富士登山の最新の体力基準 | 東京・横浜物語

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西麻布に生まれ育ち、現在は横浜に居住する筆者が、
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「富士登山の最新の体力基準」

 

非常に大切な結論:富士登山のための体力は最低でもハーフマラソン級が必要である

 

21~25kmを走った事があり、週に2~3回の日常ランなら10kmは楽勝で走っているレベル。

 

この上で事前に登山特有の動きに慣れるため、

低山で良いので数回しておく必要があります。

 

関東地方の方だと最初は高尾山、続いて丹沢の鍋割山をお勧めします。

 

特に鍋割山は富士登山で最人気の吉田ルート的な展開をしますので大変いいです。

 

しかし鍋割山は想像以上にかなり厳しいのでご注意を。

 

では何故ハーフマラソン級以上の体力なのかを詳細に書いて行きたいと思います。

 

最新のスポーツ科学的な知見が複数合わさった時に見えて来るのであります。

 

さて、私は今から3年半ほど前に不摂生な生活からブッ倒れた挙げ句、

末期ガンの疑い、高コレステロール、高中性脂肪、高血糖値等々、悲惨な事態となり、

糖尿病を既に発症している可能性がある、

とまで言われていました。

 

ガンの疑いは回避出来ましたが、

糖尿病他はギリギリ紙一重状態でした。

 

そこで医師の指示で始めた医療ダイエットとそれに続く筋トレで、

非常に運良くこれまた回避でき、

トレーニングが起動に乗ったのもあり、

「25km走れるようになったら富士山に登る」

と言う目標を立てました。

 

何故25kmとしたのかと言いますと。

 

若い頃からたまに登山をしていた事もあり、

何よりも一度は富士山に登ってみたいと思っていたのが最初の動機でした。

 

しかし改めて調べ始めたところ、

富士山はおろか全ての登山と言う登山において、

初心者が一番知りたい、

「どんな練習をどれだけすればいいのか?」

と言う体力指標が完全に欠如した実態があったからです。

 

そこで取り敢えず若い頃少ししていたランニングも復活させたいと考えていたのもあり、

近所の壮大な遊歩道の全コースを走り切る距離が約25kmだったのでそうした経緯があります。

 

若い頃のランニング体験と当時教えてくれた人達のレベルから類推してみたのであります。

(マラソンを習った人は丹沢バカ尾根を走って登ったとか、富士山を今度走って登るとか言うレベルだった)

 

実はこのハーフマラソン級こそが最新の科学的な知見と極めて合致していたのが分かり、

今更ながらとても驚いたのであります。

 

非常に有効な手法であり、

おそらく多くの富士登山をしたいと考えている人達にとって、

僭越ながら貢献出来ると思った次第なのであります。

 

ちなみに富士登山を思い立ってから2年半が経過した現在も登山界の状況は全く変わっていません。

 

どんな登山書にもネット情報にも、

「富士山に登るためにはこの練習をこれだけするべき」

などと具体的な記述が書いてあるのは、

私が知る限り皆無です。

 

ただし「コース定数(ルート定数)」と呼ばれる新しい登山の基準が浸透しつつあり、

今までのような言葉による中級とか上級と言う曖昧さは無くなりつつあります。

 

しかし肝心要の具体的な体力指標が全く示されないため、

今でも初心者にとっては「何が何だか状態」です。

 

後述しますが、富士山の吉田ルートのコース定数は42です、

などと言われても初心者は混乱するだけです。

 

「だから中級だとか上級だとか42なんかどうでもいいから、

 何をどう練習すればいいのですか?」

と言う当たり前過ぎる初心者の疑問に登山の専門家は一切答えられません。

 

色々な本やネット情報を見ても、

やれ、普段から歩くようにしよう、だとか、

ランジがいいスクワットがいい、だとか、

様々な練習方法を教えるものはありますが、

極めて抽象的な言い回しか、

逆に物凄く多くの練習方法を示すものしか無く、

初心者を混乱させようとしている?としか思えません。

 

そのくせ初心者が遭難すると、

専門家は山をナメるな節を繰り返すだけです。

 

登山書には「入門」「初級」「中級」「上級」だとか、

星1つから5つの5段階とか。

 

じゃあ中級とか星4つとはどんな練習をどれくらいすればいいのか?と言う、

肝心要な所は全く分からないままです。

 

そんないい加減な情報が跳梁跋扈しているため、

富士登山の世界においてはオレ様一番系の悪質な言動を繰り返す者が後を絶ちません。

 

「富士登山なんか軽い軽い。子供だって登っているんだから」

 

「富士登山なんかオレ様にとっては庭の散歩と変わらない」

 

上記は実際に直接・間接的に聞いた話です。

 

では富士登山とはスポーツ科学的にどんなレベルなのか。

 

先ずは前述の「コース定数(ルート定数)」で調べてみましょう。

 

10→入門(初めての登山に良い山。具体例:高尾山13.9、金時山16(金時神社~乙女峠))

20→初級(いわゆる普通の日帰り登山。具体例:丹沢鍋割山22(大倉バス停~後沢乗越~山頂往復)

      ただし鍋割山は急峻なのでルート定数以上に厳しい。別の定数では35としているものもあった)

30→中級(健脚向けで日帰り登山の限界。具体例:奥高尾縦走30)

40以上→上級(健脚の人が1泊2日以上かけてする登山。具体例:富士山吉田ルート42、富士宮ルート40)

参考番外(北アルプス表銀座縦走89)

※出典はヤマケイ「ソロ登山の知恵」他、ネット情報より。

 算出方法により多少違いが出るそうなのでおおよその目安として下さい。

 

この数字を見ると富士登山は吉田ルートでもしっかりと上級であり、

1泊2日かけてしないといけないのが分かります。

 

何故、静岡県と山梨県が再三にわたり、

「弾丸登山(夜通し富士山を登り頂上で御来光を見るスタイル)」

は絶対に止めようと呼びかけているのかが分かると思います。

 

すると、ここで分からないのが、

ではコース定数42の山に登るにはどんな練習をどれくらいすればいいのか?です。

 

非常に分かり易く素晴らしい参考数値を発見しました。

 

富士登山オフィシャルサイトには、

フルマラソン42.195kmを走るのには、

2500〜3500kcalが必要だと書いてあります。

 

富士登山では何と3000〜4000kcalが消費されるとなっています。

 

「富士登山はフルマラソン並みかそれ以上のカロリーが必要」

 

富士登山を軽く言う人達とは、

フルマラソンなんてチョロいと言ってるのと同じです。

 

迂闊に信じたら非常に危険です。

 

実際のところ、

富士登山では体力にプラスして高山病の危険と、

天候の危険がありますので、

非常に危険であり、

事実、夏の開山時期だけで、

毎年数人から6人くらいの死者が出て、

遭難になるとほぼ毎日1件は出ているような事態です。

(2ヶ月ほどの夏の開山時期だけで60〜100件くらいで推移。

 富士登山オフィシャルサイトより)

 

少なくとも体力的には最低でもハーフマラソンを遅くてもいいから走り切れる体力で、

日常的な10kmランや筋トレをしていないとかなり厳しいかと。

 

10〜20代だと地力によっては若さで乗り切れる可能性もありますが、

40代以上、いや、30代ですら日常トレーニングをしっかりしていないとかなり厳しい世界かと。

 

上記のデータをしっかりと見れば、

いきなりは先ず無理だと分かるかと思います。

 

ちなみにランニングは全てのスポーツの基本であり、

ここを押さえておかないと始まらないと思っておいた方がよろしいかと。

 

どんなスポーツをやるにせよ、

走らないで済むものを私は知りません。

 

基礎体力の充実にランは欠かせません。

 

特に登山の場合は「心肺機能」「脚力」をハイレベルまでアップしないといけません。

 

ランニングを基本にして足りない部分をエクササイズや筋トレで補うのが一番効率がよろしいかと。

 

また非常に大切な事で、山岳救助隊の著作に書いてあったのですが、

「山で鍛えようなどと思ってはならない」です。

 

鍛えた者が山で成果を見るとする姿勢でないと命がいくつあっても足りないかと。

 

登山とは本番であり、

トラブルが発生したら、

それは即座に遭難に繋がる危険な事態なのだと思っておくべきかと。

 

ちなみにマラソンランナーの登山能力は凄いものがあります。

 

不思議な事に、走っていない登山者がマラソンが出来るとは限らないのも興味深い現象です。

 

まとめ:

富士登山に必要な体力 = 消費カロリーはフルマラソンと同じかそれ以上 = コース定数42 = 1泊2日かかる

 

一昨年に吉田ルートから、昨年は富士宮ルートから登頂した個人的な感想を言えば、

「相当鍛えていてもメチャクチャ苦しかった」が本音です。

 

今の私は、昨年の富士宮ルートを登った時点で、

遅いながらもフルマラソン42.195kmを走り切る体力がありました。

 

そうして今も鍛え続けておりますが。

 

次回予定している富士登山はコース定数50の須走ルートですが。

 

自信あるのか?と言われたら、

「相当厳しいだろうな。果たして登れるかな?」と真剣に思っております。

 

フルマラソンとか富士登山以上の登山は一度出来たからと言って次が保証されるような甘い世界ではありません。

 

ほんの僅かなトラブルで出来ないどころか遭難すらしかねない世界かと。

 

最近つくづくそんな事を思っております。

 

終わり

 

余談:

富士宮ルートを昨年ヤる前。

登山ショップを訪れたところ、

掲載した写真の富士山頂上にある「日本最高峰富士山剣ヶ峰」の道標の模型が置いてありました。

凄く燃えました。(笑)

富士登山を志す者ならば、何度もネットや本で見ている憧れのものかと。

ここに辿り着くのはそう簡単ではありません。

体力や装備、高山病にプラスして天候リスクもクリアしないといけません。

さて、今年の私はどうかな。

今から着々と準備を進めております。

 

余談2:

登山書によっては普段から歩けと書いてあるものがあります。

これは私自身の体験と医師からの強い指示があり、

断言出来ますが、ウォーキングは登山の練習にはなりません。

平地を20kmくらい歩いても時間がかかる割に大した運動量ではないです。

「運動をしなさい」と言って来た医師に対して、

私は「ウォーキングをしています」と答えましたが、

非常にあっさりと「あ、ウォーキングはダメです。ウォーキングはダメですからね。」

と2回念を押されたほどでした。

実際、倒れる前の私はウォーキングはかなりしていて、

フルマラソンを超える43kmほどを歩いた経験もあります。

しかし当時、私が富士山に登れたのか?と言いますと、

絶対に無理でした。

少なくとも富士登山能力を構築するための練習としては、

ウォーキングは効率が悪過ぎです。

そんな時間があるならランニングをするべきです。

天気が悪かったらHIITやランジスクワット、

あるいはビリーズブートキャンプなどの強烈なエクササイズをした方が遥かに効率的です。