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カレーライス ライスカレー 違いとは

ノスタルジーを感じる“ライスカレー”という言葉。



ところで、カレーライスとライスカレーの違いって何なのでしょうか?

 

ライスカレーの時代を通過していないので、

 

どうも、よくわからないんですよね。。。

 

 

ですが、先日、

 

たまたま通りかかった古本市で

 

この問題を解決してくれる貴重な本を発見!!

 

勢いでGETしてみました。

 

丸善ブックスから平成11年に発行された『日本人と食べもの』。

 

 

食べ物に関するエッセイ集なのですが、

 

著者の田村真八郎氏は1930年(昭和5年生まれ)ってことで、

 

貴重すぎるかつての日本の風景が

 

エッセイの随所に散りばめられているのであります。

 

カレーライスの項ではこのように書かれていました。

 

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私の子供の時代はカレーライスではなくライスカレーの時代だった。

 

ライスカレーの時代にもカレーライスはあった。ライスカレーは大衆品で、皿の上のご飯にカレーがかけてあるもの、カレーライスは高級品で、カレーの方が、別の金属製の容器にいれられてウヤウヤしく運ばれて来るもの、というのが一般的な理解だった。そして大衆品のライスカレーはソースをかけて食べるもの、高級品のカレーライスの方はソースをかけて食べてはいけないものとなっていたように思う。

 

~中略~

 

一歳違いの兄と二人でライスカレーを作った思い出がある。多分兄もまだ小学生だった。父と母が結婚式の披露宴か何かに出かけたのであろう。母がジャガイモや肉やらを煮込んで下ごしらえがしてあり、後はカレー粉をいれて味付けするまでになっていた。カレールウはまだ出回っていなかった戦前である。夕方になってカレー粉を入れて煮たのだが、一向にいつものカレーのように粘稠(ねんちょう)になって来ない。兄弟二人で協議の結果、小麦粉をいれようということになった。そしていれたのであるが、突然、鍋の中のカレー全体がフワフワとふくれ上がって来た。小麦粉と思って入れた白い粉がふくらし粉だったのである。今では懐かしい失敗の思い出である。

 

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なるほど!カレーライスは由緒正しい高級品の洋食。

 

ライスカレーは皿に盛られた米にドカッとルーをかける大衆品で

 

ソースをかけてガツガツ食べる、

 

めちゃくちゃ庶民寄りのカレーを指していたのですね!!!

 

 

カレー作りの失敗談はとても微笑ましいものですが、

 

それ以上に、戦前の段階で、

 

ライスカレーという食べ物がすでにポピュラーになっていたことが

 

このエピソードから伝わってきます。

 

※こちらの本はAmazonだと中古でほぼ送料のみで買えます。文章のテンポが心地よく、カレー以外のエッセイもとっても面白かったのです。

 

 

 

 

カレーライスとライスカレー。

 

1955年(昭和30年)生まれの森枝先生はどう書いているのでしょう?

 

※森枝先生とはインタビュー企画で一度お世話になっているのです。

 

名著「カレーライスと日本人」の、

 

“カレーライスかライスカレーか”では以下のように書かれていました。

 

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カレーライスというと、わたしが子供のころ(というのは東京オリンピックの前後だ)はまだ、カレーライスかライスカレーかが議論になった。ふつうはライスカレーといったが、ちょっと「ハイカラ」派がカレーライスといった。ソースや醤油をかけるようなのはライスカレーで、御飯とは別の容器にカレーを盛ってくるようなのがカレーライスだったり、まあ諸説あり、というか皆好きなことをいいあったものだが、いつのまにかカレーライスに統一されていったようだ。

 

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田村真八郎氏よりも25歳若い森枝先生の時代も、

 

カレーライスとライスカレーのニュアンスの違いは

 

ほぼ一緒のようですね。

 

 

さて、森枝先生は本の中で

 

いつからライスカレーという呼び方になったのかにも言及しています。

 

明治5年刊、日本最古のカレーレシピが載っている

 

『西洋料理指南』では

 

「カレーの製法」という呼び方でカレーレシピが紹介され、

 

同じく明治5年刊の『西洋料理通』では、

 

「カリード・ヴィル・オル・ファウル」と、

 

英語表記をかな書きしてカレーレシピが紹介。

 

また、明治7年に新政府が出したという指南書は

 

「かれいらいすの作り方」となっていて、

 

ここまではライスカレーという言い回しは出てきていないのです。

 

明治10年頃になると、

 

ついにライスカレーという言葉が使われるようになるのですが

 

森枝先生は以下のように書いています。

 

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どちらにしろ、明治十年ころにいはライスカレーという表記があらわれているということである。そして、このいいまわしは猛烈な勢いで普及する。カエルのカレーも仮名垣式英語表記も、政府の「かれいらいす」も全部ふっとばされ、ライスカレーにほとんど統一されてしまう。

 

※カエルのカレー→「西洋料理指南」のこと

※仮名垣式英語表記→「西洋料理通」のこと

 

なぜライスカレーになったのかという問いに対する答えはない。カレーがさきにくるよりライスがさきのほうが語感がいいと思われたのだろうか。明治維新の世の中では日頃食べなれた飯でさえ「ライス」などというハイカラなものになって、カレーよりもライスのインパクトが強くなってしまったのかなどと推測はできる。

 

どれが正解というわけではないが、当時としてはライスカレーというのが新鮮だった、かっこいいと思われたのではないだろうか。そして、そのライスカレーということばが古臭く感じられるようになった時代に、カレーライスという逆転が起こったのだろうか。

 

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なるほど!さすがの分析ですね!!

 

記録としての答えはないものの、

 

ハイカラな響きが好まれた明治期では、

 

ライスという言葉がオシャレでカッコ良いものであっただろうと。

 

それはカレーというワードよりオシャレでカッコ良い響きであっただろうと。

 

カレーライスよりもライスカレーの方が

 

モダンでハイカラな響きがあり、

 

ハイカラな食べ物だったカレーライスは

 

いつしかライスカレーと呼ばれるようになった、と、

 

つまりは、そういうことなのですね!!!!

 

 

森枝先生の『カレーライスと日本人』を久しぶりに読み返したけど、

 

この本はクラシックなカレーライスという食べ物にまつわる

 

素朴な疑問に対して、ほぼほぼ全て応えてしまっている、

 

ものすごい1冊だなぁー、と改めて感服。

 

あとがきが更に追加された2015年版の文庫は

 

資料としてもオススメなので未読の方はぜひ読んでみてください。


※通販は→Amazon楽天ブックス

 

 

 

カレーライスとライスカレー。

 

改めて向き合ってみましたが色々スッキリして面白かったです。


今のカレーライスのようなリッチな感じはなく


ソースや醤油をかけて味を調えるライスカレー。


なんだか無性に食べたくなっちゃいました(笑)


勢いで作ってみようかな。

 

 

スパイシ~~♪♪♪




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