「富士登山で挫折しそうになる6ヶ所」
ちなみに掲載した写真はいずれも挫折しそうになった場所ではありません。
その場所に近いですが、
人間、本当にヤバい時は写真を撮る余裕などありません。(笑)
そこで私自身が挫折しそうになった場所と、
周囲を見ていて感じた挫折しそうな場所を挙げてみたいと思います。
ルートは一番人気の吉田ルートと、
二番人気の富士宮ルートで、
私自身の体験に基いています。
・五合目
実は五合目は既に非常に危険です。
吉田ルートで2305m、富士宮ルートだと2400mもの標高があります。
5段階の高所分類に従うとギリギリ「準高所(1500〜2500m)」の範囲内ですが、
もう既にほぼ「高所(2500〜3500m)」に極めて近いのであります。
従ってバスで急激に高度を上げて来ますから、
人によっては既に高山病の症状が現れます。
周囲を眺めていると頭痛が多く、
また子供にも多かったように思えました。
若い女性でもいました。
最低1時間は高度順応のためジッとして待機せよと言われていますが、
個人的には1時間半くらいした方がいいと思っています。
厳しいようですが、この段階で頭痛とか酷い疲労感、睡魔などに襲われた場合、
登山は中止した方が無難です。
良くなると考えない方がいいです。
高度がもっともっと上がりますので、さらに悪化します。
ちなみに標高2400mとは有名なところでは、
乗鞍岳(2469m)とか妙高山(2454m)の頂上にいるのとほぼ同じです。
・七合目近辺の高度3000mを超えた辺り
人によって違いはありますが、
明らかに下界とは同じように動けなくなり、
高山病の症状が程度の差はあれども誰でも影響を受け始める位置かと。
ここまでは普段鍛えている人ならば楽勝のはず。
しかし七合目でヒーコラしてたり酷い高山病を食らっていたら登山中止も重要な選択肢の一つです。
特にチアノーゼ(唇が紫色になる)なったら即座にUターンをしないと非常に危険です。
(実際にこの位置で若い20代前半の男性がチアノーゼになっていたのを目撃している)
ちなみに標高3000mを超える事は、
日本で二番目に高い北岳(3193m)や三番目の奥穂高岳(3190m)の頂上にいるのと大差ない位置です。
富士登山とはそれらも遥かに超えて行く行為です。
・吉田ルート七合目の最後の山小屋を抜けた所
登山慣れしていない人は非常に驚くかと。
かく言う私が思い切り挫折しそうになった場所です。
それまではかなり歩き易い道でしたが、
富士山がいきなり牙を剥いて来るのがここです。
前にあるのは巨大な岩の崖にしか見えません。
「こんなの登れる訳ないだろーが!!」
と本気で回れ右をしそうになりました。
しかし富士登山の前哨戦で丹沢表尾根縦走をしていたのが功を奏し、
よくよく観察すると登れる道がちゃんとありますので大丈夫です。
けれども戦意消失させるのには充分なド迫力があります。
・吉田、富士宮共通で七合目から八合目の超絶急登
富士登山最大の難所が両ルート共七合目から八合目に存在しています。
特に富士宮ルートは六合目を過ぎたら新七合目、元祖七合目、八合目まで、
「ずっと急登」なのでハンパない体力が要求されます。
吉田ルートと富士宮ルートを比較すると、
終わってみると吉田の方が若干キツいですが(コース定数42)、
登りは圧倒的に富士宮ルートの方がキツいです(コース定数40)。
挫折し易いのは富士宮ルートだと感じてます。
道も非常に険しいため登山慣れしていないと危ないです。
もっとも吉田の七~八合目区間も異常に厳しいです。
しかし逆に考えると、
あくまでも体力的には「ここを抜けたら富士登山体力はある」と考えていいです。
後は高山病と天候だけの問題となります。
・吉田、富士宮共通で九合目から頂上まで
吉田ルートの場合、八合目を抜けたらしばらくはジグザグの砂利道となるため、
急登はほぼありません。
富士宮はずっと急登ですが。(笑)
しかし最後の最後、再び登場する悪夢の急登。
まあ、ここまで来れているならケガや病気、
特に高山病や天候悪化以外の理由で挫折するのはもったいないです。
頑張りましょう。(笑)
・吉田ルート下山道
これは地獄です。
延々と延々と続きます。
一番登頂し易いと思われる吉田ルートですが、
これのお陰で終わってみると地獄かと。
回れ右はもう出来ません。
膝がガックガクになりながらも休み休み行きましょう。
五合目まで歩くか遭難して山岳救助隊のお世話になるかの瀬戸際です。(笑)
あ!!下山道七合目の近く獅子岩には「馬が待機」していました。
馬に乗って五合目まで行くのも立派な一手かと。
確か結構な高額ですが。
と、まあ、かなり大変な富士登山。
私は次は未知なる須走ルートを予定しています。
どうなる事やら。