「ある男」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2022年邦画をアマプラ396作目となります。続けて邦画見て安藤サクラも出てるので見ます。これも2時間ある長尺ものでしかも殆ど会話だけです。弁護士役で妻夫木聡が出てて、窪田正孝が父が殺人者で死刑受けた、複雑な息子役で出ているサスペンスものでしょうか。

 

妻夫木聡は「悪人」か何かのこれまた暗い映画に出てましたな。本作も安藤サクラが旦那と思い込んで再婚して、子供まで出来て仲よく暮らしてると、ある日林業で事故にあって旦那が亡くなります。とこが、その人が自分で言ってた人間と違って、一体誰だったんだろうと言う話になります。

 

暗黒の暗闇の中を、弁護士と正体を探りに行き、恐るべき戸籍売買の闇の世界に踏み込むと言う、そう言う話となります。

 

(以下ネタバレします)その旦那は林業して4年ほど経ってましたが、ある日倒木に失敗して、大木の下敷きになって急逝して葬式すると、兄が供養に来ます。そして仏壇に線香上げると、遺影が無いと言います。要は本人の遺影が無くて、別人のがありました。

 

旦那本人が名乗っていた名前も素性も、当の兄が言う本人ではありませんでした。他人を騙って成りすまして生きていたのです。まあサクラや子供にとっては当人であれば名前など別にどうでもよいのですが、騙って欺いてるのは確かです。

 

まあ結論から言ってしまえば、欺かなくても受け入れてくれる人とだけ、真摯に付き合えばよいものを、どうしても自分が許せず受け入れられずに、何らかの方法で他人の戸籍1式を、恐らくは買って、もしくは交換して生き延びてる人の裏世界があることをこの作品は描いてました。

 

小説原作があり、賞を受賞してる作品とのことでした。それでまあそしたら、内の旦那は誰やってんと、自分らの苗字もどうなるねんと、十代の子供まで文句言い出します。基本的には親の苗字と言うより、誰の苗字であろうと、もう既に自分の苗字として生きればよいと思うし、それしか無いと思いますけどもね。

 

しかしいざ自分のこととなると、心情的にはそうあっさり割り切れないものなのだろうかとも思います。また旦那がどこの誰だか分らないことになるので、戸籍の処理が出来ないことになる気がします。実際は何か方法があるのかは知りません。

 

住民票はさしたる支障無しに修正出来る気はするんですけどよく分りません。戸籍なんてこと細かく記録してますが、とどのつまり国籍の確定だけなんですよね。日本国内どこをどう動いても、ずう~と追いかけて追いかけてどこへ辿り着くかと言えば、日本国内出生の母から生まれたと、これだけではなかろうかと思われます。

 

これが相続上は2代前まで遡って調べてた記憶だったですが、忘れかけてます。どうだったかな?先ずは自分本人は、自分を生んだ母親の出生まで確か遡ってましたっけ。そしてそれは聞いてた通りの地域で国内でしたわ。

 

それは知ってるお婆ちゃんでしたわ。お爺ちゃんの写真までありましたわ。自分にそっくりでした。これで自分は国産と記録的に証拠付けられるのでした。大そうなことですわ。日頃毎日生きていくには殆ど関係無いのですけどね。芯の芯ではそうして記録付けられ、証拠付けられ、日本の戸籍は成り立っとる訳ですわ。

 

この映画はそのことを描いてました。犯罪歴やら量刑は全て戸籍に記録されてますからな。これひょっとしたら、褒章も勲章やらが記録されてるんではないかとふと思いましたけど、どうなんでしょうね。地球滅ぶが国滅ぶまで残るんでしょうな。異星人も作ってるんやろかとも思いましたで。

 

と言う殆ど余談になりましたが、弁護士はどんどん追究して行くと、旦那の父親は殺人犯で、死刑になり、元旦那の息子は遺体も受け取らず、ボクシングで我が身を痛めるためにだけに生き、しかし表舞台に出るのはやめて、山奥に流れて林業し、旦那と別れた安藤サクラとなれ初め、4年後に事故で死んでました。

 

調べて行く内、弁護士は刑務所に居るその世界の極悪人柄本明に、せせら笑われて、内幕を知らされ、あんたも隠してるが、韓国出身だと易々と見破られます。

 

段々と窪田の身元も明かされますが、もうすでにその時は弁護士妻夫木もまともな日常生活に戻りつつ、やはり少し自分も若干正体が分らくなってるところで映画は終わってます。その深刻度合いから多くの賞を取ってるようです。