お酒とグルメで根本的に考えてしまう事 | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
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 「お酒とグルメで根本的に考えてしまう事」

 
何となく興味が湧きNHKドラマ「作りたい女と食べたい女」を見ています。
 
実は現在、仕事関係で大きなトラブルになっている根本的な問題なのであります。
 
ドラマの方はシーズン2になっています。
 
これは少食だけど料理好きな女性がついつい作り過ぎてしまい、
誰かに食べてもらいたいと願っていたところ、
偶然物凄く食べる女性と知り合い仲良くなる話です。
 
同性愛の問題にも踏み込んでいますが、
私が非常に興味深く思っているのは、
人間の根本的な本能である食欲に鋭く切り込んで行っている点にあります。
 
シーズン2になってからは凄く深い所まで行きそうな気配が濃厚で楽しみにしています。
 
単純に食べるのって楽しいよね♪♪では終わりません。
 
昨今、テレビを点ければ出て来るのは食べ物、食べ物、食べ物であり、
正直、何故こうも軽薄な食べ物番組が多いのか?と思うのですが、
そこはやはり食べ物、私自身も逃れる事など出来やしません。
 
人間の根源的な欲求であるから扱いは極めて厄介であります。
 
シーズン2では最近、新たな登場人物が現れました。
 
それは何か訳アリで田舎から出て来たらしい一人暮らしの若い女性です。
 
凄く暗くて、他人と一緒に食べる事は出来ません。
 
その女性の一家は食べるのが大好きで、
幼い頃から食べろ食べろと親からすると善意のプレッシャーをかけられていたのが描かれていました。
 
彼女の部屋には親から送られて来た食べ物が詰まった段ボールが山積みになっています。
 
それを偶然来た主人公に大量にあげてしまうのであります。
 
食べられない少食女性にとって最悪な事態は小学校時代に訪れます。
 
それは当時の小学校でよくあった、
「給食は残さずに食べよう運動」です。
 
昭和時代、私の妹がまさしくコレにヤられてしまい、
何とも言えない、非常に嫌な体験として私の記憶に強く刻まれています。
 
私の通っていた小学校でも上記の運動みたいなのがあり、
先生によっては「放課後まで残らせても全て食べさせようとしていた」のであります。
 
幸い、私自身は食べ物に関しては、
味は不味くなければどうでも良く、
小学校低学年の時までは少食でしたが、
高学年以降は大量にガッツリ食べられればいいと考えるようになったので、
特に問題はありませんでした。
 
しかしながら、ある放課後、小学校内を歩いていた時、
偶然下の学年の教室の前を通過したのであります。
 
すると衝撃的な光景が飛び込んで来たのであります。
 
1人の女の子がもう皆帰った後も、
食べ切れない給食を前に座ったままでした。
 
それは私の妹でした。
 
余談ですが、何故妹がこうなったのか、
今にして思うと、ドラマと同じように、
特に私の母親が食べる事に関してかなりなプレッシャーをかけていたから、
と思われます。
 
妹は私とは違い、味に極めてうるさいタイプです。
 
そして量を食べません。
 
こう言うタイプに食べろ食べろと強いるのは拷問なのですが、
母親も教師も善意から言って来るので堪りません。
 
沢山食べる=善
 
もっと言うと、沢山酒が飲める=善
 
ちなみに酒については私の父がまさしくそうでした。
 
これと同じ場面がNHKのドラマでは描かれていたのであります。
 
新しく登場した女性は小学生の時のこの体験から、
友達と一緒に食べる事が出来なくなってしまったのであります。
 
ドラマではそれを会食恐怖症としていました。
 
幸い、私の妹はそんな事態にはならず、
今では普通に食べ普通に飲めるようになっていますが。
 
「食」や「酒」とは大抵の人にとっては楽しみの最たるものかと。
 
しかしそうは考えない人は想像以上に多い現状があります。
 
これが飲酒になるとさらに酷い実態があるかと。
 
大勢の人とワイワイ言いながら酒を飲み食べる行為は楽しい事の筆頭として多くの人に思われています。
 
しかし実は日本人の場合、
約半数は「楽しいと思っている人が多いと思い込んでいるだけ」です。
 
約半数は「楽しくない」と感じていて、
もっと言うと「辛い」と思ってます。
 
何故なら日本人は世界的にも珍しく、
遺伝的に酒が弱いか全く飲めない人が約半数を占めているからです。
 
いわゆる会食好きで酒好きな人は積極的であり、
非常に明るく振る舞い、
楽しそうに見えてしまうのもあり、
「楽しくない派」は自分が間違っていると思い込んでしまいます。
 
しかし実は約半数の、かなりの多数派なのですが、
「楽しそうな雰囲気」に圧倒され、
黙っているしかなく、
場合によっては出席を強要されて、
それが死ぬまで延々と続く訳です。
 
誰もが「食」を楽しいと思っている訳ではない。
 
誰もが「酒」を楽しいと思っている訳ではない。
 
よくよく考えれば当たり前の事なのですが、
それが無視される状況は多々あるのが日本、
もっと言うとアジアに共通する問題であるかと。
 
ちなみにこの点、ヨーロッパ系の人達は楽です。
 
個人主義が極めて発達しているため、
良くも悪くも勧めてなど来ません。
 
「〇×飲みますか?」と聞かれて、
日本的に「いえ」と言ったら次に勧めては来ませんから要注意です。(笑)
 
何を食べたいのか、何を飲みたいのか。
 
それを決めるのは「私」であり、
決して「オマエなんかではない」と言う強固な意志。
 
それがヨーロッパ人の特徴なので、
日本的な差しつ差されつなんて無いので楽です。
 
と思いきや。
 
ヤツらは遺伝的にほぼ100%、アルコール分解酵素2つ持ち、
しかも身体がデカいので物凄い量を飲んでも平気です。
 
日本人が同じ調子で飲んだら死ぬので極めて危ないです。
 
文京区にある森鴎外記念館ではドイツに留学していた当時の日記などが展示されていて、
(現在ではもう別展示になっていると思われる)
「〇×教授の飲み会では日本人は全滅した。ドイツ人は15リットルくらい飲んでも平気でいる」
みたいな記述があって笑ってしまいました。
 
まあ、とは言え会食。
 
嫌いな人は本当に嫌いなようで、
そこが分からずに楽しいはずだと次々にあれこれ企画して来る人。
 
まさしくそんなタイプと嫌がるタイプの狭間で私は今困っている、と。
 
飲み食いと言う本能の根幹に関わって来る問題だけに、
正義(沢山飲んだり食べたりするのは楽しい)と言う思い込みを掲げて接近されたら最後、
かなり厄介な事態になるかと。

終わり