一応、旅といえば汽車旅派…な、筆者まるゆい。
昨年、スマートフォンに、このような乗車路線記録用のアプリケーションをインストールしました。
まぁ、この手のアプリは、ある種マニアックなところがありまして、例えば、京浜東北線を上野→品川と乗った記録は、東京で区切って記録しないといけない(上野~東京間の東北本線と、東京~品川間の東海道本線)というシロモノですが、ちょこっと記録しておくにはまずまずのツールです。
で、これを昨年秋にインストールしてから、そろそろ1年弱。自宅アパートからは京葉線の駅が至近距離となった今は、バスが通じている総武線はともかく、京成線にはほとんど用がなく、わずかに志津(Sound Stream Sakuraの最寄り駅)に行ったときくらいしか使っていないことが分かります。平たく言えば、京成上野駅の真上あたりの西郷さんの銅像は、まったく見ていないことになるわけですね。
さて、千葉市に住んでいては、どうしてもこのような状態になってしまう路線の一つが、西武線。首都圏に来てもう20年ですから、少なくともどこかの区間は乗っていると思われるのですが、ここ1年くらいでみると、やはり乗っていない…。ということで、このアプリに”新規乗車”と記録して、練馬区は関町(武蔵関)まで、ちょっとお出かけ。
南口側にアニメの制作会社が集中しているせいか、駅ナカにも「アニメの町」らしき看板がありましたが、目的地の”パラレルワールド”に通じる北口は、このような閑静な住宅街…というか、団地です。
歩くこと約5分。すると、突如として、小屋然とした建物が現れます。
こちらが、その”パラレルワールド”が展開される建物。”パラレルワールド”の主は、yucatさんであります。
周囲の団地群と比べても、実際にも”パラレルワールド”といったところ。練馬区で今年初の猛暑日だったこの日(7月3日)は、筆者も暑さ対策で、旧デザインのグッズTシャツを着てスタンバイしていましたが、そういった姿は、序の口も序の口。
この日、ちゃんとテーマに合わせた身なり…というか、衣装を頑張って着てきた人々の一部が、”クローンyucat”として、ステージを飾るとあって、なんだか気合が入った開場前のひとだかりになっています。
そのせいなのか、yucatさん・加藤有加利さん主催のステージでは恒例の運試し、ガチャガチャは、開場を前にすでに空っぽ…。
ということで、同様に”くじ引き”っぽくなっているチェキの袋を、おみくじのごとく1枚引いてきました。結果は”はずれ”…ぢゃなくて、ちゃんとサイン入りのチェキが入っておりました。
で、おもむろに舞台へ…。
客席は3面。正面とフロア中央が空いていて、そこがステージ。筆者も、ここではこのように、ステージを観戦する”貴族”になります^^;
ちなみに、最前列のひとは”王族”らしい…。やはり、劇場一つを貸切にしただけあってか、手の込んだ作りです。終演後の説明では、ローマのコロシアム風…ということでした。たしかに、世界史の教科書か何かでみたような…
その、コロシアムで繰り広げられる物語。”パラレルワールド”に存在する3つの国(光の国、闇の国、希望の国)が、年に一度、一緒に行うお祭りの日という設定。その席上、すべてを闇にまみれさせようとする勢力を、yucatさんが騎士よろしく戦って、解放する…というものです。
闇へのスイッチを入れる魔女が登場したのち、まずは洋風コスチュームのままで、花魁のお作法を取り入れたミュージカル風のうたで始まります。和傘を使った演技。ダンサーを引き連れたyucatさん。唄とともに、切れ味鋭い演舞の踊りも見どころ満載でした。
物語が進むにつれて、”闇”の割合が増していきます。切れ味鋭いダンサー陣の演舞はそのままですが、yucatさんの表情が(演技の上で)徐々に曇ってきます。これはやばい…を数回繰り返すと、やがて反撃のときを迎え…。
渾身のうたというより、やはり演技。ミュージカル女優・yucatとも言えそうなステージは、最後は再び平和が戻り、”3つの国が一緒になったお祭り”が進んで、ことなきを得たようです。
渾身の演技だったことは、この日、ダブルアンコールがかかったことにも表れています。ミュージカルの雰囲気が多分にした今回のワンマン。うたって奏でるところから大きく進んで、身体全体、舞台全体、そして関係者全体…で表現する、壮大なものになりました。
ちょっとそこまで…と足を踏み入れた場所は、さらに大きなパラレルワールドへの入り口でした。さらにおおきくなりますように。