「中高年の登山のために:ウォーキングは練習にならない思い出」
ふと、ちょうど2年ほど前、
登山再開に先立ち、横浜市の舞岡公園を壮大に30,000歩ほど歩いたのを思い出し、
その時に「これは全く登山練習になっていない」と強く感じまして、
あれは正確にいつだったのかとチェックしたのであります。
2022年の4月初めにそのウォーキングを実行し、
再開後の初登山は4月中旬に高尾山〜小仏城山を登りました。
※これから書く事はあくまでも登山をするにあたって、
ウォーキングは練習にならないと言う主旨です。
ウォーキングの否定ではありませんのでご注意を。
結論:ウォーキングでは痩せない。
ウォーキングはトレーニングにならない。
ウォーキングをしていいのは元々健康な人だけ。
これは私の勝手な思い込みと体験だけではなく、
医師から言われた事です。
さて、もう間も無く登山を再開してから2年が経過しようとしています。
色々と思い出す事もあり、
その中でも一番危険な事を書いてみたいと思います。
それが登山とウォーキングの関係でして、
専門の登山書にもやたらとウォーキングを勧める記述があり、
私自身も悩まされていたのであります。
私は大変な勘違いをしていて危険な目に遭ったので、
改めて書き記しておきます。
登山再開の11ヶ月ほど前に、
医師の指示で医療ダイエットをして、
1ヶ月で10kgほど痩せまして、
そこからまた医師の指示で筋トレを開始し、
3ヶ月ほどでさらに10kg痩せ、
合計20kgほどの減量に成功しました。
この段階からランニングを開始し、
25km走れるようになったら富士山に登ると言う目標を掲げました。
この時の25kmと言う数値は、
後から考えると非常に理に適った数値と方法でしたが、
その時の段階ではただ何となくが理由でした。
25km「も」走れたらどこだって行けるだろう?と言う思い込みでした。(笑)
3年半以上前の倒れる前の私は、
ウォーキングをやたらとしてまして、
20,000〜30,000歩を休日に歩くのを自慢げにブログアップしていました。
私的には物凄い運動をしているつもりでしたが、
都合の悪い体重異常増加にはダンマリを決め込み、
自分を凄く健康だと本気で思い込んでいたのであります。
医師から運動をしなさいと言われた時に、
真っ先に「ウォーキングをしてます!!」と答えたら、
「ウォーキングはダメです!!ウォーキングはダメですからねっ!!」
と二度念押しをされたのは良く覚えています。
では何故、ウォーキングがトレーニングにならないのかと言いますと、
「消費カロリーが非常に少ない」
「心肺機能がほとんど向上しない」
「そのくせ異常に時間がかかる」
と言う3つに集約されて来ます。
事実私は休日に2~3万歩くらいは歩いていましたが、
ブクブクに太った挙げ句に倒れたのであります。
とは言え、ウォーキングがトレーニングにならないと言われても、
余程トレーニングに詳しい人でもない限り分かりません。
何故なら大抵は2~3万歩を歩いたら、
1日掛かりとなり、それなりに疲れるからです。
3万歩を歩けば、大雑把な計算だと約900kcalになります。
ちなみによくいわれる1万歩だと約300kcalです。
ちなみに3万歩はかなり大変です。
朝から晩までかかると思っておいた方がいいです。
1万歩でも慣れないと相当大変です。
しかし大したカロリー消費にはなりません。
1万歩の感覚は半日ずっと歩いていたな、くらいですが、
僅か300kcalであり、ケーキ1個分にも満たないレベルです。
(チョコレートケーキなど500kcalくらいはある)
また、非常に大切なのは、
良くも悪くもウォーキングは心肺機能にそれほど負担を掛けないため、
心肺機能の向上と言う、登山に最も必要な練習になりません。
当時、舞岡公園で確か20kmくらいに及ぶウォーキングを終えた時、
疲れてはいましたが、
これ、トレーニングになっていないのでは?と言う疑問が湧いておりました。
と言いますのは、その時の私のランニング能力は30kmほどになっていたため、
それほど大した運動ではないのが良く分かったからであります。
そして厄介なのは、
登山はウォーキングに近いのでは?と言う、
どちらも歩く行為から来る誤解があった事です。
今の私は間違いなく、
登山はランニングに近いと思ってますが、
当時はまだ分かっていませんでした。
実際、その1週間後に、十数年ぶりに登山を再開し、
手始めに高尾山~小仏城山に登った時、
最初の高尾山稲荷山コースの急登でいきなり息切れがしてしまい、
「オレ、登れないかも」と思って愕然としていました。
ただし、その時点ではランニングメインのトレーニングでしたので、
直ぐに登山独特のペースに慣れたら復活して、
見事に余裕で出来た経緯はあります。
その時、先週のウォーキング訓練は余計だったなと思ったのは言うまでもありません。
登山における急登はランニングとも違った独特の苦しさを伴うものですが、
ランニングにより心肺機能が向上さえしていれば耐えられます。
心肺機能の向上は非常に大切でして、
負荷の掛け過ぎは心肺停止に直結するため、
その加減の難しさはあるも、
ある程度の高負荷を掛けないと絶対に向上はしません。
それにはランが一番適切で確実であります。
他にも色々とトレーニング方法はありますが、
ラン以外は補助的なものになると思います。
登山関連の本には、
一駅手前で降りて歩け、とか、
普段から歩け、とか、
ウォーキングをやたらと推奨するものがありますが、
ブッ倒れてから医師の指示によるトレーニングで復活した私的には、
ウォーキングは登山トレーニングとしては全く機能しないので要注意であります。
むしろ根拠のない変な自信がついてしまいますので危険です。
かつての私は、それなりに体力があると思い込んでましたが、
もし当時の私が富士山どころか高尾山であっても、
最初の急登を越えて行く事は全く不可能であったのは確実であります。
30kmのランニング能力を持ってしても、
超久しぶりの登山の急登を前にした時、
物凄い息切れと疲労を食らいました。
ウォーキングだけで体力が出来たと思い込んで、
迂闊に山に入り込んで来たら最後、
動けなくなったらそれは遭難を意味しております。
最大限のご注意を。
終わり
余談:
もし私が昔からやってみたかった富士登山を15年くらい前に実行したと仮定します。
どうなっていたのか。
吉田ルートの場合、最初は緩やかな長い下りが続きますので、
まあ少しは行けると思います。(笑)
しかし泉ヶ滝を過ぎて六合目に向けての登りが始まると、
その時点でかなり疲れ始めると予想されます。
六合目に着いた時点では相当疲れているはずです。
物凄い根性を入れたとしても、
七合目に辿り着けたかどうか。
そこそこ本格的な登りが入って来ますので、かなりもう危ういです。
15年くらい前の私は、
物凄い根性と精神力でズタボロになっても、
もしかしたら七合目には行けたかも知れませんが、
1つ断言出来ますのは、絶対に、絶対に、絶対に、八合目には行けなかった、です。
七合目を過ぎていよいよ始まる本格的な崖登り箇所(素人には崖にしか見えない。笑)を前にしたら、
間違いなく敵前逃亡していました。
そもそも一昨年に初めて富士登山に挑戦した、
その時点では35kmのランニング能力を持っていた私ですが、
真面目に「ここはオレには登れない。帰ろうかな」が真っ先に私の頭に浮かんだ事でしたから。
まして15年くらい前のデブな私なら・・・多分六合目で諦めていたかと。(笑)
余談2:
ランニングを開始した時、どんな登山書にも登山サイトにも、
富士山に登るための具体的な体力指標を示してくれたものは今に至るもありませんでした。
ここ数年でコース定数(ルート定数とも)と言われる数値は発表されましたが、
具体的な運動能力を示さない限り意味はありません。
おおよそこんな感じになっています。
コース定数
10 入門
20 初級
30 中級(健脚向け。日帰り登山の限界)
40以上 上級(健脚の者が1泊2日以上かけてする)
富士登山吉田ルートは42、富士宮ルートは40、須走ルートは50、御殿場ルートは60。
すなわち、富士登山とは体力レベルとしては、
既に確実に上級であり、1泊2日かけてしないといけない登山です。
この数値から、山梨県も静岡県も盛んに、
富士山の弾丸登山(泊まらないで夜通し登る行為)は止めようと呼びかけているのは、
非常に根拠のある事となります。
また富士登山オフィシャルサイトでは重要な情報が載っています。
フルマラソンの消費カロリーは2500~3500kcalで、
富士登山の消費カロリーは3000~4000kcalになっている、と。
つまり富士登山とはフルマラソンよりも少し多いくらいの消費カロリーが要求されている行為である、と。
これから考えるとようやく登山における具体的な体力指標が見えて来ます。
富士登山≒フルマラソン≒1泊2日でやるならハーフマラソン≒コース定数40≒上級
当時、私が偶然挙げてみた25km走れるようになったら富士山に登ると言う目標。
かなり当たっていました。
要するに弾丸登山をするならフルマラソンを走り切れる体力が要求され、
1泊2日にするならハーフマラソン級の体力がないと厳しいぞ、と言うものです。
これは体験的に極めて当たっていると実感しています。
ちなみに富士登山は体力だけでなく高山病リスクと天候リスクがありますので、
体力的にOKでも高山病や悪天候を食らってあっさり敗退しますので要注意です。
↓富士山吉田ルート八合目への急登。こんなのが延々と続く(笑)