スリリングで面白くて爽やか 波多野伶奈さん・江益凛さん@新宿(舞台「いざ、生徒総会」6/16昼) | まるゆいのおと日記(ですよ)

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本業は天気屋の私、まるゆいの'行動記録'的なもの。もっとも、多いのはライブレポ♪、次に旅のはなし(でありたい...)。
どうぞごゆるりとお楽しみください。
※コメントは承認制にしております。ご了承くださいませ。

どれも、いまの政治に欠けてるもの…というか、わざと逆のことをやっているかのようにも見えてしまいますプンプン。少なくとも、国会とかいうところを仕事場にされている議員さんだったら、こういった感覚を辿ってきたことがあったはず…と思うのは、ちょっとお人好しすぎるんでしょうかねぇ…。
特に、政権与党の某J党の某A首相。攻めきれない野党のほうが情けない…などという論評を時折目にしますが、その前に、何もかもはぐらかす一方の(ように当日記筆者には見えてしまう)某A首相のセコさ?を先にどうにかしてほしいと思っていたりしますムカムカ


さて、”普遍”と書いた奥華子さんのステージに続いては、16日の日曜日、新宿の小劇場でのこちらの舞台。いわゆるセコいなどと思わせるようなものとは全く無縁の世界ですキラキラ




5話短編集と案内されていますが、事実上5話ひとまとめで一つの物語。舞台となるのは「県立国府台高校」。あれ、京成線電車に国府台駅があるな…と思っていたら、この駅が最寄りである、実在の千葉県立国府台高校がモデル(作者の冨坂友さんの出身校とのこと)。もちろん、脚色は多分に入っているにしても、実際にあったとされる、文化祭や生徒会にまつわるできごと(伝説…と化しているそうですが)がもとになっているそうでして。そこに、現代の諸問題を織り込んだ構成になっています。

そして、こちらがご出演の皆々様…




配役が書かれていませんが、原則、劇中のお名前=役者さんのお名前ですので、ひとによっては結構素のまんまっぽい役柄が振られていたりします。当日記筆者の事前のお目当てな方としては、波多野伶奈さんが3回目、江益凛さんが2回目の登場となります(お二人とも、前回はことし2月の舞台「Magnum Opus」)。

人気の公演らしく、この回、16日昼公演の客席はほぼ満杯。フロアが舞台で、客席はこれを取り囲むように3方向に設置されています。筆者は入り口側、つまり舞台正面に向かって左手に陣取ります。

ことは、生徒会長による「制服自由化運動」が発端。校則諸々の規定で、制服についての文言がある以上、その内容を変えるには、ちゃんとした手続きを踏まねばならず、この「県立国府台高校」では、最終的に「生徒総会」での可決を経なければいけない…という流れです。


【第1話「私の好きな制服」】
【第2話「私服デート」】
第1話には、制服のスカートに抵抗がある女子生徒が、
第2話には、LGBTの男子生徒がそれぞれ登場してきます。
筆者が高校生だった時代であれば、「変な人」の一言で片付けられてしまっていたのかもしれませんが、現代では、もちろん避けて通れない、重たい課題であります。

しかし、ここはあくまでも高校の中。
第1話には、舞台である「県立国府台高校」の生徒会のシチュエーション紹介を兼ねた、男女の生徒会役員のちょっとすれ違い気味?なラブコメディーピンクハートと、赴任してきたばかりで、この雰囲気にまだ戸惑い気味の先生が、なかなかその抵抗を受け入れられない様子が綴られ、
第2話では、この男子生徒がLGBTであることを、周り(といっても、まずはこの男子生徒の彼女)が受け入れていく過程が綴られています。

生徒会長の池内理沙さんの、いかにもみんなの憧れの美人さんという出で立ち、そして真面目に可愛かった江益凛さんの女子高生姿(この凛さんと古谷蓮さんとの生徒会室でのやりとりが、第1話の見もののひとつ)にまずは目を奪われながらラブ、第2話では、堀ノ内翼さんと川口知夏さんとのカップルが、全体を通して互いに事実を受け入れていくところが、少し時間が経ったこの時点でも印象的ですキラキラ


【第3話「優しい監査」】
総会が近づくにつれ、賛成、反対両派の活動が活発になっていきます。
ここで登場するのが、もう一人の主役「監査委員長」。その名の通り…ではありますが、とにかくこのひとの許可が下りない限り、そしてその証拠としての印章OKが押されていない限り、ポスター1枚張れない!という徹底ぶり。この絶大な権限…、脚色の結果、そういった部分がより目立つように描かれています。

しかし、監査委員長も生徒の一人であることから、互いに両立しない多方面からの意見という名の圧力に、戸惑いを隠しきれません。これを演じるのは大和田あずささん。地味めの制服姿で、その葛藤を表しているようです。もっとも、いったんスイッチが入ると、怒涛のパワーを発揮するというところで、バランスをうまく取っているようでもあり。未チェックで配られていたポスターに全て印章を押すぞ!!というシーンがあるのですが、ちょっぴり筆者の現在のお仕事に通じるところがあるもので、どことなく感情移入^ ^。
また、見習い役の竹田優哉さんのくどいまでの堅物ぶりが、ここではコメディとしてのいい材料になっていますてへぺろ


【第4話「制服廃止運動反対について考える会」】
なんともややこしいお題ですよねもやもや。劇中でも演者さんが首をひねるシーンがありますが、確かにややこしくて紛らわしいです、ハイ^ ^
そのややこしい題名にひっかかり?”制服自由化反対派”の集会に入ってしまった、”賛成派”の男子生徒。このひとを入れた6人の集まりは、この生徒のほか、いかにもやり手?な、この場を取り仕切る”反対派”の女子生徒に、対照的におとなしそうな女子生徒、さらには若干強面っぽい姿をしている男子生徒3人。。。
”反対派”:”賛成派”は、みための通りで行けば5:1、だったはずが…

原点?に立ち戻ったせいなのか、はたまたみんなややこしいお題に引っかかった?せいなのか、それとも、本音はこうだったのか…

いつのまにか“反対派”:“賛成派”は1:5に逆転してしまいますびっくり
この口火を切るのが、台詞は少なめ。。。な波多野伶奈さん。可愛らしい制服姿でスカート、おとなしそうに話しを切り出すと、男子諸君がコロっと伶奈さんに寝返りラブラブ(笑)。あくまでコメディーという作者さんの言のとおり、場内は大爆笑に包まれていきます。前回、透明感うんぬんと書いたような気がしますが、今回は「そう来るか!」という感じ。まだまだいろんな味付けの伶奈さんを見てみたいものですグッ


【第5話「いざ、生徒総会」】
タイトルチューンの最終話。ここでは、すべての出演者が一堂に集い、さらに一部の演者さんは客席の中に陣取っています。
総会そのものから始まるのかと思いきや、舞台は投票鉛筆が終わり、”自由化する”ことに決まりかかったところから。投票結果は、過半数には達したものの、”圧倒的多数”ではありません…。

この展開は、入りとしてはちょっと予想外。ですが、制服自由化に賛成・反対の両方の立場の意見に一番向き合ってきた生徒は、監査委員長ただ一人…となると、なるほどという感がしますひらめき電球

ここで、あずささん演じる監査委員長は、自分の役回りに対して誠実に、”重要議案”として慎重に扱うように求めます。当然、場内は騒然となります。何しろ、“過半数”は賛成票なわけですから。
一方、自由化運動を切り出した張本人である生徒会長は、さらに聡明な雰囲気を醸し出し、なんとか場内を説き伏せようとするのですが、最後に繰り出したカードは、なんと“監査委員長を「解任」する動議”。騒然どころか、凍りつく場内ガーン

しかし、この“圧力”にも、監査委員長は屈しません。この姿に接した場内からは、やがて、ちょっと待って、会長さん…という雰囲気に変わっていきます。
そうしてぶつかり合った結果は。。。


場面が転換すると、生徒会長はまだ制服のまま…
そして、”生徒会長”という肩書が取れています。
そう、自身にも解任決議案が突き付けられ、それを受け入れていたのです。
全員が制服であるところから、自由化そのものも通らなかったのでしょう。

でも、そこにいやらしさはありません。”最終決着”らしきシーンは、筋書きには登場しませんので、そこは確かに脚色なんだろうとは思いますが、それでも、ちゃんと、まっとうな流れに沿って、事実を受け入れた生徒たちの姿が感じ取れたから…に他なりません。最後はむずかゆいくらい爽やかお祝い。このエンディングにも、「そう来るか!」という感じがいたしました。


ここから、このひとは素敵だった…と書き始めると、さらに終わらなくなってしまいますので(笑)、端折ってしまいますが、一言で言えば、とにかく皆さん素敵というのが率直な印象。2時間少々という上演時間があっという間に感じられました。
そして、ちょっぴり風刺の混じった現代的な課題への問いかけでもあったと思います。もちろん、面白くてってのが第一にありますが。いずれにしてもこのシチュエーション、存分に楽しませてもらいました。

みなさんありがとうございましたぁニコニコ