たぶん、いま日本でスポーツニュースを見るとすれば、ラグビーのワールドカップの話題が占める割合が高いと思うのですが、もとは関西育ちの当日記筆者としては、やっぱり、9月末の公式戦今季ラストゲームでAクラス入りを果たした、我らが阪神タイガースに触れないわけにはいきません^^
ここぞという時に“勝負弱く”、観るものをヤキモキさせっぱなしだったタイガースですが、最終盤はまさにこれまでの苦労がようやく報われたといった感があります。
さて、この前振りのもと、本稿で登場するのはこのひと、結花乃さんであります。
いまのスタイルでデビューされてからまる3年。そのアニバーサリーワンマン。選ばれた場所は、当日記では久しぶりの南青山MANDALA…という、都心のおしゃれな会場。決して大規模というものではありませんが、いずれにしても、これまでの努力が報われるための場所であることは確かです。
9月終わりのお彼岸後としては、まだ夏の残り香がする、少々暑い日。クールダウンを求めて訪れた聴衆は、およそ80人と、ほぼこれで定員いっぱいといったところ。場内にはほどよい活気が感じられます。前方のステージかぶりつき席から、左手奥、正面奥と客席が続くレイアウト。筆者は、全体が俯瞰できる正面奥の最後方のテーブル席に陣取ります(ちなみに、正面奥の最後列はソファ席で、椅子がふかふかなんですな)。
開場~開演が約1時間のインターバルがありますので、先にこの日新登場のグッズを入手します。そのラインナップがこちら。
ライブハウスというよりもラウンジという感のある場でのステージ。ということで、筆者は、当日はTシャツには着替えておらず、これだけは未開封ですが、用意された4種類全てで、結花乃さんご自身がデザインされた絵が使われています。お誕生日とかバースデーケーキがモチーフの“アニバーサリーグッズ”。個人的には昨年の富士市ワンマンの際のものよりも可愛らしく、お気に入りです。
圧巻は、15色使い分けられるというペンライト。最近流行のこのアクリル板タイプのものですが、これにもイラストが入っています。持っているのは富士山型の…やっぱりケーキなんでしょうか
意外と、この色切り替え機能が役に立つセットになっておりました。
ということで、午後2時のほぼ定刻に開演。ご本人を入れると7人編成でのステージです。前半は、出世作となる「きんぎょすくい」よりも前に発表された、5枚のミニアルバム・シングルからの曲が並んでいます(「きんぎょすくい」は、後半の1曲めですので、前半には出てきません)。
セットはほぼ、リリースの順に3年間を辿る7曲。
1:乙女の華歌
2:黄色いヒヤシンス(以上、ミニアルバム「花一匁」より)
3:ダーリンと日曜日(ミニアルバム「恋占」より)
4:いただきへの、はじまり(シングル)
5:快速流れ星
6:コタエアワセ(以上、シングル「快速流れ星」より)
7:糸電話(シングル、「ポエム」つきバージョン)
3曲めまでは、デビューしたての頃の音源に収録されている曲たち。まずは知ってもらわねばいけない…という、最初期の努力の賜物。当日記でのこのひとの初登場が昨夏ですので、筆者はリアルタイムで追いかけてはいませんが、まずは“知名度”というわかりやすい部分での苦労が大きかったのではと想像します…。
しかし、この努力を見出すひとが現れます。それもふるさとに。
4曲めの「いただきへの、はじまり」は、結花乃さんの地元である、静岡県富士市のプロモーションソング。双方の力の入れようは、昨年の地元開催ワンマンの際にも感じ取ったとおりですが、この曲で、地元に根差していくという路線が、揺るぎないものになっていったのではないでしょうか。
当日記筆者が最初にこのひとを知るところになったのが、5曲め「快速流れ星」のMV。MVでは、キュートなだけでなく伸びのあるお声が、ご本人も登場するロマンティックな映像とともに堪能できる曲ですが、意外にも生で聴くのはこの日が初めて。こうして並べてみると、結花乃さんの曲の中で、随一の疾走感があることが改めてよくわかります。ステージ上でフラメンコよろしくクラップを煽ってましたね~。もっとも、筆者はようやくこの場面に巡り合ったという感慨の方が先に立ちましたが^^
次の「コタエアワセ」も、「快速流れ星」と同じ音源の収録曲ですが、テンポはかなりゆったりとしています。前半ラストの「糸電話」が、恋愛バラードど真ん中を行くような、ヒリヒリした何かがありそうな雰囲気なのに対し、この「コタエアワセ」は、想いびとに巡り合えたその先に思いを馳せるような、キラキラとした空気感があります。そして、筆者はほぼ100%、サビに入るとうるっときます。。。
出世作以前の成り立ちはここまで。でも、着実にいろんな味付けの結花乃さんが、それぞれのお似合いの形で登場してきます。出世作登場前夜…という状況を、確実に手繰り寄せてきた道のりです。
さて、前後半の合間には、この日のスペシャルカクテルという、こちらのメニューをテイスティング。
その名も「赤富士」。カウンター上での撮影ですので、後ろが雑然としていますが、上にかぶせた泡っぽい白い部分がポイントの一つなので、記録のためにはスピードが求められます(笑)。
…出来てから3分もすると、その白い部分が消えてしまって“夏山のシチュエーション”になってしまいますので。
あ、お味は、最初はちょっとビターで、そのうち甘くなってきます。ちなみにアルコール入りバージョン。なしのほうは下半分がブルーの「青富士」でありました。
後半は、昨夏の出世作「きんぎょすくい」以降の、いまの結花乃さんを言い表すセット。お姿も、カラフルな衣装だったものが白いドレスにお色直し…。
8:きんぎょすくい
9:パチパチ、線香花火
10:100%ハンバーグ(以上、シングル「きんぎょすくい」より)
11:わさび
12:指定席(以上、アルバム「結花乃譚」より)
13:夏物語(配信シングル)
叙情的であり奥が深い「きんぎょすくい」と、対照的にはじけるメロディーラインにロマンスをのせる「パチパチ、線香花火」。昨夏の鉄板のセットが、やはりライブ後半の最初を彩ります。
「100%ハンバーグ」は、実は静岡では有名なハンバーグレストランがモチーフ。「わさび」は、そのとおり静岡の名産品ですね。
もっとも、後者は、地元ソングというよりは“刺激を求めたらこうなった”らしい(笑)。しばしばα波を発するお声…つまりは、寝る前に聴くと良いらしいと言われるから作ってみたそうで、これならアルバムを聴いている途中で起きるはずですな。他の曲とは異なって、なんとなく歌謡曲風なのもポイントです。こぶしが刺激…なんですかねぇ^^
ちなみに、グッズのところで触れた15色発光可能なペンライトは、後半のセットでは大活躍。「きんぎょすくい」では赤く、「パチパチ、線香花火」ではカラフルに、そして、当然のように「わさび」は緑色…と、華やかさを多分に演出しています。出世作発表後の“嬉しい多忙”の象徴かもしれません。
本編の締めは、事務所所属前からの持ち曲「指定席」と、現時点での最新曲「夏物語」。どちらも恋愛ソングですが、2人の距離感が重要な「指定席」と、どことなくカラッとした感覚がする「夏物語」…と、これも対照的です。そのどちらも、もちろん結花乃さんのうた。いろんな姿で魅せることができるのも、2019年のいまだからこそなんだろうなと思います。
当然の如く起きるアンコールに応えるべく、グッズのTシャツ姿に再び着替えられると、ラストはやはりこの曲です。
14;ハクモクレンの木(未発表曲)
あるとき、音楽活動に行き詰まって帰省された際に、実際にご実家の近所にあったハクモクレンから着想を得た、もとはご自身のための応援歌。なので、極力「頑張って」といった直接的なコトバは使わないうた…。
以前のレポートに、「公開されているこの曲のMVでは、幾分軽めの味付け…」などと書いたような気がしますが、あえて重たくならないようにした、というのが本当のところかもしれません。これからも、このひとが内に秘めた決意を、聴くたびに再認識することになるに違いありません。
アンコールを含めて2時間余りのステージは、あっという間。あらためてこのひと、結花乃さんのさりげない凄さを感じるものになった気がします。この先も、まだまだお楽しみが続きそう。そしてそのとおりになりますように。
ありがとうございましたぁ。