”本来の姿”は”貴重な姿” … 関西電車旅2015年9月 | まるゆいのおと日記(ですよ)

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本業は天気屋の私、まるゆいの'行動記録'的なもの。もっとも、多いのはライブレポ♪、次に旅のはなし(でありたい...)。
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先日の「北斗星」のラストランで、少々落ち着いた感もありますが、廃止になる列車や引退する車両のセレモニーなどに集まり、列車を見送るなどの行為を、”葬式鉄”と言うそうであります。ニュースでも取り上げられるように、その当日というのは人だかりが過ぎて、”見送る”ような雰囲気ではないのですが、まぁ、そう言うそうであります

そんなわけで、”葬式鉄”のような騒々しい場ではなく、もう少し普通の表情を味わいつつ、本来、筆者まるゆいが少年の頃?に見るはずであった姿を見届けに、先月末の夜勤明け後、久々に私用で関西に行ってきました。当日記、今回はひとしきり”鉄”な話にお付き合い頂きたく(笑)

(乗車日は、9月25日夜~26日です)


で、夜勤明け後ということで、お休みは2日半。夜行便で関西入りすれば、強制的に夜勤→昼間の生活に戻るはず(笑)。ですが、いまや関東圏を行き来する夜行列車は、「サンライズ」のただ1往復。しかも、下りは、京阪神を通過した後の姫路まで連れていかれるとあっては、選択肢は夜行バスに絞られます…。
ということで、職場目の前の海浜幕張から夜行バス。シルバーウィーク直後とはいえ、金曜日の下り便ですので、指定された席は、3列シートの真ん中。しかし、運よく私の前後はともに空席でしたので、気兼ねなくリクライニングを倒せるのはありがたいです
海浜幕張→大阪駅は、約9時間半と案内されますが、そこから、西船橋→ディズニーリゾート2か所→東京→横浜と、0時前後まで客を拾っていきますので、そこまでは意識が飛んではまた起きての繰り返し。それでも、高速道路に入ると、走りがスムーズになり、4時間くらいは夢の中…。汗をかく夏場でなければ、まずまず使えそうではあります。

このように、明け方5時過ぎに一度起こされるのですが、それなりに気持ちのよい朝であります。
(草津PA)



さて、今回、最大の目的は、こちらを見届けること。 



「381系の」こうのとり号であります。元祖振り子特急…です。
その昔、筆者が住んでいた、京都は福知山に、”汽車”ではなく”電車”が走るとなったとき、この車両が来るのではないか、といわれていたものであります。さほど”鉄”ではない人でも、地元の人の間ではそういう期待があったと記憶しています。
しかし、時は1986年、国鉄→JRに変わる直前。端的にいえば”お金がない!”という理由で、当初はこの姿にはならず、別の車両があてがわれておりました。
そして、四半世紀を経た今、やっと本来の姿でお目見えとなったわけですが、こんどは”もう古い!”という理由で、今月末をもって引退…。ですので、”本来の姿”は、”貴重な姿”でもあるわけです

傾きをいくぶん少な目に調節しているので、いかにも振り子電車…という感覚はいまいちでしたが、まぁ、誰もが”もうない”であろうと思ったはずのこの姿。所々に”撮り鉄さん”がカメラを持って待ち構えていたくらいで、まだ静かなうちに見届けることができたのは、何より。



そうこうしているうちに、福知山着。とりあえず、ここで少し休憩するか…というのが最初の予定。しかし、向かい側の天橋立行きがこのような汽車でしたので、あっさりと予定変更(笑)。 


ということで、京都丹後鉄道の「あおまつ号」であります。JR九州の車両デザインで有名な、水戸岡鋭治さんのデザイン。ウッディな車内に、このようにカフェや、窓を向いたテーブルがあったりします。コーヒーと和菓子でしばしくつろぎの時間です。 


もっとも、土曜日の午前中で、立客までいるのですが、1両編成。ようは、地元のひとがほとんどいなさそうな雰囲気であります。ここ数年、全国の第3セクター鉄道の中でも、ダントツの大赤字という成績ですから、これで、多少なりともマシになってくれればよいのですが。


天橋立は、何度も訪れたことがありますので…


今回はちょっと見方を変えて、こちらへ。 


最近温泉を掘り当てた…というものではありませんが、「天橋立にも温泉がある」と売り出したのは、比較的新しい話だったかと。こちらの立ち寄り湯は、駅のお隣。お昼の開店直後は誰もおらず、湯船は貸し切り状態海がすぐそこなので、お湯は少ししょっぱく、お肌がすべすべになる感覚です



戻りは、天橋立(特急)福知山(高速バス)なんばで、大阪泊でありました。
行きは、このように貴重なものを間近にできたわけですが、戻りの車窓を見るに、厳しさも感じざるを得なかったというのが、個人的な感覚…
天橋立→福知山の30㎞余りで、午後の数時間は事実上特急しか使えず、運賃+料金で1400円余りというのは、ちょっと気になるお値段…
そこから先は、電車に比べて半額のバスを選択しましたが、福知山のもともとの市街地(駅から見て北側)に、人がほとんどいない光景を見つつの出発。どうやら、アベノミクスとか、地方創生とかは、少なくとも現時点では、かなりの大都市でない限り、無関係な話に見えてしまいました…


若干、感傷にも浸りましたので、この日の夕食は、威勢のよい串焼き屋で仕上げ、感傷を吹き飛ばしたのでありました