「レリック」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

1997年米国作をアマプラ220作目となります。プライベート・ライアンやブラック・ホーク・ダウンのトム・サイズモアが、刑事役で出てたSF怪獣ものです。とは言うものの、主役は美人女性研究者のペネロープ・アン・ミラーで、そう言う意味では怪獣含めてエイリアンそのものでした。

 

人間襲って首を刎ねて、その中の脳下垂体を喰いよると言う、まあ奇天烈不気味残酷怪獣でおました。なので映画の冒頭と、最後の大決戦で、首食い千切られた死体が、ゴロンゴロン出てくる残虐非道映画でありました。

 

こうして死体が、山の様に積まれてますから、どの場面でも臭いが臭いと、何度も台詞が出て来て、見てる方まで臭って来そうでした。サイズモアは、プライベート・ライアンやブラック・ホーク・タダウンに出る前の、じわじわ主役級やってた頃の作品となりますね。

 

当時の前タイトルロールの監督に、名の通ったピーター・ハイアムズが出て来て、明らかにメジャー作品となり、それなりに物量も投入した作品となってましたね。しかしまあ怪獣ものとしては、凡庸で、一部アニメかCGも使ってたのか、怪獣の撮影にはかなり苦労してたと思います。

 

寝ませんでしたが、緊迫感と迫力とSF的風味にはかなり欠けると思いました。それよりも何よりも、全般に夜で、照明落ちたような場所で、延々とメインシーンを展開するので、それはもう暗くて暗くて、まあ半分以上と山場は、俳優の顔すら定かで無かったです。

 

これほど何も見えない、黒い画面だけを見続けた作品も珍しかったと思います。ネットの指摘でも暗いと書かれていて、これはもう明るさの設定が間違ってるかと思いましたよ。撮影か現像か配信か。映画館では見えたかも知れず、またデジタルに起こす時に、設定間違ってると思いました。

 

テレビ画面を、いくらでも無茶明るく出来るのですが、一応最善にカスタムで設定してますから、また元に戻すのが面倒なのです。とまあそれで、照明の無い暗闇の中で、顔も分らない人影が映っていて、一体何が映ってるのか、幽霊屋敷で影を見てるような、想像だけさせる映画でおました。

 

テレビを特別に明るく変えないと、何が映ってるかは分らないと、覚悟がいる映画でした。まあやってることは、何となしに雰囲気で分りましたけどね。怪獣の表現が難しく、それがバレないように、どこまでも全体に思い切り明るさを下げましたか。

 

ハイアムズは「カプリコン・1」や「2010年」の監督だったですね。本作は原作小説の映画化でした。なのでやたらSF的理屈が出て来ますが、映像は特別それを反映したものでは無いと思いましたよ。未知の怪獣が現れて、それと戦うだけの話に思えました。理屈は余り関係無かったかと。この辺もエイリアンと似てました。

 

(以下ネタバレします)先ずは大型貨物船が、無人で港に漂着して、サイズモアらの警察が調べると、臭い船倉の床下に、首斬られた乗組員がぎっしり詰め込まれてました。してみると、船内に潜んでた怪獣は、死体を隠していて、怪獣の姿の割には、割と知能あったのですね。

 

それでまあ、そこには未知の植物積荷もあり、それが父親と一緒に研究してる、美人研究者のもとに届けられて、ここで敏腕トム刑事の繋がりも出来ます。するとまあ、植物と思ってたのは、実はそこに怪獣の卵が付着していて、それが虫喰ったりして成長して、ぼちぼち人を襲い始めます。

 

首ちょん切り始め、そしていよいよ女性が勤める大博物館の、新展示披露会が開かれて、トム刑事らは、怪獣が居て危険と忠告しますが、老婆館長は、資金集めに要るんやと披露会を強行し、そこに100人は閉じ込められて、凶暴大型化した怪獣と戦う、とそう言う話と思います。

 

何せ特に見せ場となる、この夜の大博物館のシーンは、地下も多くあり、影絵状態で見てますから、シーンは全て想像でおます。時折怪獣が大写しになると、ちょっと形は見えましたが。まあ人の背丈より大きくなり、哺乳類には無いほどの、巨大な牙を持ち、全体としてはトカゲ様だったでしょうか。

 

そらもうあんた、人の脳下垂体ばかり喰らって、ホルモンだらけDNAだらけになってるので、若干食った人の意識も芽生えてるようで、それがために女性研究員は目の前に迫っても、襲いませんでした。

 

巨大博物館の防災システムが作動して、厚さ数センチもあろうかの、中世的鉄扉が有無を言わせず下がって来て、人々を閉じ込めた中で、惨劇と決戦が行われ、むしろこの扉の方が恐かったですが。防火扉か?何のための鉄扉だったのか?防犯か?

 

しかも中で怪獣と戦ってる間に、救援に駆け付けた警官隊が、バーナーでこの鉄扉を、一生懸命焼き切ってます、いやそのあの、その扉焼き切ったらあかんやろ。折角閉じ込めてる怪獣を、街に解き放つ気か?と見ている方も混乱して来ます。

 

まあ館内に閉じ込められた100人ほどは、死ぬかも知れんが、街の人々が死にまくるよりマシと思うんやけどな。とまあそれでも、館内と地下道での、真っ暗な影絵芝居は続き、何とか怪獣は爆殺焼き殺して、警部と女性研究者は、間一髪で、皆も脱出出来て、ああ良かったと言う話でした。

 

影絵で見てると、多分そうだったと思います。ま、途中いろいろDNAとか、生物学の話も出ていて、段々詳しくなってましたが、それによるSF的展開は何もありませんでした。ただ怪獣は段々強くなって、戦って負けると言うだけでした。

 

まあ、これまでの監督の作品に似てました。SF風ですが結局それとは関係無しに、話は進むと言うこう言うのが、好みなのは今作でもよく分りました。ファンの方には申し訳ないです。画像はお借りしてます。