2019韓国・釜山シリーズ、第2回です
前作では、甘川文化村や、広安里・海雲台のビーチをご覧頂きましたが、今作では当別荘韓国作初の、本格的(?)寺院訪問をしてみたいと思います。ではスタート
前作ラストの海雲台から、地下鉄で一気に北郊の山間部まで行きます
地下鉄1号線、郊外へ進むと↑地上区間になります
1号線・梵魚寺(ポモサ)駅で下車。
これから、この駅名のお寺へ行くんですが・
その前に、前作で書いてなかった釜山の地下鉄について纏めます
釜山の地下鉄、"市営都市鉄道"は、2019現在、1~4号線まであります。この1号線は1985年開通、長年釜山には、1号線だけしかありませんでした
21世紀に入ると延伸が急速にすすみ、2~4号線も開通。2019現在、前作で出た釜山金海軽電鉄(※別会社運営)や、KORAIL運営の路線(※東海線)を合わせれば計6線あり、350万都市にふさわしい交通ネットワークが形成されつつあります
2019現在の路線総延長は約160kmだそうで、人口や街の立ち位置が似ている大阪メトロの約140kmと比べてもほぼ同規模。大阪の地下鉄は80年以上の歴史がありますが、釜山はその半分以下の開業30年余で、大阪の距離を抜いた事になります
ちなみに、観光客がよく使う事になるのは1号線と2号線になると思います。1号線はこの梵魚寺をはじめ、前作で出た繁華街の南浦やチャガルチ、KORAIL釜山駅等の主要地点を網羅しています(※なので最初に開通した)
2号線には、海雲台駅や広安里ビーチ、金海軽電乗換駅のササン駅等があり、この2路線を乗りこなせば釜山観光はほぼOKです^
1号線/2号線の乗換駅は西面(ソミョン)駅で、この駅名は暗記しておくと便利でしょう
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↑梵魚寺駅・地上に出ました
これから行くのは駅名の通りで、梵魚寺(ポモサ)というお寺です。
釜山一の名刹と言われています。
駅入口の横の標識には・
『寺まで3km、但し寺へのバス停まで0.5km』
よし、バスで行こうw
駅から7~8分程歩くと~
↑梵魚寺行のバス停があります。
日曜だったのもあり、沢山の人が列をつくっています
バスで約15分程、山の中腹で降ろされました
ここから緑の石段を登って、梵魚寺へむかいます
日本の寺社でもよく見かける"下馬"(※ここで乗り物を降りよ)
ちなみに韓国でも、お寺ではハングルではなく漢字の世界です。
そして、しばらく歩くと~
↑特徴ある山門が現れました。
曹渓門(チョゲムン)といいます(※国家宝物指定=韓国の重文級)
柱が1列に並んで立つのが印象的で、”一柱門”とも呼ばれています。
案内掲示は、↑韓英日中4カ国語あり
すすむと、↑さらに門が・
"天王門"
この門は2010年に火災で惜しくも焼失、現在の門は復元です。
門の名の通り、両脇には4体の四天王が見守っています。
さらに奥には、3つ目の門が・
"不二門"です。
本堂へ辿り着くまでに3つの門をくぐり、次第に身も心も浄域に入ってゆきます。
不二門をくぐると、↑普済楼という建物がみえてきますが、これはまだ本堂ではありません。この奥にあります
すっきりとした青空が広がってきました
普済楼の下をくぐり抜けて、本堂のある広場へ
↑が梵魚寺の本堂、大雄殿です(※国家宝物指定)
大雄殿と普済楼の間の広場では、↑なにやら行事というか説法会(?)をやっていて、沢山の善男善女^が座っていました
雰囲気は厳粛というより、講師の僧(だと思います)の話がなんか面白いみたいで、度々笑い声が起こって盛り上がっていましたw
創建は7世紀と伝わり、韓国仏教の禅宗のお寺です。
仏教といえば、インドで生まれ、タイや中国大陸を経て、さらに朝鮮半島を通り、そして海を越え日本へ・、というご存知の通りの伝播ルートですが、韓国仏教は支配国の変遷や度重なる戦乱、そして李氏朝鮮時代の抑圧等もあり、まさに茨の道を歩んできたといえます
現在の韓国は、仏教よりキリスト教徒のほうが多く、クリスマスが国の祝日になっている程で、日本の仏教とはやや違った経過を辿ってきています
本堂の脇には、韓国のお寺には欠かせない、パゴダ(仏舎利塔)があります。
↑三層の石塔パゴダ、こちらも国家宝物です
本堂の左右には、七堂伽藍が建ち並びます。
さすがは釜山一の名刹だけあって、見応え満点のお寺でした
本堂の裏手には、↑山からの湧水がひいてあって大人気w
こういう光景は日本と同じです
近々屋根の葺き替えをするみたいで、↑瓦の寄進を募集していました。寄進者は瓦の裏に名前を記入、これまた日本と同じ事やってます
前述の通り、今ではキリスト教のほうが隆盛な韓国ですが、仏教もしっかり根を下ろしています。悠久の歴史を秘めた美しいお寺、梵魚寺(ポモサ)でした
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次は~
梵魚寺駅から再び1号線に長々と乗り、中心部の南浦(ナンポ)駅へ
時間は昼過ぎ、駅地下の商店街も賑わっています。この付近は衣料品店が多いようです
これから行くのは、↑案内板も出てますが、『影島大橋』です。
釜山へ来たらこの橋は見学必須との事なので、見に行ってみます
橋は南浦駅から近く、対岸にある島、影島(ヨンド)とを結んでいます
見えてきました!
↑少しわかりにくい写真ですが、橋の手前に遮断機のような棒があります。この橋、毎日15分間、通行を遮断するんです。
なぜかというと・
橋のたもとには↑沢山の観光客、観光案内所もあります
この橋、これからご覧頂きますが、韓国唯一の『跳開橋』、大きな跳ね橋なんです
橋のたもとに僕も降りてきました。
↑影島大橋です
全長約200m、日本時代の1934年に完成しました。そのうち可動部は、本土寄りの約30m程です。
↑写真は、本土側から影島側を望んでいますが、影島側も市街地で沢山の人が住んでおり、対岸にも高層ビルも林立しています
橋のたもとに沢山の観光客、橋が跳開するのを今か今かと待っていますw
橋の跳開時間は、毎日14時からと決まっています
そして・
14時になりました!
サイレンが鳴り響き、待ちに待った跳開時間です
橋面の上では、係員さんによって↑長~い遮断棒が閉じられてゆきます
降りてゆく遮断棒、これから15分間、車・歩行者とも通行止です。
その後、可動部が~
橋面が、↑ゆっくり上がり始めました!^
"ウィ~ン"と上がっていきます
↑片側(※本土側)にだけ跳開する形状です
アジア各国から来ている観光客、大喜びでシャッターを押すw
まだまだ上がる!
既に45度以上は傾斜しています
僕の目測ですが大体、地平から60度近くでしょうか、そこまで跳ね上がって、ようやく橋面は動きを止めました^
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次に、橋面の上を見てみます。
再び橋面に登ると、↑バスやタクシーを含む車、バイク、歩行者が全てストップして待っています
こりゃ不便だと一瞬思う光景ですが、影島への橋はこれ以外に3本あり、地元の人は"この橋は観光名所"とわかっているので、急ぐ場合は他の橋を利用しています
橋の上も、↑観光客で大変な状況にw
1日15分だけ楽しめる、車道の真ん中での記念撮影
跳ね上げ時間は約5分間、短い撮影タイムを楽しんでいます
跳開橋は本来、橋の下に大型船の航路があるため造られましたが、釜山港では現在大型船がこの橋下を通る事はなく、観光のためだけに毎日15分開閉しています。
釜山市の観光にかける本気度が窺えます
それにしても、終日激しい交通量がある影島大橋、真っ昼間にピタッと通行止にしてまで観光客を誘致するとは"凄い"の一言です^
跳開状態から5分経ちました。
これから再び橋面が動き、元に戻ります。元に戻る様子は、動画を撮ってきてますので↓ご覧下さい(※youtubeに遷移します)
https://www.youtube.com/watch?v=uK4m_Riz7DU
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時間的には、跳ね上げ5分、跳開状態5分、復元5分の約15分というところでしょうか、繰り返しですがこれを観光のためだけに、平日を含む毎日やってるんです(驚)
前述の通り、戦前の日本時代に造られた影島大橋ですが、跳開機能は1966年を最後に使われなくなりました。その後、並行して新しい橋も出来、近年はさらにバイパスの橋も開通
この古い橋は、撤去も検討されたとの事です。
しかし市民から保存運動が起き、釜山市議会でも保存か解体かで激論の末、最終的に保存が決まったとの事。
決定をうけ、市は補強&跳開機能復活の工事に着手。2013年、47年ぶりに再び跳開をはじめました。現在は釜山市の文化財にも指定されています
ここで余談ですが、僕は日本で"跳開橋"といえば、東京・築地の"勝どき橋"が思い浮かびます。この勝どき橋も戦前からある有名な橋で、国重文にも指定されていますが、ご存知の通り、現在跳開機能は使われていません。調べてみると、1970年を最後に停止したままだそうです。
勝どき橋も、来年のオリンピックを記念して、跳開機能を復活してみたらどうだろうか?という事
もし実現したら、銀座やお台場からも近く、人気の東京新観光名所になる事間違いなしだと思います
勿論交通量も多く、釜山のように毎日昼間開けるのは無理でしょうけど、例えば土日の朝だけ開けるとか、時間は検討したらいいと思います。40年以上使ってないという事で、橋面や機械の再整備が必要になりますが、韓国に出来て日本の技術で出来ない筈がありません。現にそういう運動も起こっていて、試算だと整備に数億円かかるとの事ですが、そこそこの国の国家予算並の財政規模を持つ都なら出来るはずです。是非検討してほしいなぁと思います^
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今作ここまでです!
次作では、跳開橋を渡って、影島へ行ってみたいと思います。
その他、釜山の街をダーッと廻り、次回で最終回となります。お楽しみに^
(※2023.9 文一部修正)