「スキャナーズ」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

1981年カナダ作をアマプラ177作目となります。往年の名作も、こうしてチョボチョボ無料に降ろしてはてくれますアマゾンも。そらもう掘り出し物見つけた感で速攻観ます。下手するとすぐまた500円とかの高~いレンタルに戻しよるときありますからな。

 

名匠デヴィッド・クローネンバーグ監督の不朽の名作の一つですわ。今回観直すと割と複雑でしたが、テレパシーとテレキネシスの融合SFでしたか。しかも最後は圧巻コンピュータまでにも侵入して破壊してました。

 

1980年ですから、大型磁気テープとブラウン管グリーンディスプレイの世界でおました。勿論表示は文字だけでっせ。PC8001レベルの表示だったでしょうか。CGなど勿論一切無く、苦肉の鬼気迫る特殊メイクでやり尽くしてました。

 

大変な迫力とショッキング映像、及び並外れた鬼気迫る演出演技してます。う~んカナダ作なので当時米国では作れないような不気味冷徹さが際立ってますな。何故か不審にスキャナーと呼ばれる超能力者に生まれついた者たちが、例によってその超絶能力によって、世界征服したれと言う輩が出て来ます。

 

しかし、いやそれはあかん、ちゃんと普通の人々と共存して、むしろ役に立たなあかんねん組とで壮絶な戦いを繰り広げると言う話です。小松左京のエスパイを思い出しました。しかしまあこの映画は、それはもうあんた、冒頭で科学者が、見学者を大勢ホールに集めて、公衆の面前で超能力の実験します。

 

ほな超能力やってみな、私が受けてしんぜようと、ステージの上へ被検希望者を上げて、実験始めます。まあ、念力の強い者見つけて集めようの公開実験でした。そしたら私をと、一人の男性被験者が手を上げて、ステージに上がり科学者に念力を送ります。

 

科学者はこれを受けて、こう言う思念を送りましたねと確かめる実験のようです。すると男は思念を送り始め、科学者はそれを受け始めますが、途中からウグッとなり、くく苦しいと呻き始め、目を白黒させて来ます。

 

男はさらに力込めて念力送り続けると、科学者は首押さえてウゲーッと絶叫すると、頭部が血だらけ脳片だらけで爆裂して飛び散りました。そらもうこんな場面誰も予想してなかったですから、驚きびっくり仰天で映画館出た人も何人か居たと思いますよ。

 

この場面はやっぱり衝撃的で、レンタルで借りて来て何度テープ巻き戻して、どう撮影してたのか、何度スローで巻き戻して見直したかでした。当然極めてよく出来てました。この頭破裂場面でクローネンバーグは世に打って出たですね。

 

映画の後半は、さぞもっとエグイ場面が連続するかと思いきや、迫力あるものの、やや抑え気味にした所が、B級映画に堕しない、名作名監督と成りえた所以でしたね。それでまあこの大騒ぎのあと、政府を始めとする念力研究者達は、最早自分らに攻撃仕掛ける未知の念力者が居ることを知ります。

 

そして、彼らと戦う念力者集団を組織して行きます。その中心人物が、あの大好きテレビ、プリズナーNo6の主役パトリック・マクグーハンでおました。このテレビシリーズ終了後も結構活躍してましたね。

 

それでまあこの博士が、新たに強念力者の主役男性を見つけて、いろいろ説明して、敵と戦うんじゃと味方につけます。敵は意に沿わない念力者を次々殺し、からくも脱出した女性念力者とともに、敵念力者と戦うこととなります。

 

この美人女優は誰だったかと思ってると。「おもいでの夏」のジェニファー・オニールでおました。そして二人で怪しい産院の医者を突きとめると、何とその医者が念力者会社から、妊婦用睡眠薬として妊婦に処方して、その副産物として念力者を出産させてると言う驚くべき事実が分ります。

 

恐るべきリアルな、ほんとにありそうな陰謀を実行してるのでした。実際二人が産院を訪れると一緒に行った女性は、待合室で妊婦の胎児にスキャンされて、鼻血出して急いでそこを脱出したのでした。どうもだんだん念力者は強くなってるのかも知れません。

 

そしてとうとう敵親玉念力者に捕まりながらも、ようやく合いまみえて遭遇すると、その親玉はお前は強力だから一緒に人類征服せんかとやっぱり誘って、さらには実は俺はお前の兄で、お前は弟だと驚愕の事実をバラして来ます。

 

しかし弟は、嫌じゃそんなことさせるか、と強烈念力者同士で決死劇烈の対決をすることになり、お互いを壮絶スキャン戦いすると、弟は目玉飛んで血吹き出し、身体から炎噴き出して、もうあかんと言う時に、弟はなんと自分自身を兄の身体に乗り移らせて、兄の意識を追い出してしまうと言う荒業に出ます。

 

これで、兄の意識は抹殺されました。別室から駆け込んだ女性は、黒焦げの弟の遺体見て、負けて死んだと思いきや、弟は意識追い出した兄の肉体の中で目覚め、勝ったでと、女性に告げて映画は終わります。

 

うむむむ、SF的にも中身濃いです。よく出来てて破綻は無いように思いました。妊婦に薬処方して増殖させるなんて、リアル過ぎて出来そうで悪魔の所業でした。クローネンバーグはこの後、ヴィデオドローム、デッドゾーン 、ザ・フライ、と立て続けに不気味SF作をヒットさせました。

 

敵兄役のマイケル・アイアンサイドは、トータル・リコールでも敵ボス役して印象深かったです。続編は3まであって見たと思いますが、あまり印象には残ってないですね。写真はお借りしてます。