「富士登山の魅力」
今年も間もなく7月1日に吉田ルート、
7月10日に富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートが開通する予定です。
閉山は例年通りなら9月10日になるはずです。
僅か2ヶ月ほどの短い富士登山シーズンが始まります。
富士山に一度は登ってみたいと言う人は非常に多いです。
しかし反対に、何故か富士登山の悪口を言う人も非常に多いです。
そこで実際のところ楽しいのか?楽しくないのか?について、
書いて行きたいと思います。
今年はようやくコロナ禍の影響が終わり、
富士登山関連の最新刊も出揃っています。
やはり気合が入って来ます。
今年は悪玉コレステロールのため、
強力なダイエット中であり、
7月中旬の血液検査をクリア出来ないと無理と言う厄介な状況ではありますが。
(とてもではないがダイエットしながらの富士登山は全く無理。後述)
さて、私的な体験から富士登山を考えますと、
「圧倒的に楽しい」「多分人生でも相当の上位に食い込んで来る楽しさ」
と言うのが偽らざる私見であります。
どこがどう面白いのか?と言いますと、
先ずどうしても外せないのが、
人間の持つ本能的な感覚として、
他人ウケが桁違いに凄い、
と言うのが挙げられます。
そもそも私達日本人は幼い頃から、
「日本一の山」として学校の授業でもテレビでも頻繁に富士山が登場します。
夏になると開山シーンや御来光登山のための夜間の長い行列なども風物詩になっています。
そう言う事前の情報が登山意欲を掻き立てていたのは間違いないところです。
何か凄く楽しそう、と。
そして実際にやってみると、
想像を遥かに超える面白さだったので、
この3年はハマりまくっている訳であります。
そうして他人に言った場合のウケ方がハンパない、と。(笑)
変な話、登山趣味を持たない人にとって、
一般的な登山のイメージは「辛い汚い物好き」かと。(笑)
槍ヶ岳に登ると言っても、
後述しますが、登山をしない人には「それ、どこだっけ?」状態です。
しかし私は若い頃から富士山に登ってみたいと思っていたのですが、
他ならぬ北アルプス愛好家だった亡き父から散々富士山の悪口を聞いていたので、
こりゃ無理だ、嫌だと思ってしまい、
しないでずっと過ごしていたのであります。
それでも登ってみたいと時折沸々と思い立ちまして、
人生の所々で昔から富士登山の本を購入して計画だけは立てていたのであります。
結果的に実行出来ないままつい最近まで過ごしていたのですが。
さて、富士登山の世界は非常におかしな事態になっていると以前から強く感じています。
一言で言うと亡き父がその典型でしたが、
「未経験者が平気で否定して来る」に尽きるかと思います。
実に不思議な事に、
この場合、登山の未経験者にもいますし、
驚くべき事に北アルプスなどにガンガン行くベテラン登山者にもかなりいる、
と言う厄介な状況になります。
特にベテラン登山者の弊害は極めて大きいです。
実際に誰が言い出したのかは分かりませんが、
「富士山は眺める山であって登る山ではない」
などと言う人が大勢います。
富士登山経験者が言うならある程度は理解出来ます。
しかし私の周囲にいる人で、
このセリフを口にした人は、
日本アルプスをヤッていた亡き父を筆頭に、
今のところ全員未経験者です。
しかも結構多いのであります。
未経験者が想像でモノを言う実におかしな事態です。
厄介な事にもっともらしいセリフを口にします。
風景が変わらないから単調でつまらない、
木がなくて荒涼とした感じでつまらない、
登るだけでキツくてつまらない、
下山もキツいらしいからつまらない、
超混雑するからつまらない、
山小屋が悲惨だからつまらない、
等々、それはそれはもっともらしい言動が沢山跳梁跋扈しています。
本当なのでしょうか???
かつての私のように、
意外にも信じてしまう人が多いから余計に事態を悪化させます。
ちなみに富士登山の経験者にも一定数います。
そもそも何故そんな事を言うのでしょうか?
山小屋の混雑は富士山だけではありません。
日本アルプスの山小屋も予約が非常に取り難いと聞いた事があります。
何故殊更富士登山だけが酷いと言われるのか良く分かりません。
あくまでも個人的な体験から推測してみますと、
一番人気のある山で非常に華やかなイメージがあるから、
と感じてます。
登山をしない人にも富士登山は一発で理解されます。
「ええーっ!!富士山に登るんですか!!」
と驚く人は非常に多いです。
反対に「槍ヶ岳に登ります」と言われても、
登山をしない人には山容すらイメージ出来ないかと。
前述しましたように、
登山趣味とは基本的に辛い汚いであり、
登山趣味を持っている人のイメージとしては、
偏屈な人間嫌いの頑固者、
でしょうか?(笑)
そう言うタイプが登らずして、
イメージだけで富士山なんてと言って来る、と。
また、リアルに無視出来ないのが過酷さにあります。
特に高山病の感覚は、
日本では富士山でしか存在していない「高高所」に行く行為ですから、
その過酷さは群を抜いているのも一面の真実であります。
もちろん標高3776mの日本一の山ですから、
一番易しいと言われている吉田ルート五合目(標高2305m)からでも、
実に1471m登らないといけない訳です。
ちなみに標高差1000mを超える登山は非常に厳しい世界です。
物凄く疲労する上に酷い高山病を食らう訳ですから過酷なのは事実です。
富士登山オフィシャルサイトには、
フルマラソンの消費カロリーは2500~3500kcal、
富士登山の消費カロリーは3000~4000kcalと記載されています。
つまり富士登山とはフルマラソン42.195kmを走り切るよりも、
さらに大きなカロリーが要求されている世界であります。
そこへ高山病がトドメを刺して来て、
天候不良までありますから、
普段から余程鍛えていない限り、
また運が良くない限り、
そう簡単に登頂出来る世界ではありません。
実際に富士山の登頂確率は50%くらいと言われていますが、
体力不足で撤退する人、高山病で撤退する人、天候不良で撤退する人を考慮すると、
この数字は極めて正しいと感じています。
従って、仮に登頂出来ても、
死にそうなくらい疲れてしまい、
風景どころの騒ぎではなかった人も多数いると思われます。
そう言う人は当然富士登山は2度と嫌、となる訳です。
ちなみに昨年の私の富士宮ルートからの登頂では、
登頂確率は約33%でした。
理由は2度の台風襲来による予約の延期にあります。
3回目でようやく実行出来た経緯があります。
それほど難しい富士山登頂の世界でありますが、
登頂すると何が起こるのか???
あるいはその過程に何があるのか???
先ずは戦略的に身体を鍛える事から始まるのであります。
仮に8月10日に登ると決めたとしますと、
そもそも1年前から計画は既にスタートしています。
つまり前年の富士登山が終わったら次を既に考えている、と。(笑)
私の場合は秋にランニング、冬にフルマラソンチャレンジ、
春にもフルマラソンチャレンジと小規模な登山1~2回、
夏に富士登山と考えています。
基本的にはランニングと筋トレを中心に身体を鍛えています。
もちろんジムに通い、
場合によるとトレーナーから意見を聞いて、
徹底的に鍛え上げて行く訳であります。
寒い時期にフルマラソン、真夏に富士登山と言うサイクルを意識しています。
この戦略性が堪らないのであります。(笑)
もちろん書籍やネット情報もフル活用します。
フルマラソンも富士登山も1度や2度、
もっと言うと10回くらい経験していても、
ほんの僅かな体調不良や天候不良によってあっさり敗退する限界行為であります。
そう、限界行為。
これが堪らない。(笑)
連続する気違い沙汰の急登。
薄くなる空気。
特に富士山頂上は、5段階の高度分類によると、
人間の生存出来る最後の層である「高高所(3500~5800m)」にありますから、
八合五勺とか九合目の高高所に突入する辺りで始まる「神の領域感」はハンパありません。
理屈抜きでのヤバい感。
そう言うのを戦略と戦術を展開して封じ込めてする登頂。
これぞ富士登山って感じが凄く好きです。(笑)
体力・知力・戦略・戦術・奥の手、ありとあらゆるモノを使ってする訳であります。
富士山は眺める山であって登る山ではない、と???
寝言は寝て言ってろ、って感じです。
メチャクチャ難しい上に厳しい富士山頂。
今年も多くの人が涙を流すのでありましょう。
悔し涙になるのか?
嬉し涙になるのか?
それこそ戦略と運にかかって来るのであります。
さて、間もなく開山です。
今年はどうなる?、私の富士登山。
先ずは悪玉コレステロールの殲滅ですが。(笑)