養老鉄道養老線 撮影 令和元(2019)年5月1日(水・祝) | ふなたんのブログ

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令和元年5月1日(水・祝),三岐鉄道三岐線訪問後,養老鉄道養老線を初めて訪問しました。東京急行電鉄(現・東急電鉄,以下,東急)から譲受し平成31年4月27日(土)から営業運転を開始した7700系,それにともない引退する車両の撮影と乗車をするためです。

 

【養老鉄道養老線とは】

近鉄名古屋線,JR東海の関西本線と接続する桑名駅(三重県)からJR東海の東海道本線と接続する大垣駅(岐阜県)を経由して揖斐駅(岐阜県)に至る57.5㎞の路線です。全区間単線で駅数27,軌間1067㎜,電車線電圧1500Vです。

列車本数は,平日・土日共通で大垣~桑名間は上り列車(桑名行)25本/日(他に西大垣,養老,駒野発桑名行が各1本/日),大垣発養老,駒野行が各1本/日,車両の入庫を兼ねた大垣発西大垣行の1駅間列車7本/日,下り列車(大垣行)25本/日(他に駒野,養老発大垣行が各1本/日),桑名発美濃松山,駒野,養老行が各1本/日,車両の出庫を兼ねた西大垣発大垣行の1駅間列車10本/日,大垣~揖斐間は上り列車(大垣行),下り列車(揖斐行)とも39本/日が設定されています。※:撮影時点の列車設定本数

 

車内に自転車を持ち込める「サイクルトレイン」を播磨駅-大垣駅,大垣駅-揖斐駅間の各駅で行われています。平日は日中時間帯,土日祝は全列車で,進行方向前から2両目に乗車する事が指定されています。行事等で車内が混雑する場合は安全上の理由から利用出来ない場合もあります。

 

養老線全線が1日何度でも乗り降り自由(乗り放題)になる「1日フリーきっぷ」を通年発売しています。値段は,大人1500円,小児750円。大垣・桑名・下深谷・多度・駒野・養老・西大垣・揖斐の各駅,池田町まちづくり工房霞渓舎(池野駅構内),ごうど観光交流館ひよしの里(広神戸駅前)で発売しています。

 

車庫は西大垣駅に隣接する形で西大垣車庫があります。重要部検査,全般検査は近鉄に委託され塩浜検修車庫にて行われています。近鉄と軌間が異なるため,桑名駅北方に位置する桑名台車振替場で台車振替を行い,電動貨車モト90形を両端に連結し,塩浜検修車庫へ回送されます。

 

 

【養老鉄道とは】

養老鉄道は,マイカーの利用や人口減少により輸送人員の減少に伴い厳しい状況が続いていた近畿日本鉄道(以下,近鉄)養老線の存続を目的に,近鉄が全額出資する会社(近鉄の子会社)として平成19年に設立され同年10月に近鉄より養老線を引き継ぎ運営を開始しました。

 

養老鉄道は第二種鉄道事業者として列車を運行,近鉄は第三種鉄道事業者として線路などの施設や車両を保有しました(「上限分離方式」に移行)。

養老鉄道は近鉄から車両を借り受けて運行していましたが,平成26年3月31日付で全車両が自社所有した。

 

平成26年3月,桑名市,大垣市,海津市,養老町,神戸町,揖斐川町,池田町(以下,沿線7市町)と岐阜県,三重県,近鉄,養老鉄道は「養老鉄道養老線のあり方に関する勉強会」を発足させ,鉄道存続やバス代替案等に関する協議が行われました。

協議を重ね,平成28年3月1日,沿線7市町は養老鉄道養老線を存続する事とし近鉄及び養老鉄道とともに,「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく「鉄道事業再構築実施計画」の認定を受けて新たな事業形態「公有民営方式」に移行させることについて合意しました。

 

平成29年2月1日,沿線7市町において,第三種鉄道事業者となることを目的とした一般社団法人養老線管理機構(以下,(一社)養老線管理機構と略)が設立されました。同年12月21日,「養老鉄道養老線鉄道事業再構築実施計画」の国土交通大臣からの認定を受け,養老線管理機構の第三種鉄道事業者の認可がおりました。

 

平成30年1月1日より新たな事業形態での事業開始となりました。列車の運行は養老鉄道株式会社が引き続き行い(第二種鉄道事業者),近鉄から貸与を受けた鉄道用地(有償借用,租税公課分を負担),無償譲渡が行われた鉄道施設,車両は,(一社)養老線管理機構(第三種鉄道事業者)が養老鉄道へ無償貸与する形です。車両は養老鉄道所有をいったん近鉄が譲受したうえで(一社)養老線管理機構へ無償譲渡しています。

 

近鉄は体制変更時に一時金として経営安定化基金(養老線支援基金)の10億円を拠出しましたが,今後は養老鉄道の事業を毎年度補助する必要が無くなりました。金銭面での支援は無くなりましたが,引き続き運転士の養成や鉄道のメンテナンス(車両の定期検査である重要部・全般検査を受託)では協力を行います。

 

(一社)養老線管理機構保有の車両は,近鉄養老線時代から使用されていた600系,610系,620系の計31両が引き継がれていますが,昭和38年から昭和45年にかけて製造され老朽化が進んでいました。

養老鉄道活性化協議会と(一社)養老線管理機構は,老朽化した車両の更新により塗装費や動力費の削減,サービス向上を図る事として平成30年8月に東急から7700系15両を購入し老朽化車両15両(2連編成3本,3連編成3本)を置換ることを発表しました。

(一社)養老線管理機構は,東急テクノシステムを通して7700系15両を平成30年度に一括購入しました。

7700系は平成30年度に3連編成2本の6両,令和元年度に2連編成3本,3連編成1本の9両が養老線仕様へと改造されました。これにより養老鉄道の全車両数31両の約半数が更新されました。(一社)養老線管理機構は,7700系を今後30年程度使用すると公表しています。

 

【7700系】

東急7700系を養老線仕様に改造のうえ導入されました。主な改造内容は内装は,腰掛のモケットを「養老の滝」にちなんだひょうたん柄をあしらったものに交換(一般席緑色,優先座席青色),一部の3連編成の中間車に転換クロスシート(8席分)を設置,車椅子・ベビーカースペースの設置(2連編成のTc車),床敷物の交換,客室灯のLED化,車内収受式のワンマン運転のため両替機能付き運賃箱や液晶式料金表示器設置等。外観はパンタグラフをひし形からシングルアーム式に交換,前面下部に排障器(スカート)取付,車両連結面に転落防止幌取付,一部編成の塗装変更,ATSの交換などが行われた等以外は東急時代の面影を残しています。

 

東急7700系は,昭和37年から昭和41年にかけて134両が製造された日本初のオールステンレス車両7000系を昭和62年から平成3年にかけて冷房化,走行機器,運転台機器,客室内装等を冷房化と同時に一新し,インバータ制御の省エネルギー車として生まれ変わった車両です。

7701編成~7714編成4連編成14本56両が登場しました。

 

7000系のユニット方式全電動車編成から電動車1M方式となり,制御電動車(Mc)デハ7700形,中間電動車(M)デハ7800形,制御車(Tc)クハ7900形,中間付随車(T)サハ7950形の4形式が誕生しました。組成はTc-M-T-Mcで7000系と識別しやすいように前面に細赤帯が設けれました。

 

奥沢検車区配置で目蒲線(当時)で活躍していましたが,平成10年3月から池上線でのワンマン運転に備えて平成7年から平成8年に7912~7914編成にワンマン運転対応改造が行われT車を抜き3連編成化,車体側面の下部に赤帯を配し上部に行先表示器を追設,前面中央部が黒色,その両脇にL字形の赤帯が入る塗装(通称「歌舞伎塗装」)となり池上線雪が谷検車区へ転属しました。抜かれたT車3両は改造が行われ7915編成となり平成8年8月から池上線で営業運転を開始しました。

 

平成12年8月に目蒲線の運行系統が変更され,目黒-武蔵小杉間の目黒線,多摩川-蒲田間の東急多摩川線の2線に分かれました。目蒲線用の7700系はT車を抜き3連編成化,ワンマン運転対応改造が行われました。新たに3連編成・ワンマン化されたのは,7901~7903・7905~7908・7910編成の8本です。7912~7914編成とは異なり車体側面上部の行先表示器は設置されず,塗装変更も行われていません。余剰となった7904・7909・7911編成は,各編成の両先頭車が平成14年7月に十和田観光電鉄(現在は廃線)に譲渡され,編成から外された中間車は平成13年度内に全車廃車となりました。

 

7700系3連編成12本36両は雪が谷検車区配置なり池上線・東急多摩川線でワンマン運転を開始しています。3連編成化により編成中の空気圧縮機がTc車のみとなるためM車に空気圧縮機を増設しています。

 

平成19年から「新」7000系(二代目),平成25年から1000系1500番代の投入により順次廃車が進み,平成28年度初時点で7901・7903・7905・7906・7912・7914編成の3連編成6本18両が残存していました。翌平成29年度から「新」7000系の新造増備再開により7700系は平成30年度中の全車廃車が決定されました。

 

平成30年7月から順次営業離脱が進み,10月末には7901編成が最後の1本として残りましたが,11月22日限りで定期運用を終了し24日の「7700系さよならイベント」が最終営業運転となり,東急から「日本初のオールステンレスカー」として登場した7000系の血統が姿を消しました。

平成30年度まで残存した7700系の内,7901・7905・7906編成の中間車を除いた2両編成3本,7903・7912・7914編成3連編成3本の計15両が養老鉄道へ譲渡されました。7906編成のデハ7806も譲渡されていますが,部品取り用のため入籍はしていません。

▲7700系TQ12編成(ク7912-モ7812-モ7712),「桑名」行(1450列車 大垣駅14:26発-桑名駅15:38着)。TQ12編成は,「赤色」から養老鉄道オリジナルの「緑色」に変更され,塗分けは継承されたので通称「緑歌舞伎」と呼ばれ東急時代には無かったスタイルとなりました。

養老鉄道養老線の新形車両として第三の活躍を開始した元東急7700系。養老鉄道養老線でも形式は7700系で,記号を「デハ」を「モ」,「クハ」を「ク」とし車両番号の変更はありません。編成記号は東急の頭文字を採り「TQ」とし,これに車両番号下2桁を附したものとなっています。

 

▲7700系TQ03編成(モ7703-モ7803-ク7903),「大垣」行(1453列車 桑名駅14:45発-大垣駅15:53着)。TQ12編成とは違い東急当時をイメージさせる前面赤細帯を残した姿で竣工したTQ03編成。機器類が更新されているとは言え7700系で最古参となるTQ03編成は,昭和38年製で製造から半世紀以上が過ぎた車両が譲渡され新天地で活躍する事例は近年では大変珍しい出来事です。メンテナンスが行き届いておりオールステンレス製ゆえの長寿と言えます。

 

以上2点,養老線養老駅にて

【600系】

養老線の旅客サービス向上(冷房化)および運転保安度向上を図るため,平成4年から平成6年にかけて2連編成4本,3連編成2本の計14両が改造の上投入されました。

平成4年度は,名古屋線系統1600系3連増結用モ1650形,ク1750形を方向転換,狭軌化,南大阪線系統6000系サ6150形(T)を中間に組込み3連編成化したものです。モ1650形(Mc)をモ600形(Mc),サ6150形(T)をサ550形(T),ク1750形を500形(Tc)に改称した3連編成2本(D01,D02編成)が誕生。主制御器,主抵抗器は一部部品を更新し再使用しています。

平成5年度は,1600系モ1650形(Mc)と1800系増結用ク1950形(Tc)を改造のうえ組成した2連編成1本(D03編成)が登場。

平成6年度は,モ1650形(Mc)と1800系増結用ク1950形(Tc)を改造のうえ組成した2連編成1本(D04編成),1600系(モ1600形-ク1700形)改造したD05編成,南大阪線系統6800系増結用モ6850形(Mc)2両を改造したD06編成がそれぞれ登場し600系は全て出揃いました。

後に編成両数に関わらず電動機出力を135㎾に統一しました。

平成20年から平成25年にかけて一部の編成を除き車体更新が行われました。

平成25年から平成27年にかけてATS装置の更新(ATS-P化)が施工されました。

平成13年にD05編成,平成28年にD03編成が廃車となり,撮影時点(令和元年5月1日(水・祝))で3連編成2本,2連編成2本の計10両在籍しています。

600系D02編成(ク502-サ552-モ602),「桑名」行(1552列車 大垣駅15:46発-桑名駅16:58着)。名古屋線系統1600系ク1750形1752,モ1650形1657と620系改造の際編成から外れた南大阪線系統6000系サ6150形6152を中間に組込み,ワンマン運転化を含む養老線向け改造を行い,平成5年3月に竣工しました。サ550形552には泡洗浄式便所が設置され団体運用等に対応出来る様になっていました。モ602の台車は狭軌線用空気ばね式(インダイレクトマウント方式)を新製,サ552の台車は狭軌路線の南大阪線から移籍のため原状のまま使用(空気ばね式台車),ク502の台車は南大阪系統6800系のKD-39(金属ばね台車)を電装解除のうえ転用(KD-39A)しました。平成23年に車体更新が施工されました。近年パンタグラフがシングルアーム式に換装されています。 600系D02編成の廃車計画無しです。  養老線養老駅にて

 

養老鉄道は,平成31年1月21日(月)から令和元年8月16日(金)まで「京浜急行創業120周年・養老鉄道100周年記念」のコラボレーション系統版が600系D02編成に掲出されました。設立者が立川勇次郎氏という共通点を持つ両社が共同で行う「京急と養老をつなぐキャンペーン」によるものです。同様のデザインのヘッドマークは京浜急行電鉄600形607編成にも掲出されました。

 

【610系】

養老線の高性能化,冷房化を引き続き推進するため,名古屋線系統1800系(昭和41年製造)を基本に構成したグループです。一部南大阪線系統6800系からの転入車が含まれます。平成5年8月から平成6年7月にかけて転用改造が行われました。2連編成4本と増結用制御車(Tc)2両が登場しました。主な改造はワンマン運転化,標準軌台車から狭軌用台車へ交換が行われ,後に主電動機(モーター)出力を全車135㎾に統一されました。平成13年に増結用Tcが廃車となっています。平成25年度と平成27年度にATS装置の更新(ATS-P化)が行われました。

撮影時点で,3連編成1本と2連編成3本の計9両が在籍していますが全車両,もと東急7700系へ置き換わります。

▲610系D11編成(ク511-サ571-モ611),「桑名」行(1550列車 大垣駅15:06発-桑名駅16:18着)。先頭車はもと近鉄1800系(モ1801,ク1901)を平成5年にモ610形611,ク510形511,中間車は平成13年7月に南大阪線から転入した6020系4連編成1本から余剰となったサ6109(6000(旧6900)系ク6100形の運転台撤去車両・中間車化改造)をサ570形571(同時にワンマン運転化,車体更新施工)にそれぞれ改造のうえで組成されています。ク510形511は平成12年,モ610形611は平成13年にそれぞれ車体更新が施工されました。ク511には増結Tc車との連結に備えた幌枠がTc車廃車後も残存しています。 養老線養老駅にて

 

▲610系D13編成(ク513-モ613),「桑名」行(1352列車大垣駅13:46発-桑名駅14:58着)。平成5年11月に1800系1803編成(モ1803-ク1903)を養老線向けとして改造(ワンマン運転化改造併施)され,平成14年12月に車体更新が施工されました。

元東急7700系導入により近鉄時代から活躍してきた610系D13編成が令和元年5月に廃車となり,610系2連編成から初めての廃車となります。

廃車になることを記念した系統板が平成31年4月10日(水)から令和元年5月6日(月)まで掲出されました。「D13さよなら記念クリアファイル」を4月10日(水)から発売しました。クリアファイルと同じデザインの系統板が掲出されました。「D13さよなら記念クリアファイル」の発売を養老線全線開通100周年記念企画第17弾,記念系統板の掲出を養老線全線開通100周年記念企画第18弾としています。  養老線美濃山崎駅にて

 

▲610系D13編成,「桑名」行(1352列車大垣駅13:46発-桑名駅14:58着)。平成31年4月27日(土)に養老鉄道は全線開通100周年を迎えました。100種年企画第15弾として「養老線全線開通100周年記念ラッピング列車」を同年3月29日(金)より運転を開始しました。平成30年4月より「大垣市制100周年記念トレイン」として約1年間運転してきた電車のデザインを一部変更したものです。 養老線美濃山崎駅にて

 

 

▲610系D13編成(モ613-ク513),「大垣」行(1551列車 桑名駅15:25発-大垣駅16:35着)。平成30年に岐阜県大垣市が市制100周年を迎えたのを記念したラッピング列車が同年4月8日(日)から約1年間運転されました。D13編成に「水の都・大垣」を表す青色系ベースのラッピングが施され,側面には大垣市のキャラクター「おがっきぃ」と「おあむちゃん」が描かれていました。 養老線養老駅にて

 

610系D13編成ク510形513。種車はもと近鉄名古屋線用1800系ク1903で,養老線入線時にワンマン運転化改造,南大阪線用6800系の金属ばね台車(KD-39)へ交換されています。近鉄24系電気検測車「はかるくん」(貨車)の養老線検測時の控車・けん引車となるため,撤去していた幌枠と桟板(渡板)の再設置,クワ25(検測機器搭載)との連結用のジャンパ栓設置などの対応改造が平成18年に行われました。 養老線美濃山崎駅にて

 

610系D13編成モ612形613。種車はもと近鉄名古屋線用1800系モ1803で,養老線転用時に運転台寄りのパンタグラフが撤去され,台車は金属ばね台車(KD-48)に交換されています。養老線入線してから暫くしてから,幌枠と桟板が撤去されました。 養老線美濃山崎駅にて

 

610系D13編成に掲出されたさよなら記念系統板。平成31年4月10日(水)から令和元年5月6日(月)まで掲出(4月15日(月)~19日(金)を除く)しました。養老線沿線の「養老の滝」にちなんだひょうたんが描かれ,製造年と引退年,活躍した路線名,名古屋線時代の編成記号・車両番号と養老線時の編成記号と車両番号が表記されています。4月10日(水)発売の「D13編成さよなら記念クリアファイル」と同じデザインとなっています。 養老線養老駅にて

 

【620系】

平成5年6月から平成6年12月にかけて南大阪線系統6000系4連編成を移籍改造したものです。T車を抜き出し3連編成として,モ6000形(Mc)をモ620形,モ6000形(M)をサ560形(T),ク6100形をク520形にそれぞれ改称されました。サ560形(T)は,M車(電動車)をT車(付随車)化改造(2台搭載のパンタグラフは1台撤去され1台存続)し,1M2T編成としました。電装解除により台車形式が変更されました。取外され余剰となった主電動機は600系に転用されています。編成から外れたT車の一部は600系の中間車として組成されました。

平成13年7月に610系増結用Tc車廃車と入れ替わりで,南大阪系統6020系4連編成1本が転入,ワンマン運転化改造,車体更新,3連編成化,形式変更を行ったD25編成が登場しました。

ATS装置の更新(ATS-P化)が平成26年から平成28年にかけて施工されています。

近鉄時代に運用減少のためD22編成が廃車,東急7700系導入に伴い平成30年10月にD25編成が平成31年月にD23編成が廃車となり,撮影時点で,3連編成2本計6両が在籍です。

鉄道

▲620系D21編成(ク521-サ561-モ621),「大垣」行(1451列車 桑名駅14:05発-大垣駅15:13着)。平成4年6月に南大阪線系統6000系6011編成(モ6011-モ6014-サ6153-ク6106)を移籍・ワンマン運転化改造,T車(サ6153)を抜き出し3連編成としました。車体更新を平成22年に実施しました。現在はパンタグラフがシングルアーム式となっています。 

620系D21編成の廃車計画無しです。 養老線養老駅にて

 

養老鉄道は平成31年4月27日(土)に全線開通100周年を迎えたの記念して620系D21編成に「全線開通100周年」の系統板を同日から令和元年10月下旬まで掲出して運転しました」。車体画面にも系統板とほぼ同じデザインのステッカーを貼付けました。全線開通100周年を記念した系統板はデザインが異なるものが620系D24編成にも掲出されていました。 養老線養老駅にて

 

【並び】

▲『さよなら記念系統板』を掲出した610系D13編成(モ613-ク513),「桑名」行(1352列車大垣駅13:46発-桑名駅14:58着)と『養老線全線開通100周年記念系統板』を掲出した620系D21編成(ク521-サ561-モ621),「大垣」行(1451列車 桑名駅14:05発-大垣駅15:13着)が行違います。 養老線美濃山崎駅にて

 

▲『さよなら記念系統板』掲出の610系D13編成(モ613-ク513),「大垣」行(1551列車 桑名駅15:25発-大垣駅16:35着)と新元号「令和」を記念し『慶祝 令和』と表記された系統板を掲出する610系D12編成(モ612-ク512)が顔を合わせます。 

※:構内踏切より遮断機が上がっている時に周囲の安全を確認してから撮影

 

▲『さよならD13編成」記念系統板取付の610系D13編成(ク513-モ613),「大垣」行(1551列車 桑名駅15:25発-大垣駅16:35着)と新元号「令和」を祝う記念系統板『慶祝 令和』を取り付けた610系D12編成,「回送」と7700系TQ03編成(ク7903+モ7803-モ77703),「桑名」行(1650列車 大垣駅16:29発-桑名駅17:39着)の共演が見られました。

 

以上2点,養老線西大垣駅にて

 

▲610系D11編成,「桑名」行(1550列車 大垣駅15:06発-桑名駅16:18着)と7700系TQ03編成,「大垣」行(1453列車 桑名駅14:45発-大垣駅15:53着)。養老鉄道での役目を間も無く終える車両(左側)とその役目を引き継ぎ新天地での活躍を開始した車両(右側)の並びです。

 

養老線養老駅にて

 

▲養老線養老駅の駅舎。大正8年全線開通時に設けられた駅舎が,改良を重ねながら現在も使用されています。正面左側に2等待合室がかつてありました。現在は観光案内所となっています。「養老の滝」で有名な養老公園の最寄り駅となります。

 

〈参考文献〉

・「鉄道ピクトリアル」(電気車研究会)各号

・「鉄道ファン 2019年12月号 養老鉄道600・610・620系の動向」(交友社)

・「令和を走る昭和の電車」(イカロス出版)

・養老鉄道ホームページ

・養老線地域公共交通再生協議会(養老鉄道活性化協議会)ホームページ