バッハを理解する | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
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「バッハを理解する」

昔ドイツ語を学んでいた時、
ドイツ人の先生から「マーラーはお好きか?」と聞かれたので、
verstehen(理解する)と言う動詞を使い、
私はマーラーを理解しない、と答えた。

すると先生はしばらく考え込んでしまい、
少ししてからこう言った。

「その言い方はドイツ語としておかしい。
 音楽とは理解するものではなく楽しむものだからです。
 私はマーラーを楽しめない、と言うべきです。」と。

アチラの個人主義の考えに感心した。

また、私達日本人は何事も「道」として考える、
良くも悪くも悪癖(笑)がある事にも気付かされた。

なるほど、と思ったのだが。

休日の朝、イギリス組曲第5番を聴いていると。

バッハの音楽は子供には楽しめないと以前テレビの音楽番組で見た事もあるが、
確かにそう思わなくもない。

私がバッハに傾倒して行ったのは18歳の頃で、
その理由は友人が付き合っていたイギリス人女性の影響による。

ベートーヴェンやモーツァルト好きな私に対して、
金髪青目のインテリ女性はこう言った。

「何故貴方はベートーヴェンやモーツァルトばかり聴くのか?
 それは悪くはないけれど。
 ヨーロッパ人の心の故郷はバッハなのよ。
 ヨーロッパ文化に興味があるならバッハを是非お聴きなさい。」
と、とても同じ歳とは思えない振る舞いをするヨーロッパ女性に驚愕したのは言うまでもない。(笑)

そして改めてバッハを聴いていると。

やはりこれは理解する音楽だと思う。

そう簡単に楽しめる音楽ではない。

数学的思考(理性)、キリスト教精神、個人主義と言った、
ヨーロッパ文化の真髄を理解する事なくバッハ音楽は楽しめる訳などない、と。