―中国故事—物語を読んでみよう第2回から

 

 

 

一匹のネズミが寺院の上に住み着きました。仏塔での生活は快適そのもので、ネスミ

 

は毎日自由に走り回り、食べきれないほどの供物を楽しみ、それどころか貴重な書物

 

をかじることもできました。

 

   
 

人々は仏像を畏れ敬っていたため、誰もネズミに手を出さず、ネズミは気分よく、満

 

足した生活を送っていました。

 

 

時がたつにつれ、ねずみはますますやりたい放題になり、ついには仏像の頭の上でウ

 

ンチやおしっこをするようになりました。

 

 

人々が仏塔の前で焼香し、礼拝すると、ネズミは仏塔の上にしゃがんで得意げに彼ら

 

を見下ろし、心の中でこう思うのでした。

 

 

「愚かな人間ども!昔はオイラを追い回していじめていたくせに、今ではオイラの

 

足元にひざまずいているとは、なんて馬鹿なんだ!」

 

 

けれども、そんなおごり高ぶった日々は長くは続きませんでした。

 

ある日、野良猫が寺に入り込み、すぐにネズミを見つけました。

 

そして、一瞬のうちにネズミを捕らえたのです。おびえたネズミは叫びました。

 

「オイラを食べることはできないぞ、オイラは仏さまの代わりだからな!お前も人

 

間と同じようにオイラにひれ伏すべきだ!」

 

 

野良猫はあざ笑って言いました。「ふん!うぬぼれるな。人々がひざまずくのは仏

 

であって、お前ではない。お前はただの仏と同じ場所にいるだけのネズミにすぎ

 

ん。」

 

そういうと、野良猫はネズミをひと口でかみ殺してしまいました。

 

 

<引用:NHKTVー中国語ナビテキスト五月号掲載長文から>