たとえ小さなものであったとしても … 加藤唯さん@下北沢(舞台「平成の夢」1月7日ソワレ公演) | まるゆいのおと日記(ですよ)

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本業は天気屋の私、まるゆいの'行動記録'的なもの。もっとも、多いのはライブレポ♪、次に旅のはなし(でありたい...)。
どうぞごゆるりとお楽しみください。
※コメントは承認制にしております。ご了承くださいませ。

こういう書き出しをすると歳がバレてしまいますが…笑い泣き


筆者が大学に入ったころがバブル絶頂期札束

そして大学(厳密には修士ですが)を出るころはいわゆる“就職氷河期えーん”、、



そういう環境下で、“夢”はその数年の間に予想外の変化をしていたのかもしれません。
もう社会人になってからのほうが長い人生の中では、その記憶はとぎれがちではあるのですが。


さて、タイトルに、その“夢”の文字が入った「平成の夢」が、当日記2024年の“ぶたいはじめお年玉”。

私事で申し訳ありませんが、筆者の親族の事情もあって、本稿相当に遅延してしまいましたm(_ _)mアセアセ
まだ松の内だった1月7日は日曜日、川崎から移動してきたのは下北沢のOFF・OFFシアター。
このようなフライヤーがかかげられておりました。




当日記では初めて登場する劇団の、ジャパニーズ生活の手による舞台。一応、コメディと案内されています。

そして、劇団のみならず、演者さんもすべてお初の方々。
…なのですが、おひとり“謎のフォロワーさんウインク”(筆者のX(旧Twitter)を先にフォローいただいた演者さん)として、加藤唯さんがこの公演にご出演チョキ。ずっと機会がないかなぁと思いながらここまで来ましたので、ようやくにして今回観る機会に恵まれた形です。


物語の舞台は、神奈川県は藤沢市。
もともと関西人だった筆者には、東京近郊じゃん…という感じはしますが、都心からこのくらい離れると、確かに街の雰囲気が違ってくるのもまた事実。その街に台風が迫る中、東京都心に出て芸人を目指している女性と、地元藤沢での友達とが数年ぶりに避難所、つまり学校にて再会…という状況でお話が進みます。

しかし、最初に出てくるのは、芸人を目指す女性お一人を除くと妖怪たちおばけ
どことなく某有名漫画のそれに似ている(ものが多い)お姿は、楽しかった(はずの)昔の思い出の中にいる姿。
昔といっても現代の中なのですが、元号が令和に変わってもう久しい今は、タイトルの通り「平成」は思い出の世界キラキラ


そして、現実の世界は、妖怪ではなくそれぞれの“いまのお姿”で描かれます。
現実…。それは夢に向かってもがいていたり、地元で頑張っているのか少々チョロいのか曖昧な感じで暮らしていたり、あるいは昔の恋の恨みを持ち続けていたり。。
必ずしも、いや、大多数のひとはおそらくそうであろうと思われる、順調ばかりとはいえない世界を生きているわけです。そのやりとりは思いのほか壮絶。妄想すら入り混じる現実は、スタンガンを持ったままの会話や、刃物を振り翳すといった相当に過激なシーンも登場しますピリピリ


台風が過ぎ去ったあと、現実の世界はハッピーエンド100%ではなかったような。。
むしろ、それぞれの現実と夢とのギャップに折り合いをつけていく姿が印象的。確かに夢いっぱいなストーリーではなく、めでたしめでたしでもないけれど、小さな幸せの積み重ねを感じ取ることが、令和の時代の生き方の一つなのかなと思うわけです。



ちなみに、初めのほうに書いた“謎のフォロワーさん”の加藤唯さんの妖怪おばけとしてのお姿は、毛女郎(けじょうろう)のそれ。いただいてきた台本には「口裂け女」とありますが、いずれにしても髪を長く伸ばして顔を隠していらっしゃるので、ほぼ半分は表情不明という演出。現実では恋の恨みを持ち続け、かなり激しい、刃物を持った演技もされていますので、うーん、やっぱり闇が多いひとだったのかなと(もちろん役の上で)。初回にして“もう一つのお姿”を観たという感じでありましたブルーハーツ

夢を一番語るのは、主役たる芸人を目指した女性、イトウハルヒさん。設定からしてやっぱり一番爽やかで、悩む時も情熱的なそれでした音符
そして、こういう時の男性陣は、しばしばコメディっぽく描かれるもの。必ずしもハッピーエンドではなかったストーリーでは、男性陣の存在自体がコメディだったのかもしれませんてへぺろ



それぞれの世代が、それぞれの現実を懸命に生き、それぞれに思い出を秘めている。。
当たり前と感じられることをステージというカタチで改めて認識する。。

そんなことを感じる1時間半余りの舞台でした。
ありがとうございますキラキラ