2024年、あけまして…
でもないなぁ…
元日に北陸で地震と津波、
2日には羽田で航空機事故、、
まずは被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
あーだこーだと言おうと思えば、とめどなく何某かのコメントは繰り出せるのかもしれませんが、ものの見方は様々あるわけで、あくまでもファクトに基づく行動を心がけるようにしたいですね。
さて、気を取り直しまして、、
当日記2024年“書き初め稿”その1でございます。
ときは12月23日、いわゆる“クリスマスイブイブ”です。
(実際、ソワレ公演なので、間違いではないかと(笑))
それでは、どうぞ^^
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なんだか白衣を着たひとがいて、
フラスコか試験管か何かを振っていて、、
「色が変わった」とか「煙が出てきた
」などと言い、、、
なんなら身なりはいかにもインドア派、、、、
(こちらは、開演前の撮影OKタイムでのものです)
学校の理科室とかがそういう感じだった気がしますが、筆者の歳だと、変身モノのアニメないしは特撮シリーズでよく出てくるそれを真っ先に思い浮かべます。。間違って怪獣が誕生してしまったみたいに。
そういった格好を、このひとがやっている案内を見ると、「え、何が起こった?」とか「何やら新しいものが出てきそう!」という感覚がするわけでして。
ということで、当日記ではほぼ1年ぶりの: Aqua mode planning :(以後、AMPと記します)さんの公演。外看板にも貼られているフライヤーにすごい格好をして登場されている長友美聡さん(以後、愛称のサリーさんで書いていきます)の脚本・演出による「サリーの実験室」。再演2本と新作1本のいずれもが、サリーさんの手によってアレンジ、ないしは新しく作られています。
この実験を執り行う場所というのが、東武東上線北池袋駅からほど近い、新生館シアター。
池袋から一駅じゃん…なはずですが、いざ池袋駅まできてスマホの地図を見てみると、意外なほど距離があります。。乗り込んだ電車も、一旦はフルスピードに届くくらいまともに走っていきますので、池袋の一隅とはいうものの、どこか隠れ家感があります。
(どうでもいいことですが、上下階を間違えまして「あれ」となったのはここだけの話)
もっとも、隠れ家としてはわりと大きめ。30人~40人くらいのキャパがあり、クリスマスに絡む土日とあって、客席はほぼ埋まっています。
「コウモリ」
再演1本目。ただし、初演が2016年9月だそうでして、当日記では初めてになります。
自信なさげに登場してくる主役の女性。
周りから聞こえてくる色々な言葉に翻弄されているかのようです。
それは、なんということか一番信頼できるはずのパートナーに対しても。
“おめでたい”はずのお子さん誕生に対してすら、過去の忌まわしい体験が重なって、懐疑的になってしまいます。
この、「ちゃんと喜べない」であるとか「気持ちを素直に打ち明けられない」ところを“コウモリ”に例えているという感じなのですが、よくよく考えたら、こういう話、誰もが遭遇することかもしれません。
かなり重たい話ではありますが、ラストで僅かに光明が指すのが救い。今度はちゃんと幸福感に気づけるかな。キムライズミさんが演じるこの主役の女性に、思わずエールを送りたくなりました
。
「ユウレイクラゲ」
初演は2018年11月。この時の観覧記はこちら…
(2018年11月23日@阿佐ヶ谷)
https:/
ものすごく大雑把に書くと、、
鉄腕アトムがもう少しホラーっぽくなり…
いや、“作るひと次第で”こんなにも変わってしまうのかと思わせる筋。
理想の“愛せる子供”を作らんがために、実の子供に対する罵詈雑言を放ち続ける父親。
そして、それに全く反論することなくついていく母親。
子供同士(正確には実の息子と父親が作った娘ロボット)が先にその無理矛盾に気づき、最後になってこれも光明の元に旅立っていく形。もっとも、そうなるまでは壮絶な虐待を受けていたり、放浪と思われて警察のお世話になったりと、胸が締め付けられる展開です。
初演からの5年の間にも、こういった事柄はより広く社会問題として認知されるにいたり、このお話も人ごととは思えない面があります。登場する警官が時折見せるファンキーな部分が結構救いになっていますね。
「四十路OLゆかりが男子高校生に転生して世界を守る件(仮)」
こちらは新作でして、ライトノベルの題名かと思うくらい長~いタイトルがついています。
筋はというと、まぁとりあえずタイトルのまんま(笑)
“四十路OLゆかり”の中身は、やっぱりこのひと、AMPの中の人のお一人である伊藤ゆかりさん。コメディエンヌの地位を確立されていると筆者は認識しておりますが、そんな方を主役にするとどうなるか。わりとあるはず…の設定ですが、ことAMPに関しては、会話劇が本流であるためか、主役であることは少なかったかも(まぁ、めっちゃ目立ちますけれど)。
このお話では堂々と主役しかも“ゆかりさん”であるわけで。
OLである時のゆかりさんは、(職場のシーンは出てきませんので)飲んだくれ&ゲーマー
状態でもって“疲れてる”というやさぐれ感満載のお姿。でもちょっとファニーなのはいかにもこのひとの立ち位置。。
転生すると、元気いっぱいなんだけどちょこっととぼけた高校生
ちゃんと詰襟の制服を着ているゆかりさんが、意外なほどにキマっています。
しかもその所属先?が「ハイレル(入れる)高校」の「いかにもな不良グループ」(笑)
ヒーローものよろしく数々の特製の武器を手にするのですが、それらが出現し、使われるたびにクスッとくるようにできています。このへんはコメディエンヌの面目躍如という感じでしょうか。
転生中に流れるBGMはゲーム風のぴこぴこ系。「ハイレル高校」とか「どっちを選ぶ?」など、傍にフリップが出てきますが、こういうのもクスッときますね。
これまでとは全くテイストが違うこのお話は、また「オールキャスト出演」という雰囲気もあります。
実際には、この日2本以上出ている方はいないのですが、お題の通りカラフル。
サリーさんご自身もこの3本目に実験室の先生のお姿と、急遽加わったゲストのお姿(こちらは歌付き)の二役で登場。確かにこのような弾けぶりは見たことがなさそうな。貴重なお姿です。。
ただし、あくまで“転生”したらのお話なので、エンディングは全く普通に戻っていきます。終わり方も再演2本とは逆の展開。これも目新しいかもしれません。
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さしずめ、にぎやかなクリスマスと厳かなクリスマスが同居したような実験室だったような気がします。
どちらもあって欲しいものですが、年明け早々、厳か→過度な自粛ムードにいきかねない状況であることは確か。今年もほどよくいろんなものが楽しめる一年でありますように。
ありがとうございましたぁ&よろしくお願いします。