人的には見る理由は無かったことになったでしょうか。即ち悲劇悲哀以外には描くものが何も無いとも思えるのでした。