※:画像の無断転載・転用はご遠慮下さい!!
養老鉄道養老線の車両を保有している一般社団法人養老線管理機構は,老朽化した在来車両(600系・610系・620系)取替用として東京急行電鉄(現 東急電鉄)7700系15両(部品取り用の1両は除く)を東急テクノシステムを通して一括購入しました。平成30年度に改造される6両(7903編成,7912編成)については,改造工事を行う近鉄塩浜検修車庫まで直接陸送されました。平成31年・令和元年度に改造される9両については西大垣駅に隣接する大垣車庫に留置されました。
令和元(2019)年5月6日(月・振替休日)に訪問した際は,5両を確認する事が出来ました。
▲大垣車庫側線に留置中の7700系7701-7901の2両。元7901編成で東急7700系最後の1本として残っていましたが,平成30年11月24日(土)に「7700系さよなら運転」を行い東急線内から完全に引退し,両先頭車両が養老鉄道へ譲渡されました。この2両が養老鉄道へ最後に搬入された7700系となりました。
中間車デハ7801は譲渡されず平成30年12月26日(水)付で廃車となり解体されています。
▲大垣車庫の側線で改造待ちの元東急7700系デハ7700形7701。同車は7000系デハ7000形のラストナンバーの7064(昭和41年製)が種車です。昭和62年に当時としては最新鋭のVVVFインバータ制御装置車両として新たに生まれ変わりました。平成12年度にワンマン運転化改造が行われました。
▲7700系デハ7700形7701の東洋電機製のGTO素子使用のVVVFインバータ制御装置。養老鉄道でも引き続き使用されます。運用開始前に近鉄塩浜検修車庫にて点検が行われます。
▲東急7000系から7700系改造時に客室内は当時最新鋭の9000系に準じた茶系統の色調とし,デコラ板と床面を新製交換,腰掛はウレタンフォーム化,袖仕切と中仕切を新設し,ブラウン,オレンジで交互に配置していました。側窓は下窓固定,上窓バランサー付きの下降式窓を採用し,窓の開閉が容易となりました。ワンマン運転化改造時に車外スピーカー幕板に設置されました。
▲7700系デハ7701とクハ7901の連結部分。東急時代池上線・東急多摩川線は,固定式ホーム柵が設置されていたため,連結部分に転落防止幌取付が行われていませんでしたが,養老鉄道では近鉄タイプの転落防止幌(くし形)が設置されます。
▲7700系デハ7700形7701に搭載されているひし形パンタグラフ(東洋電機製のPT-44)。養老鉄道ではシングルアーム式パンタグラフに交換されるため,この姿は見納めとなります。車両番号プレートは,車両番号は変更が行われないので引き続き使用されます。
▲7700系デハ7700形7701の前面下部。動物などとの衝突に備えて東急時代には無かった排障器が設置される事になります。また床下には近鉄式ATS車上子も設置されます。
▲7700系乗務員室後部の側面には東京急行電鉄の社章が掲出されていましたが,養老鉄道搬入前に剥がされていました。画像は7700系デハ7700形7701で,剥離直後の状態のままで留置されていますが,営業運転開始前に近鉄塩浜検修車庫にて綺麗に整備が行われます。
▲大垣車庫の留置線には,7700系7914編成(デハ7714-デハ7814-クハ7914)の姿がありました。7914編成は,元東急7700系の大垣車庫に留置される車両としては,一番最初に搬入された車両でしたが,養老鉄道向けの改造順は後から2番目となっています。画像は名古屋線初の高性能車1600系の塗装であるクリームに青帯(愛称は「センロク」,当時の近鉄高性能電車の標準色)を纏う600系D04編成(モ604-ク504)と線路1本を挟み並ぶ7914編成。 車内より撮影
画像は特記以外全て西大垣駅にて
その後,近鉄塩浜検修車庫で養老鉄道向けの改造が行われ,7914編成は塗装はそのまま変わらずTQ14編成として令和2年1月15日(水)から,7901編成は令和2年2月14日(金)からTQ01編成としてそれぞれ営業運転を開始しました。TQ01編成の営業運転開始により,東急から移籍した車両が全て揃うことになりました。