富士登山ではコースタイムは無視した方がいい | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
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「富士登山ではコースタイムは無視した方がいい」

 
最初の危険な結論:
登山書や登山サイトのコースタイムは初心者には極めて悪質で危険と知っておくべき。
 
≪コースタイムには休憩時間も食事時間も含まれていない挙げ句に、
 かなりの健脚な人が休まないで一気に行った時間になっている≫
 
※そもそも公的機関が発表している事には矛盾と危険がある※
 
・公的機関は「弾丸登山(1泊しない夜通し登山)は止めよう」と言う。
↑だが、一般にほぼ全ての登山書やサイトで書かれているコースタイムは以下の通りだ。
 
富士登山:富士宮ルート
(富士登山パーフェクトガイドより)
登りコースタイム 4時間40分
下りコースタイム 3時間20分
合計コースタイム 8時間
(登山道と下山道が同じ分かり易い富士宮ルートを挙げた)
↑これを見た初心者は何を思うのか?
ベテランは決して理解しないだろう。
 
そこで2年前に登山を物凄く久しぶりに再開した私が、
その1年3ヶ月前からトレーニングや情報収集に、
改めて初心者としてやって来た私が感じた事をストレートに書いてみたい。
 
一昨年、初めて私が富士登山に挑戦した時、
(この時は吉田ルートからの登頂だった)
2人の経験者から非常に重要な、
富士登山を成功させるための2つの秘訣を教えてもらえた。
 
これは今振り返って考えても、
もし教えてもらえなかったら登頂は非常に難しかったと思うほどの事になる。
 
1つは呼吸法で「フーーーーーハッ」と吐き切る方に重点を置け、と言うもの。
 
もう1つは「ゆっくり歩け。コースタイムは無視しろ」と言うものだった。
 
今回の話は掲題の通り、コースタイムの問題についてとなる。
 
そもそも富士山の登山書は意外にも数が非常に少なく、
登山サイトにおいても具体的な呼吸法に触れているものはほぼないし、
(深呼吸せよ、くらい)
さらに、ゆっくり歩けとは書かれているも、
その登山書やサイトに書いてあるコースタイムが大問題になって来るから厄介極まりない。
 
では前述したようにコースが分かり易い、登山道と下山道が同じ富士宮ルートで解説して行く。
 
2つの図のコースタイムは合計すると4時間20分になるが、
おそらく頂上での時間を20分取っているのか、
「富士登山パーフェクトガイド」の見出しには登りは4時間40分と書いてある。
 
下りは3時間20分だ。
 
合計8時間。
 
これを読んで1つ確実に言えるのは、
初心者が見たら「完全に日帰りコースだろ」となる。
 
事実、YouTubeを見れば多くのYouTuber達は、
朝早くから登り、夕方に戻って来るパターンの登山をしている。
 
公的な機関が盛んに呼び掛けている、
「1泊」はしていない。
 
さらに弾丸登山と呼ばれる、
「夜から登り始め、頂上で御来光を見たらそのまま眠らないで下山する人」も、
相当多く存在している。
 
それもこれも、ガイドブックやサイトに書かれている8時間と言うコースタイムを見たら、
絶対に日帰りコースだと思うに決まっているからだ。
 
仮にコースタイムが休憩が含まれていないと知っている人であっても、
食事時間を30分、休憩時間を1時間、予備30分として2時間の余裕を持たせた場合、
10時間の登山となるからだ。
 
夏の朝6時に登り始めたら、夕方4時には戻って来られる計算になる。
 
あくまでも計算上は。
 
この登山書などに書かれているコースタイムには非常に大きな問題があると、
3年前からずっと私は思っている。
 
それが最初に書いた結論なのだが。
 
では、昨年私が登った「富士宮コース」がどんな状況だったのかを書いてみたい。
 
計測は登山アプリの「ヤマレコ」を使っているため、
タイムも経路も非常に正確に出ている。
 
また私の体力を明記しておくと、
フルマラソン42.195kmを非常に遅いながらも走り切れ、
昨年はchocoZAPに通い筋トレにも励んでいて、
登山もマラソンもとても足が遅いけれど一応粘れるし、
一昨年は富士山は吉田ルートから登頂し、
丹沢表尾根縦走や奥高尾縦走などもこなしていた。
 
先ずは五合目で高度順応を1時間した私は、
午前11時09分から登山を開始している。
 
六合目へはほぼコースタイム(20分)通りに、
25分で到着している。
 
六合目で昼食を摂った後、
新七合目へ向けて午後12時08分に出発して、
コースタイム(60分)のところ、
93分かかって新七合目に到着している。
 
さらに新七合目から元祖七合目までは、
コースタイム(50分)のところ、
77分かかって元祖七合目に到着。
 
ここで足が攣りかけて芍薬甘草湯を即座に服用してかわしている。(苦笑)
 
さらに1日目の宿であった八合目池田館までは、
コースタイム(40分)のところ、
72分かかってようやく到着している。
 
つまり休憩時間や食事時間を入れると、
実に6時間22分かけて私はようやく八合目に辿り着いている。
 
これはかなり遅いタイムであるが、
初心者や50歳どころか40歳以上の者で、
登山に慣れていない人は余程この標準コースタイムは考えた方がいい。
 
教えてくれた人は北アルプスにも行くベテランの方だったが、
その人が「富士登山はともかくゆっくり歩け。コースタイムは無視しろ」
と言った理由が経験した今は非常に良く理解出来る。
 
コースタイムを書くなとは決して言わないが、
こうは絶対に言いたい。
 
太字の赤で、
「このタイムは健脚のベテランが休み無しで行った時間です。
 休憩や食事時間は含まれていないのに注意して下さい」
と絶対に書くべきであろう。
 
公的機関では弾丸登山はするな、と言いながらも、
メチャクチャ簡単そうに思えてしまえるコースタイムを、
注意書き無しで書いて来るのは非常に危険だ。
 
そもそも他にも登山の世界にはベテランの傲慢意見が散見されていて、
物凄く危険な事態になっていると思っている。
 
それだけに初心者は余程の注意をして臨まないと、
富士登山は非常に危険なものに成り下がる。
 
事実、毎年毎年、富士登山は僅か2ヶ月ほどの開山期間だけで、
数人~6人くらいの死者が出ていて、
遭難者になると60~80人くらいいる。
 
つまりほぼ毎日シーズン中の富士山では遭難が発生し、
救助要請が出ている事を意味している。
 
標準コースタイムだと4時間40分で頂上に着けると書いてあるように見えるが、
私は6時間22分かけて八合目が限界だった。
 
ベテランは笑うだろう、遅過ぎる、と。
 
確かに私は抜かれまくっていたが、
途中で言葉をかわすようになった、
20代の若い女性グループは、
私と何度も抜いたり抜かれたりを繰り返していた。
 
八合目に着いた時、先に到着していたそのグループの1人に声を掛けられた。
 
これが何を意味しているのかと言うと、
20代の初心者の女性の歩みと私の歩みは大差ない、
と言う事になる。
 
2日目のタイムは11時間16分かかっている。
 
ただしこのタイムには富士山最高峰剣ヶ峰への登頂と、
写真撮影の行列により30分以上の待ち時間が発生し、
さらにお鉢巡りをした1時間半が加算されている。
 
ちなみに八合目から登頂までのコースタイムは、
1時間半となっているが、
2時間23分かかっている。
 
下山については、コースタイムは、
前述したように3時間20分と書いてある。
 
私は午前9時07分から下山を開始し、
五合目到着は午後2時28分であり、
実に5時間21分かかっている。
 
コースタイムのプラス約2時間だ。
 
確かに私は遅いだろう。
 
だが、これは比較の問題となる。
 
そもそも富士登山では登れない人がかなり続出する。
 
何故登れないのか?と言うと、
天候不良を除いた場合、
多くは激しい疲労と高山病による。
 
登頂確率は50%くらいと言われている富士登山。
 
あるいは続出する軽装登山や弾丸登山。
 
このコースタイム問題はかなり罪深いものがあると思っている。
 
大変な注意が必要だ。
 
非常に厄介な事に、このコースタイム。
 
全ての他の山の登山書においてもそうなっている。
 
つまり健脚のベテランが休みなしに行った時間だ。
 
初心者の立場としては・・・そりゃ遭難が増えている訳だと思う。
 
終わり