砂糖は その昔 スパイスの1つだった | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

砂糖は その昔 スパイスの1つだった

 

 

本日は砂糖の話を。


どうしてカレーブログで砂糖の話??

 

はいっ、普段、何気なく使っている砂糖ですが、

 

その昔、砂糖はものすごく高価な貴重品だったので、

 

中世ヨーロッパではシナモンやジンジャーなどと同様に

 

外国産の珍しいスパイスとして扱われていたんですよね!!

 

※この時代の甘味料は蜂蜜。砂糖はものすごい高価な貴重品だったので食べ物に使われることはほとんどなく、もっぱら医療用。お金持ちにしか処方されなかったようです。

※精製技術がまだ確立されていなかったため特有の風味もあったようです。

 

 

アンドリュー・ドルビー著「スパイスの人類史」を

 

改めて読んでいるのですが、

 

砂糖のトピックが、何度読んでも面白いので、

 

本より抜粋してお届けしてみたいと思います。

※本は中古品しかもう出回っていないようです。

 

 

さて、砂糖の原料となるのはサトウキビですが、

 

この作物は人間による栽培から生まれた種のようです。

 

 

原種は中国南部に自生する竹蔗であると考えられていて、

 

各地で広まっていく中、5000年ほど前にフィリピンで変異がはじまり、

 

今に繋がるサトウキビが誕生、北は生まれ故郷の中国、

 

東はニューギニアおよび太平洋の島々、

 

西はインドネシアとインドへと広まっていくことになったのでした。

 

※サトウキビの原産地などは他の解釈もありますが、このエントリーでは本に書かれてあった内容をベースにしています。

 

 

サトウキビから採れる甘蔗糖はもともと甘い液体。

 

その美味を味わいうためには搾ってその汁を飲むか

 

茎を噛んで汁を吸うしかなかったわけですが、

 

やがて甘蔗糖を貿易のために加工処理する方法が開発され

 

その形状もシロップから塊状のもの、結晶化させた粉砂糖、

 

さらに生成して結晶化させた白砂糖という具合に

 

時代を経てだんだん扱いやすいものになっていきます。



シロップの作り方はきわめて簡単。

 

サトウキビを搾った汁を天日にさらし数日かけて水分を蒸発させるだけ。

 

紀元前2世紀の中国ではすでに知られていて、

 

南方から輸入される高価な贅沢品だったようです。

 

このシロップの水分をさらに蒸発させてできたものが

 

塊状の砂糖(中国では石蜜)でこれも中国南部で作られていたようです。

 

 

西洋でもこの素晴らしい甘い液(シロップ)のことは

 

紀元前200年頃から知られていて、

 

ギリシャの地理学者エラトステネスがその地理書の中で

 

インドに生えているめずらしい植物として紹介しています。



ここで中国ではなくインドという国が出てきますが、

 

実は粉砂糖を発明したのは、

 

つまり、“粒のそろった砂糖の結晶”を作る方法を編み出したのは

 

なんと、インド人だったのであります!!

 

ギリシャ・ローマの時代からインドは砂糖の国として知られ、

 

長い間、インドは世界で唯一の粉砂糖の供給源だったんだとか。

 

5世紀頃にはベトナムや中国南部でも作られていたようですが、

 

質ははるかに劣っていたようなんですね。

 

そんなこともあり、

 

中国は粉砂糖をシルクロード経由で輸入していたのですが

 

途方もなく高価だったのです。

 

 

しかし、転機が訪れます。

 

玄奘(三蔵法師)のインドへの旅により、

 

647年にインド北部のマガダ王国の親善使節が

 

中国皇帝の許を訪れることになったのです。

 

そこで皇帝は(高価すぎる)砂糖の問題を解決するべく

 

技術援助を依頼してみたところ、友好的なマガダ王国は快諾。

 

中国が派遣した調査官を受け入れ、全てを教えたんだそうです。

 

調査官が帰国すると、中国南部からサトウキビを取り寄せ、

 

教えてもらった技術をもとに粉砂糖を作ることに。

 

こうして誕生した中国産の粉砂糖は、色も味も、

 

シルクロード経由のものより遥かに優れたものとなりました。

 

さらに、精製法の開発によって砂糖作りは飛躍的な進歩を遂げ

 

8世紀には不純物を取り除いて蔗糖だけを残した白砂糖が生まれ、

 

中国では糖霜と呼ばれるようになったのです。

 

 

時は流れ、マルコポーロの時代。

 

インドは変わらず、

 

塊状の砂糖(シュガーキャンディー)の産地として有名でした。

 

大航海時代に入るとヨーロッパの貿易商たちは

 

インド産の大量のシュガーキャンディーを扱うようになりますが、

 

やがて中国南東部で生産される生成した粉砂糖は

 

もっと質が良い!という結論に達するのです。

 

そんなわけで、16世紀にはインドに代わって

 

中国がヨーロッパ向け砂糖の輸出大国となり、

 

大量の砂糖がヨーロッパの貿易船で運ばれることになるのでした。

 

 

さて、中世に入ってサトウキビの栽培は徐々に西へと広がり

 

1000年には中東やアフリカ東海岸まで達していました。

 

1500年頃には新しい植民地に

 

次々とサトウキビのプランテーションが作られ

 

特にカナリア諸島と西インド諸島は代表的な砂糖生産地となります。

 

もちろん砂糖の精製技術も手に入れ、

 

各地で上質な砂糖が作られるようになっていくのです。

 

 

砂糖の栽培と製造への投資は増加の一途をたどっていましたが、

 

砂糖プランテーションはおびただしい数に上り

 

あり余るほどの砂糖が生産されるように。

 

17世紀にはついに世界市場の価格が急落、

 

それから砂糖の価格は一気に下落していくことになります。

 

砂糖の価格は17世紀の大暴落以降、元の水準に戻ることはなく、

 

庶民が気軽に使える

 

ごくありふれた安価な日用品となっていくのでした。

 

 

近年、悪者にされることが多い砂糖ですが、

 

スパイスとして扱われていた中世ヨーロッパでは、

 

医療用の高級品として大変大事にされ、

 

当時、ヨーロッパでは当たり前な存在だった蜂蜜が

 

逆に現代では健康食品として重宝されているから不思議なものですね。

 

 

古代インドの医学書「チャラカサンヒター」では

 

砂糖の様々な効能が述べられていて、

 

いわく、サトウキビの汁は食欲を増進し、消化を助け、

 

便秘や腸の疾患にも有効であるんだとか。

 

何事も大事なのはバランス。

 

安易に悪者にはせずに、


ありがたみを感じながら砂糖をいただきたいと思います。



スパイシ~~♪♪♪




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