「『2001年という“未来』がYouTubeで公開中」 | 定年後の風景

定年後の風景

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久し振りに見ました。多分ブルーレイ版の特典映像についてたもので、その時初めて全編20分ほどを見ました。殆ど説明が無く、それまで断片で出て来てた動画は、殆どここから抜き出されていたことを初めて知ることとなります。

 

しかしなので、そもそも何の映像なのかは分らないので、キューブリックブログさんに質問しておきました。何やら最初にカメラマンとして勤めてたルック誌の社長に恩返しするために出血大サービスで秘蔵のメイキング映像に纏めて、映画館で短編作品として上映されたものと思いましたよ。

 

なので当時から日本などには一切知られて無かったと思います。1960年代後半は、世は宇宙時代ですから、宇宙ものは何でも商売になり、誰しもネタは血眼で探してましたからね。世の中どこを見ても宇宙の話だらけで、良き時代でしたねえ。

 

自分は小学高学年から中学高校への時期で、新聞の宇宙記事は全て切り抜いて、ストックブックに欠かさず貼り付けてましたよ。ジエミニの初の宇宙ランデブーは、新聞の一面に載る時代でした。ロケットを打ち上げるだけで、その都度新聞1面に「打ち上げ成功」と記事が載ります。

 

ジェミニが1面に載ったのは、初めて軌道飛行中の宇宙船の画像が見れたからです。それまで宇宙船は単独で飛んでましたから撮影出来なかったのです。今では宇宙船はISSを行き来してますからいつでも撮れます。

 

ジェミニは当然16mmカメラでも撮ってましたから、2つの小さな窓から飛行士が船内で手を振ってる場面もあって感動しましたよ。勿論ライブではありまへんで。帰還してフィルムを現像したり記録ビデオを再生したものをニュースでやってました。

 

さて今回の映像は、1968年の映画公開後だと思いますが、定かで無いですね。公開前に映像公開しても、殆どの人は関係者以外は誰が何やってるのかさっぱり分らなくて、単なる宇宙時代の幕開け邁進中の紹介映画の一部として、2001年の映画を取り込んでいるのだと思いましたけどね。

 

この翌年に、遂に初の月面月着陸しましたからね。なんと言う幸福幸運な時代だったでしょうか。これだけでもこの同時代に生きた価値は感じますねえ。いつかロケット打ち上げても新聞にも載らず、テレビでニュースすら流れない日が来るのかなあと思いを馳せてると、ほんまに来て、もうかなりの時代が過ぎました。

 

ほんまの未来です。知らん間に21世紀になって、もう20年以上も経って、ほんまかなと思いまっせ。そしてまああの時は、時代自体が若く熱く希望に燃えて、情熱的で若々しかったものでしょうか。このフィルム見て最初に一番感じるのは正しくそれですよね。

 

出て来る人々に迷いがありません。確信して邁進してるのが何とも良いですなあ。もうあんな、時代自体が少年青年してる時代は二度と来ないと思いましたよ。キューブリックもクラークも若くて格好いいですね。確信に満ち溢れるとはああ言う姿をいいますね。その他特撮大御所も若いですなあ。

 

そしてまあよく見ると、動画には未だ最若手のトランブルが映っておらず、さらにまた2001年のデザインセットや撮影は、著書にもあるように、殆どもう出来上がってて、トランブルは割と後半の細かい詰めに増員で呼ばれたでしょうか。

 

それともキュープリックが気に入ってて、どうしてもスタッフに入れたくて、また大御所は次の特撮作業に忙しかった話もあります。まあなので終盤にまとめにかかったのは、確かにトランブルだと思いましたよ。

 

なので最初の仕事は、表示バネルのアニメーション作成だったり、終盤のスターゲイトの映像作成だったり、手間のかかる作業をトランブルにさせて、おかげてその成果を見事にあげましたね。キューブリックは常に見事なコーディネーターだったですね。

 

なので宇宙機や内部デザインは、トランブルのものでは無くて、そう言われれば若干雰囲気が違うのもまた良いですね。なので操縦パネルに、ネオン管がちょっとだけ出て来るのは、大御所のデザインの名残りか、僅かに時代の証拠を残したのか興味津々となります。

 

また見るからに液晶もどきの表示装置になったのは、センスか偶然かは分らないのでした。しかし可能だった光学合成を使わなかったのだけは確かなようでした。クラークが変なキャップ被って白衣を着ていたのは、あれはNASAのクラス10万の巨大クリーンルーム工場ですね。

 

防塵室そのもの及びその基準及びそれ用の高清浄フィルターもNASAが開発したものです。キュープリックも、まっ黒いモノリスに着く埃の防止に苦労してたようで、きっとクラス10万のクリーンルームスタジオが欲しかったのに違いないのでした。

 

方法は単純で、フィルターに室内空気を1時間に20回、30回と循環させて濾過してるだけです。なので、発塵する髪の毛や衣服に無塵衣を着ているのでした。ユーチューブ映像には英語字幕もないようです。特典映像には日本語字幕が付いてた思います。

 

キヤ・デリアもインタビュー受けてて、確か宇宙遊泳がきつかったと話してたと思います。クラークは独自の宇宙思想を語ってたと思います。クラークは人類初の月面着陸のテレビで解説として出てた画像が残ってます。