九仞の功を一簣に虧く:非常に理解に苦しむ行動パターン | 東京・横浜物語

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九仞の功を一簣に虧く:非常に理解に苦しむ行動パターン

 
※登山に関する記事は命に関わるため、
 全く手加減のない意見を書くのをご容赦下さい。
 
最近、遭難事例をかなり研究しています。
 
私自身は老いてから登山を再開した初心者ですので、
歩くのは遅いは、技術はないは、とてもレベルは低いです。
 
しかしコレだけはハッキリ言えます。
 
初心者故にしっかりと本を読み、
ネット情報も最新で信頼できるものを得て、
日々のトレーニングを怠らず、
「基本に忠実であろう」としている事です。
 
この私の行動パターンは逆に言うと、
一見ベテランに見える人であっても、
「全然ダメダメ」なのが分かるケースがあり、
酷く驚き、何かの冗談なのか?と思ってしまう遭難事例をよく見ます。
 
登山をするためには必携品がいくつかあり、
これは文字通り「必携」品ですから、
そのどれか一つでも忘れた場合、
そもそも登山を中止すべき事態になるのは当然の事です。
 
必携品とはそう言うものです。
 
そしてその必携品は、
どのような登山書でも普通に一覧表になって書いてあり、
ネットの公的なサイトにも多数載っていますし、
情報の取得はとても簡単ですし、
内容も大差なくほぼ同じです。
 
そもそも「登山の常識」として定着しています。
 
ここで、この必携品を別の事例で考えると分かり易いです。
 
例えば海外旅行に行く時、
必携品中の必携品であるパスポートを忘れたのに気付いたらどうすべきかと言いますと、
当たり前ですが、絶対に取りに戻るか、
間に合わないなら旅行中止になります。
 
何故ならパスポートとは「必携」品だからです。
 
如何なる旅のベテランであっても、
パスポートを忘れた、
と言う行為はその海外旅行そのものがダメになる事を意味しています。
 
どんなにそれまで旅行の準備を完璧にして来たつもりでも、
どんなに大金を使っていても、
必携品を忘れたらはいそれまでよ、です。
 
まさに「九仞の功を一簣に虧く」状態です。
 
しかし必携品の中には一見すると分かり難い物もあります。
 
リンクを貼った動画の遭難事例は、
私には「パスポートを忘れたのに海外旅行を強行した人」に見えてしまい、
途中まで何だろうこの原因は?と思ってたのですが、
持ち物リストを見た途端に、
この遭難者の過去の豊富な経験は全てブッ飛び、
どんなにそれまで登山をしていようとも、
逆に「今までこの人物はこんな酷い登山を単独行でしていたのか?」と呆れてしまいました。
 
他の必携品は全て持っています。
 
しかし2002年に起こったと言うこの遭難事例において、
遭難者は何と「地図を持っていない」のであります。
 
2024年の登山シーンにおいては、
山岳専用の地図アプリが登場してますが、
それでも地図と磁石は未だに必携品の中の必携品です。
 
そもそも忘れたら登山を中止すべき事態です。
 
磁石は持っていたけど地図は持っていなかった?、と。
 
もしかしてそれまでの登山でもそう言うスタイルで登っていた?
 
となると、私にはどんなに沢山の山をそれまで登った経験があろうとも、
どんなにマラソンをして身体を鍛えていようとも、
「私には初心者以下に見えます」。
 
初心者の私よりも遥かにレベルが低い人に思えてしまいます。

どんな山にどれだけの回数を登っていたとしても、
絶対に参考にしてはならないタイプです。
 
登山においては最も大切な1つであるナビゲーションの基本中の基本を全く無視して、
フィーリングだけで登っていた?
 
愕然としてしまいました。
 
この動画では一見ベテランの人の遭難ぽく最初は描かれてましたが、
持ち物一覧を見た時、
この遭難事例はそもそも登山をしてはいけない事態なのに登山を強行したものに成り下がりました。
 
やたらと強調されているのは、
遭難中に「景色が綺麗で」と言う遭難者が発したらしい記録で、
これもまた「フィーリング登山」を想像させられて、
かなりな不快感を私にもたらしました。
 
フィーリング登山とは私の造語で、
「自然っていいよね🎵」「山っていいよね🎵」
と言うフィーリングが先行してしまい、
必携品、体力、技術のどれか一つでも持たないで、
山に入り込んで来る登山者を指します。
 
何故、地図を持たずに登山を続行出来るのか?
 
しかもスマホ登場前の2002年の時点で。
 
ちなみに登山は他の趣味とは全く違い、
そこが一般登山道であったとしても、
山の中ですから道標があっても非常に分かり難い箇所は沢山あります。
 
何らかの理由でルートから外れた場合、
街中とはまるで違いますから復帰は極めて困難になります。
 
現在ではスマホの電波が入らない場所でも、
スマホ自身が地球上空に展開しているGPS衛星からの電波を受信し、
登山専用の地図アプリを使ってさえいれば見事なナビをしてくれます。
(大切なので念のため:通常のGoogleマップは登山では全く役に立たない)
 
ちなみに私は「ヤマレコ」の愛用者ですが、
スマホが電池切れしたり故障をする事態を想定し、
他にガーミンGPSレシーバーと紙の地図と磁石は必携品の中の必携品としています。
 
単独登山が多いためナビは三重の体制で臨んでいます。
 
紙の地図はもちろん国土地理院の2万5千分の1地形図、
昭文社の山と高原地図は絶対的な存在として携行しています。
 
さらに最近はあれば吉備人出版の1万2千5百分の1登山詳細地図も携行しています。
(残念ながら全国を網羅している地図ではない)
 
ちなみに紙の地図は非常に軽いため、
数枚増やして携行したところで何ら負担増にはなりません。
 
磁石はシルバのベースプレートコンパスを愛用しています。
 
私は天文趣味人でもあるため、
磁石の誤作動についても分かるため、
シルバ以外にビクセンの磁石も予備として携行し、
アナログナビ体制も二重にしています。
 
このアナログナビ体制は絶対であり、
万が一携行を忘れた場合、私は間違いなく登山を即時中止にします。
 
スマホ忘れや故障、ガーミンGPSレシーバーを忘れたなども、
即座に登山中止を決定する最重要項目の1つです。
 
しかし何故か遭難事例をチェックしていると、
そもそも地図を持たないで登る人が結構いて、
根本的に何かが違っている、と思わざるを得ない遭難パターンを知り、
愕然となります。
 
さすがに今回の動画の遭難事例には腰が抜けた状態になり、
考えさせられたと言うよりは、
人間により思考回路が全く違っているのだと言う事実に驚愕しています。
 
余談:
本文でも少し触れておりますが、
登山道を歩くと言う行為は街中とはまるで違っています。
指標となる物は凄く少なくて、
森林限界を抜けない場所では視界を遮られて、
数少ない道標を見逃したら最後、
アッと言う間に道迷いする訳です。
登山道はもちろんそのほとんどは未舗装路であり、
少しでも荒れたり、元々登山者の少ない低山では、
分かり難い箇所はかなり多数あります。
そんな中、何のナビ体制もなく山に入って来る行為は、
気象条件一発で、僅かな迷い一発で、取り返しのつかない遭難をしてしまいます。
2024年の現在でも遭難の約半数は道迷いであり、
さらに道迷いから起こった滑落などを含めると軽く半数以上となります。
ちなみに典型的な遭難事例とは、
道迷い→何とか下山しようとする→崖→強行して下りる→滑落→死亡
となっています。
また、崖を無理して無事に下りたとしても、
この段階で引き返すのが出来なくなったのを意味しています。
ますます困難な事態になる訳です。