次回の国勢調査は確か来年(2025年)だったと思いますが、本番に向けて練習をするのか、事前に概要データを掴んでおきたいのか、筆者が住んでいる地区がその“事前練習”の対象エリアになりました。
本番のそれと同じく、マークシートの調査票と、最近の傾向としてWeb回答のページへのリンクが書かれた書類が入った依頼文書が届き、当然のごとく後者、つまりWeb回答が推奨として案内がされておりました。
“天気屋”の他に一応“IT”も生業にしていますので、まぁ当然のごとく筆者もWeb回答をまずは選択して回答を進めていきますが、、
最終問まで答え終わった後に、登録ボタンを押してみると、「システム混雑でエラー」とつれない返事。
ついでに、ここまで回答した内容は、全てパー
…
……
………
呆れてものが言えませんでした。。
その後、アナログなマークシートでの対応(当然郵送になりますね)に切り替えたのはいうまでもありません。
デ○タル庁って、一体なんなんだか。。。
閑話休題。。
(以下、観覧日は6月16日(日)ソワレ公演=千穐楽)
今回取り上げる舞台には、SF的要素があるとの案内でしたので、少なくとも現時点よりもずっとITが深化していそうです。もっとも、深化すればするほど、その使い方には細心の注意が必要にはなりますが。
ということで、当日記では今年初登場、でもこれで3度目になる劇団「こわっぱちゃん家」の公演であります。
そのうちの1回目、つまり初回はこのような感じでして、、
(2024年1月27日@恵比寿)
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ステージも、そのあとのバーイベントもどちらもガチ。
バーメニューには実際の劇中でそれぞれの登場人物がチョイスしたドリンクがあったり、“推し”の演者さんにたまご料理を作ってもらえる趣向もありました。
今回も、展開されるイベントとしてはほぼ同じ。劇中に登場するドリンクやフードメニューは、バーメニューとしても登場し、“推し”の手料理ももはや定番のようになっています。
こちらがそのメニュー…
もっとも、ステージは初回よりも幾分シリアスで、こちらのような2回目寄り
(2024年3月23日@下北沢)
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そして、バータイムに入ると、観たのが千穐楽公演だったせいか(つまり、演者さんもあとはお片付けだけ)、こちらもよりガチに振られています。
もちろん、楽しい記憶の方が残りやすいシチュエーション。それだからこそ、時間が経てば経つほど、幾分大きめのステージとバータイムとの間のギャップにも目がいく筆者が、これを書いている時点での実際だったりします。
そのステージの中味、“旗揚げ公演のリメイク”という「飯塚タイムポート商店街」というタイトル。飯塚という名から、西日本育ちの筆者には、福岡県の飯塚市が思い浮かぶ感じでしたが、場面設定は東京から電車で30分程度のシャッターが目立つ駅前商店街だそうで。確かに、昨今の状況でも、実際の光景がそのようになっている駅が、山手線から30分の距離を越えると、ぼちぼち出てくるなという感覚ではあります。
そして、このお題のステージ、十数年前という旗揚げの頃は、もう少しわちゃわちゃとしていた空気感だったそうです。
始めは「ふーん、そうなんだぁ…」。
ですが、ストーリーが進んでいくうちに、そのわちゃわちゃとした雰囲気に、かなりシリアスなシチュエーションを組み込んでいたこと自体が、「ある意味すごいこと」と、印象が変わっていきます。
十数年分のキャリアを経たから、、というのが公式な説明ではありますが、やはり後から思うにつけ、相当にシリアスなシチュエーションを動かすには、いくばくかの軌道修正をした上での再演が必要だったのかもしれません。台詞も大幅に書き換えたことから、“再演”ではなく“リメイク”。確かに必然だったのだと思います。。
バー公演ということで、実際のバーのカウンターが、そのまま劇中に登場する商店街内にあるバーの店舗として使われていきます。物語は、シャッターのほうが目立つ商店街の中にあるバーからスタート。カウンターの向こうには、店主さまと身重の相方。そしてこちら側には店主さまの幼馴染と精神科医、そして、なぜか初夏の今頃が“夏休み”とおっしゃる女子大生という組み合わせ。それぞれに仲は良く、商店街のゆく末を幾分心配しつつも、わりあい平和な光景のもとでの物語の始まりです。最初のモノローグの部分を除けば。。
場面によってはコントのようですらあるのですが、生まれてくる子供の性別判定の書類を、女子大生がこっそりと入れ替えていくといった、「なんだろう…?」と思う伏線もこの時点で入ってきます。
「なんだろう…?」といえば、、
未来まで商店街が栄えてほしいという願いから、なぜか「未来のお客を呼ぶために、タイムマシンの発着場(これが“タイムポート”の由来)」を作ってしまうという、これもそういった感覚ではあったのですが、
発着場が実際に使われてしまうあたりから、動きが激しくなってきます。
とはいえ、初めは徐々にという感じ。
未来からタイムマシンで来たという、記憶喪失とも受け取れる女の子、満(みちる)。この雰囲気がなんとなく“ハマり役”(すみませんですねぇ)と言えそうな、村川ひなたさんが演じています。
しばらくは色々と“事情聴取”よろしく色々と訊かれていくものの、その後はタイムスリップしてきた2024年の“この時点”で、未来(さき)と名付けられて穏やかに暮らしていく満でしたが、
先に登場した“身重の相方”が、いよいよお子さん出産という段になると、一気に伏線回収という名の動きが激しくなります。
箇条書きにしてしまいますが、
- 未来(さき)=満の大人になった姿で、生まれる時点にタイムスリップしてそこで“自殺”。つまり、人生のリセットのためにタイムマシンを使用
- 女子大生=満の妹で、“自殺阻止”のために先行して2024年にタイムスリップ。なので、タイムスリップする前の時間では「夏休み」であってもおかしくない
人生、やり直せたらなぁ。。
としばしば思うところがある筆者としては、この伏線回収は締め付けられるシーンの連続でした。
物理的に成り立つかという話はおいておくにしても、ITの進化、そして深化の象徴としての「タイムマシン」。しかし、劇中でのその使い方は「リセット」。つまりは未来での“自殺”というテーマ。
この十数年でも、主としてSNSの台頭によって、気を遣う場面の数と質が大きく変わり、だいたいにおいてそれは負担が増す方向へと変化しています。
この子も、生まれた当時には考えなくても良かったことを、気にしないといけない世の中になって、そこについていけないと感じたならば、、
あるいは、デジタルタトゥーのように暗い記憶があざのように残り続け、そこにある種の絶望を感じるまでになっていたなら、、
起きてほしいものではないけれど、実際にはちゃんと向き合わないといけない課題なのかもしれません。
劇中では、最後は満がタイムスリップする前の時間(今から見れば未来)に戻って、その先の人生を辿ろうとする姿で終わっていますが、SFとだけ括ってしまうだけでは終わらない、考えさせられるテーマであることは確かです。
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シリアスなステージが終われば、今度はガチのBARタイム。
なにしろ千穐楽後ですからね。怒涛の伏線回収シーンとは打って変わっての大盛況状態。
前々回の「推し巻きたまご」は、今回は「推ムライス」に変わって、やっぱり定番ネタの一つに。
筆者は“おまなみさま”こと鳴海真奈美さんにお願いしましたが、、
劇中では、“身重の相方”。つまりは頼れるおかあさま役。
そのまんま、真奈美さんの雰囲気にピッタリという感じでございました。
たまごもとろとろで、とっても美味しかったです。
もっとも、「推ムライス」で最もバズっていたのは、“さぁや”こと西部さやかさん(劇中では“店主さまの幼馴染”)。さぁやさんのそれは「たまごがとろとろじゃない」説があったらしく、それを確かめるべく指名が集中(笑)。もっとも、最終回の光景では、「ほら、とろとろでしょ」とドヤ顔をされるさぁやさんのお姿がありました。
#さすがに、この回、つまりラスト営業では、
炒り卵や卵焼き状態のものは登場しなかったようなw
劇中ドリンクも用意はされていましたが、こちらもバズったのは別のもの。
もはや常設BAR作ってもいいんじゃない?と思うほどのガチ度の中で、
(ちなみに、主宰のトクダタクマさんは、「食品衛生責任者」の資格まで取得したそうで…)
「これまで何も作ったことがない」という瀧啓祐さん(劇中では“バーの店主さま)”が、“初めて企画した”というカクテル(チャンチー)が、このお色で大人気でした。
ちなみに、混ぜるとあま~い青汁状態になるのもポイント(笑)。
八名信夫さんでしたっけ、、「あーまずい、もう1杯」という感覚ではありませんでした。
(少なくとも不味くはない)
これを、すっかりはしゃぎモードに変わった米川詩緒菜さん(劇中では“女子大生”)に、尾ノ上彩花さん(劇中では“精神科医”)も加わった状態で呑む?ということで、賑やかにならないわけがないのです。本番中にも、このBARを居酒屋扱いするシーンがありましたが、まさにそれを地でいく感じ。。
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ステージもそのあとも、どちらもガチ。
括ってしまうとその一言で終わってしまうのですが、前々回同様、びっくりするくらいの企画でございました。もう一段の一般受け、するといいなぁ。
ありがとうございましたぁ。