近畿日本鉄道(近鉄)試運転3列車撮影 令和元年12月23日(月) | ふなたんのブログ

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令和元(2019)年12月23日(月),近畿日本鉄道(以下,近鉄と略)の新型名阪特急「ひのとり」80000系の試運転を撮影に行った際,偶然にも試運転を3列車撮影する事が出来ました。

 

※画像の掲載は試運転列車の運転順序とは異なる事を予めお断りします。

 

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▲五位堂検修車庫出場前の試運転列車を運転する運転士が出庫点検(前照灯と後部標識灯を点灯し点灯しているか,車両内外の機器の異常の確認)を限られた時間で行っていきます。

右後方には主に南大阪線検査車両の五位堂検修車庫への入出場回送に使用される電動貨車モト90形の姿も見られます。

 

▲五位堂検修車庫にて定期検査を受けていた21000系「アーバンライナー plus」の増結編成UB03編成(←名張方 モ21800形21803-モ21700形21703)の完成試運転(力行加速度,制動(ブレーキ)距離,走行時の異常の有無の確認を行います。)を行うため,五位堂検修車庫を出庫し五位堂駅4番線へ入線します。

 

▲モ21700形21703の乗降扉(折戸)の下から台車に向けてケーブルが伸びています。検査で台車,駆動装置は分解ラインで主電動機を取り外した後,主電動機,台車枠,輪軸それぞれの作業場で必要な検査を受けます。検査後,組立ラインで元どおりに組み立てられ,車体と台車は結合され塗装ラインに送られます。整備を終えた台車の動作確認をするためのケーブルと思われます。

 

▲名張駅へ向けて上り線(大阪上本町方)を横断し下り線(名張・伊勢中川方)へ転線する21000系「アーバンライナー plus」増結編成UB03編成(←名張方 モ21800形21803-モ21700形21703)+22000系「ACE」AS25編成(←名張方 モ22400形22425+モ22100形22125)。22000系「ACE」AS25編成が伴車として連結されています。

 

▲名張駅から折り返してきた22000系AS25編成(←五位堂方 モ22125-モ22425)+21000系UB03編成(←五位堂方 モ21703-モ21803),「試運転」が五位堂駅4番線へ到着します。

21000系増結編成の入出場回送,完成試運転では主に22000系AS編成(2連)を伴車として連結し運転されます。

 

▲五位堂駅-名張駅間1往復の完成試運転を終え五位堂検修車庫へ入庫する21000系UB03編成+22000系AS25編成。五位堂検修車庫入庫後,最終確認を行い同日夜に五位堂検修車庫を出場,所属の富吉検車区へ伴車のAS25編成とともに回送されています。

 

22000系AS25編成の側面行先表示器は「試運転」表示とともに平成27(2015)年から令和2(2020)年にかけて全編成(86両)にリニューアル工事が施工され,「ACE(エーシーイー)」の新しいロゴマークがデザインされ車体側面に貼付られていますが,その新しいロゴマークが表示される場面もありました。

 

以上7点,大阪線五位堂駅にて

 

▲奈良線系統1252系1271編成( VE71編成 ←榛原方 ク1352形1371-モ1252形1271)+9020系9032編成(EE32編成 ←榛原方 ク9120形9132-モ9020形9032),「試運転」が大阪線を走行します。

 

▲9020系9032編成(EE32編成 ←五位堂方 モ9020形9032-ク9120形9132)+1252系1271編成(VE71編成 ←五位堂方 モ1252形1271-ク1352形1371),「試運転」が大阪線榛原駅に停車中。EE32編成が定期検査を実施,整備された台車も再塗装が行われています。

 

9020系9032編成モ9020形9032床下機器のVVVFインバータ制御装置, 断流器(主回路の元の電流開閉や主回路各部の比較的大きな電流の開閉動作を行うためのスイッチです。電車の運転中に主回路の電流を開閉を行うため動作頻度が高く、耐久性と高い信頼性が要求されます。)など整備を行った機器のデータを取るためか,断流器上の乗降扉からケーブルとそれを保護するゴムが出ており,ケーブルは床下機器に張りめぐらされています。

 

▲出発時刻となり榛原駅を出発する9020系9032編成(EE32編成)+1252系1271編成( VE71編成),「試運転」。9020系9032編成の完成試運転は,五位堂検修車庫-高安検場-榛原駅-五位堂検修車庫間と思われます(詳細な運転区間は不明です)。奈良線系統の完成試運転は大和朝倉駅で折返すことが多く,榛原駅まで完成試運転での入線は珍しいと思われます。1252系1271編成は伴車として連結されています。

9020系9032編成(EE32編成),1252系1271編成( VE71編成)は,阪神電鉄乗入対応車両で,乗入対応車両を示す蝶のイラストのステッカーが貼付られています。

 

以上4点,大阪線榛原駅にて

 

新型名阪特急80000系『ひのとり』80101編成(←高安方 ク80100形80101-モ80200形80201-サ80300形80301-モ80400形80401-モ80500形80501-ク80600形80601),「試運転」。12月16日(月)から日中時間帯での試運転が開始されています。車両性能などの確認を行う試運転で,高安検修場-東青山駅間で運転されています。

80000系『ひのとり』は名阪特急の車両としては,平成14(2002)年に登場した21020系『アーバンライナーnext』以来17年ぶりの新造車両となります。

 

▲五位堂駅に停車中の80000系『ひのとり』80101編成,「試運転」。五位堂駅は特急停車駅ではないため,営業運転開始後は通過するので同駅に停車するのは試運転や五位堂検修車庫への入出場回送など限られた場面となります。

80000系は令和元年度に6連編成3本,令和2年度に6連4本と8連3本,令和3年度に6連1本が増備され,全72両が出揃います。6連編成の0番代(第1~4編成),8連編成の50番代(第9~11編成)が三菱電機製の機器,6連編成の10番代(第5~8編成)は日立製作所の機器を搭載し,電機品メーカーの違いで車両番号が区別されました。

外観塗装は,メインカラーにメタリック塗装の「ひのとりレッド」と呼ばれる深い赤色を採用しています。メタリック塗装は16200系『青の交響曲(シンフォニー)」に次いでの採用となります。「ひのとりレッド」は実際の色の開発にあたり20種類以上の試作を行い,最終候補色を21000系『アーバンライナーplus』に試験塗装を施し確認したうえで決定されました。

 

80000系『ひのとり』80101編成(第1編成)のク80600形80601の運転台には,「試運転」を表す「試」と書かれた紙が貼られています。

先頭車は前面窓下部に横長タイプのLED灯(前照灯)が,前面窓両端に後部標識灯(赤色)と列車種別灯(黄色)を一体化したLED灯がそれぞれ配置されています。

 

80000系『ひのとり』の先頭車両には「ひのとり」のロゴが描かれています。また行先表示器(フルカラーLED式)にも同じように表記することが出来ます。

愛称名は,先進的でスピード感ある車体フォルム,メタリック塗装の「ひのとりレッド」といった外観デザインや,ゆったりとした車内空間や上質なサービスを提供する気品あるイメージを,翼を大きく広げ飛翔する「ひのとり」に重ね合わせ命名されました。

 

以上4点,大阪線五位堂駅にて

 

【参考文献】

・「鉄道ピクトリアル 2018年12月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(No.954 電気車研究会)

・「鉄道ピクトリアル 2021年9月臨時増刊号 【特集】近鉄特急」(No.990 電気車研究会)

・「鉄道ファン 2020年4月号」(交友社)

・「大手私鉄サイドビュー図鑑03 近鉄特急」(イカロス出版)

・「大手私鉄サイドビュー図鑑07 近鉄通勤車」(イカロス出版)

・「私鉄車両年鑑2020」(イカロス出版)