マラソンの世界 | 東京・横浜物語

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東京・西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
東京の山の手地区の昔話や東京・横浜の生活などについて語って行くブログです。

ダイエット、筋トレ、ランニング、登山、クラシック音楽、美術館・博物館巡り、能、歌舞伎、落語などの古典関連の記事が多いです。

「マラソンの世界」

 

偶然「ランスマ倶楽部」の特別編があるのを知り見る事が出来た。

 

この番組はランナーのためのもので、

マラソン世界のトレーナーとして有名な金哲彦さんを中心としたものだ。

 

特別編は60歳になった金さんがフルマラソンでサブ3を目指すと言うもの。

 

サブ3とは42.195kmを3時間切りの2時間台で走り抜くこと。

 

市民ランナーとアスリートの境界線とも言われているそうだ。

 

かつてはトップランナーだった金さんも様々な病気やケガ、

そして何よりも加齢により、

もうサブ3では走れなくなっていた。

 

サブ3の達成率は3〜4%と言われているそうだが、

この確率はあくまでも大会参加者をベースにしたものであり、

全てのランニング愛好者を計算に入れたら、

そもそも42.195kmを走り切ることすら非常に難しい。

 

多分、普通にそこらを走っている愛好家を含めた場合、

そんな統計は存在していないと思うが、

どう考えても1%もいないし、

大会に出る、などと言う人すら稀だ。

 

ちなみに大会参加者の中で、

60歳でサブ3を達成する確率は0.02%だと番組では言っていたが、

前述したように、大会参加者をベースにした数値でもここまで低いのである。

 

一般の60歳以上の大会非参加者ランナーがサブ3で走るのはほぼ不可能と考えた方がいい。

 

冗談抜きにこの確率を無視してサブ3に挑むのは、

元アスリートならともかくも、

一般ランナーが目指した場合、死の危険があるかと。

 

さすがに金さんは物凄い努力をして再びサブ3が目指せるレベルになりつつあったのだが。

 

残念ながら本番では途中で両方のハムストリングをヤッてしまい、

激痛に襲われながらのランとなってしまった。

 

驚いたのはそれでも途中までは1kmあたり4分15秒以下のサブ3ペースをキープ出来ていた点にある。

 

途中では先行するハリー杉山さんを視程に捉え、

追い付けるぞ、と言うところまでの素晴らしい走りを魅せてくれていた。

 

残念ながら激しい痛み以降はペースダウンするも、

それでも5分台を維持しながら3時間16分ほどでゴールしていたのは驚異的だった。

 

ちなみに私の場合、後先を全く考えないで、

1kmのみの全力疾走をしても6分30秒が限界だ。

 

それ以降のランニングは不可能になるくらいヘバりにヘバる。

 

これはもう努力でどうこう出来るレベルではなく、

死の可能性すら本当にある。

 

ちなみに走らない、あるいは鍛えていない中高年者の場合、

40歳でも間違いなく全力疾走が出来なくなっているはずだ。

 

かつての私はまだまだ若いつもりでいたのだが、

犬が逃げ出して全力疾走した時、足がもつれてしまい酷いショックを受けたのである。

 

はっきり言ってしまうと、

鍛えていない中高年者は1kmは絶対に走れないし、

全力疾走も出来る訳はない。

 

やったら最後、心肺をヤッてあの世行きになる可能性は充分に高い。

 

それほど「走る」と言う行為は過酷だ。

 

さらに「サブ3」とはどれだけ凄い事なのかが、

番組を見ていたら嫌と言うほど思い知らされた。

 

金さんは病気やケガ、最愛の奥様を亡くされたりと、

様々な艱難辛苦を抱えながらの挑戦だったが、

それでも達成出来なかったサブ3。

 

号泣されていたが、

何と言うか、良い番組だったと思う。

 

ちなみに今の私は何とか2回ほどフルマラソンを走り切った経験はあるも、

もちろん大会なんかに出られるレベルではない。

 

その2回とも、純粋ラン時間だけでもサブ7がいいところ。

 

とても大会に出て云々言えるレベルにはない。

 

むしろそれはウォーキングだろ?と言われるほど遅い。

 

そうまでして何故走る?と思う方も多いかと。

 

だが、遅くても42.195kmを走り切れた場合の無敵感は何物にも代えがたい。

 

そしてその無敵感は夢とか空想の類ではなく、

体力勝負だけの場所であるならば、

リアルに行けてしまえる事実。

 

これは本当に素晴らしい。

 

マラソンの世界はとんでもない威力を持っている。