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平成30(2018)年4月29日(日・祝),遠州鉄道30形モハ25号の「勇退記念列車」を撮影した際に30形30形引退後も活躍する1000系・2000系を撮影(全編成ではありませんが)しました。
【1000系】
新しい標準車両として昭和58(1984)年から平成8(1996)年にかけて2両編成7本(モハ1000形7両,クハ1500形7両)が製造されました。車体は直線的なデザインで遠州鉄道初の19m級乗降扉3扉と大型車両となりました。乗降扉は幅1,300mmの両開き扉,前面は大型窓を中央に配しました。電動式方向幕を前面・側面幕板部に設置しました。中空軸平行カルダン駆動で,ブレーキは電気指令式(電制・応荷重装置付き)を初めて採用しました。台車は空気ばね車体直結式です(1003編成以降は変更)。車体塗装はスパニッシュレッドを基調に白色の斜めストライプ・グレーおよび白色のラインを入れました。全車両,日本車輛製造で製造されました。
▲1000系1001編成(モハ1001-クハ1501),「新浜松」行(64列車 西鹿島駅12:00発-新浜松駅12:32着)が新浜松駅1番線に到着するのを2番線から撮影。日中時間帯は2番線から列車の発着が無く2番線に入る事が出来ませんが,28日(土)~30日(月)は30形モハ25号「勇退記念列車」運転に合わせて2番線で30形モハ25号の記念グッズなどの販売が行われ,「勇退記念列車」に乗車される方以外の方も入れたのでこのような光景を撮影する事が出来ました。 1001編成は会社創立40周年の昭和58(1984)年製造で,30形モハ25号引退後はこの編成が遠州鉄道最古参の車両となります。
新浜松駅にて
▲1000系1003編成(モハ1003-クハ1503),「新浜松」行(110列車 西鹿島駅16:36発-新浜松駅17:08着)。昭和63(1988)年製造で,遠州鉄道初のボルスタレス台車(日本車輛製造製の円錐積層ゴム式 モハ1003:ND711台車,クハ1503:ND711T台車)を採用しました。高架前の遠鉄浜松駅(昭和60(1985)年高架化)はカーブ上にあったため,1000系は停車時に中扉締切操作を行っていましたが,この編成から締切スイッチを省略しました。
上島駅にて
▲平成30(2018)年5月3日~5日に開催の「浜松まつり」をPRするヘッドマークを掲出した1000系1006編成(モハ1006-クハ1506),「新浜松」行(102列車 西鹿島駅15:48発-新浜松駅16:20着)。平成6(1994)年製造でクハ1506号の運転席後方に遠州鉄道初の車椅子スペースが設置されました。1005編成に続いて座席はバケットシート(1人ずつ区分)が採用されています。
八幡駅にて
【2000系】
主力車両1000系の後継車両として平成11(1999)年から投入が続いています。撮影(平成30(2018)年)時点で2両編成7本14両(モハ2000形7両,クハ2100形7両)が在籍しています。外観は1000系を引き継いでいますが,主制御器はIGBT-VVVFインバータ装置・補助電源装置をダイレクト3レベルIGBTインバータ方式のSIV,電動空気圧縮機に三相交流モータを遠州鉄道車両で初めて採用など省エネルギー・メンテナンスフリー化を図り「人に,地球にやさしい21世紀型電車」を目指し「2000系」としました。客室の乗降扉にも化粧板を取付室内との一体化を図り,次駅案内やSS無線によるニュース・地域行政情報およびCMなどを提供するLED式車内案内表示器を1両あたり3ヵ所乗降扉上部に設置しました。集電装置(パンタグラフ)を遠州鉄道初のシングルアーム方式としました。全車両,日本車輛製造で製造されています。平日朝夕時の4両編成では2000系同士,1000系との連結が行われています。
▲2000系2002編成(クハ2102-モハ2002),「西鹿島」行(35列車 新浜松駅9:36発-西鹿島駅10:08着)。2000系2次車として平成13(2001)年製造で,運転台が主幹制御器(マスコン)・制動弁(ブレーキ)が個別となったツーハンドル方式からこれらが一体となったT型ワンハンドルマスコンに変更,客室にドアチャイムの設置,軌条塗油装置の装備(クハ2102のみ)が1次車(2001編成)と異なる点です。平成30(2018)年2月から平成31(2019)年3月にかけて「ビレッジハウス」広告の水色ラッピングとなっていました。
▲2000系2003編成(モハ2003-クハ2103),「新浜松」行(108列車 西鹿島駅16:24発-新浜松駅16:56着)。平成17(2005)年製造の2000系3次車で2次車と同じ仕様です。「JAとぴあ浜松」広告のラッピングが施されていました。
以上2点,上島駅にて
▲西鹿島駅留置線に留置中の1000系1006編成と異なるデザインのヘッドマークを掲出している2000系2006編成(モハ2006-クハ2106)。2000系6次車で平成27(2015)年製造され,客室の車内案内表示器が遠州鉄道初の液晶(LCD)式車内案内表示器に変更された他は平成24(2012)年製造の5次車とほぼ同じ仕様(客室:9人掛けロングシートを3分割するスタンションポール設置,運転室:運転状況記録装置搭載・バイザー方式の日除け板を巻取り式のカーテン式に変更,台車を日本車輛製造製の軸梁式台車(モハ2000形:ND-746台車,クハ2100形:ÑD-746T台車,純電気ブレーキ)を採用など)です。
▲平成30(2018)年製造で遠州鉄道そして2000系最新車両となる2007編成(7次車で6次車とほぼ同仕様)と遠州鉄道最古参の30形モハ25号「勇退記念列車」がホームを挟んで並びました。30形モハ25号は翌日をもって引退,2007編成はこれから遠州鉄道で活躍と新旧車両のバトンの引き渡しを見ているように思えました。
以上2点,西鹿島駅付近にて
▲1000系1003編成(モハ1003-クハ1505),「西鹿島」行(49列車 新浜松駅11:12発-西鹿島駅11:44着)が30形モハ25号(モハ25号-クハ85号)「勇退記念列車」「新浜松」行(臨時2列車 西鹿島駅11:40発-新浜松駅12:16着)と行き違い(交換し)ます。
岩水寺駅にて
▲西ヶ崎駅側線に留置中の保線作業用モーターカー・レール運搬用トロ台車,ED28 2号機,砕石運搬用のホキ800形。
▲ED28形ED28 2号機。車体は凸型で塗装はライトブルー,大正14(1925)年にイギリスのイングリッシュ・エレクトリック(EE)社で製造された元・豊川鉄道デキ51で,昭和35(1960)年に貨物輸送増強の為に国鉄から譲受しました。滅多に稼働する事がありませんが,走行しているところを撮影・見てみたいです。
▲レール運搬用のトロ台車と砕石(バラスト)運搬用のホキ800形。ホキ800形は東海旅客鉄道株式会社(JR東海)から購入したホキ800形3両が,ホキ800形801~803として平成12(2000)年5月に竣工しました。ED28形ED28 2号機の後ろ側からホキ800形ホキ801+ホキ800形ホキ802,レール運搬用トロ台車の奥にはホキ800形ホキ803が留置されていました。
▲松山重車輌工業(MJK)製のモーターカー。保線用として使用されています。
以上4点,西ヶ崎駅・西ヶ崎駅付近にて
▲新造車両の搬入は日本車輛製造からトレーラーで輸送後,上島駅上り方(新浜松駅)の仮設側線を使用して搬入されていましたが,平成24(2012)年11月に助信駅-上島駅間の連続立体交差事業が完成して上島駅が高架線となり同駅で行われていた搬入作業が出来なくなり,新たに岩水寺駅-西鹿島駅間に搬入用の用地を設けて平成27(2015)年製造の2006編成からこの場所で搬入が始まりました。画像は新浜松行の車内から同用地を撮影したものです。右側の線路が搬入用で2両を留め置ける長さで,搬入後に西鹿島駅にある西鹿島車両検修場への回送には本線の線路を切断のうえで搬入用の線路と繋がれます。線路の横は車両を輸送してきたトレーラーが止められる広い(画像では判りにくいですが)用地が確保されています。