vol.193 大阪・天王寺2題 “新旧の塔” あべのハルカス &四天王寺・五重塔 | 旅ブログ Wo’s別荘

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 突然ですが、

”日本一高いビルは?”、といえば・ひらめき電球

 

僕の世代だと、子供の頃は36階建の『霞が関ビル』でしたが(古)あせる、これは高度成長期の頃の話。1970年代に入ると新宿副都心の高層ビル群が造成され、『京王プラザ』がしばらく日本一だった時もありましたビル

 

その後80年代は池袋サンシャイン、90年代に入ると横浜ランドマークタワーが、次々トップの座を更新王冠1

以来長らく、”日本一高いビルは横浜”というのが定番でしたが・

 

しかし昨年(2014)久々、約20年ぶりに日本一高いビルのランキングが塗り替えられましたベル

しかもその座は初めて関東から離れ、大阪へ!

 

天王寺駅に隣接した近鉄・阿部野橋駅前に昨年完成した、

『あべのハルカス』です^虹

 

展望階はオープン当初は予約制、その上連日大混雑との事だったのでしばらく様子見だったんですが、最近予約なしで入れるようになり、そろそろ行ってみようかという事で、先日登頂(?)してきました男の子

 

それと、せっかく天王寺へ行くので、当地にある日本有数の古刹へも訪ねました。ではスタートです^グッド!



梅田や難波と同じく、大阪の玄関の一つ、JR天王寺駅へやってきました^ドア

なにわを廻る赤い円、↑大阪環状線と~リサイクル

和歌山へ走る青い足、↑阪和線もここから出ていますが・波

今日の主役はJRではなくこちら、↑天王寺駅と道路を挟んで南隣にある、近鉄百貨店です^プレゼント

このビルの1階に、近鉄あべの橋駅が入っています電車

(※↑の道路・あびこ筋の北側が天王寺区、南側が阿倍野区)

 

関西以外のかたから「天王寺とアベノってどう違うのか?」と時々聞かれるんですが、そんなに違いありませんw。要は『一体化している隣町』です^おひなさま

この道路の上、JRと近鉄の間は昔から歩道橋で結ばれています走る人

”隣接しているJRと私鉄で駅名が違う”というのは大阪ではよくあるパターンなので、関西人には違和感ないんですが、旅行等で初めて来た人は戸惑う事もあるようですあせる

 

かつては”路上ライブの聖地”とも呼ばれ、コブクロもここで歌ってメジャーへ旅立っていったあべの歩道橋ですが、ハルカスのオープンに合わせて屋根が付く等リニューアルされ、現在はここでの路上ライブは禁止されているとの事。かつての大阪らしい雑然とした雰囲気は無くなって、少し寂しい気もしました汗

この歩道橋から、↑通天閣も見えます^東京タワー

そして、↑”日本一高いビル”と誇らしげに書かれた、近鉄百貨店の看板目

近鉄百貨店そのものも、ハルカスビルのオープンと共に『あべのハルカス近鉄本店』に改称されましたプレゼント


あべのハルカスのビルですビル

 

高さ300mちょうど(※横浜ランドマークは296m)、あまりに高すぎて駅前の歩道橋からは撮れないため、↑の写真は後程訪れる四天王寺から撮ったものですカメラ

 

ハルカスは60階建。低層階は近鉄百貨店、中層階はオフィス、高層階には都ホテルが入っています(※都ホテルは以前、一番上の写真のJR天王寺駅ビルの中に入っていた)



展望階へ入館です^

百貨店入口とは別に、↑展望階専用入口がありますドア

先程の歩道橋から↑導線が引いてあるのでわかりやすいです。

オープン当初はここに、長蛇の列が出来ていたと思われますヘビ

導線に従って歩いていくと、まずは↑2階にあるチケット売場に着きます。

ここで展望階チケット(※1500円、2015当時)を購入し・

2階から展望階直行エレベーターで60階へ!とはなっていないんですあせる

 

まずは16階まで行って(※↑は16F)、チケットの改札を受け、そこから展望階行のEVに乗換えるという段取りですロケット

”高いビル”といえば一昨年、2013年に訪ねた台湾の『台北101』(vol.133)を思い出しますが、台北101同様ここも、エレベーターはシースルーにはなっていませんでした。超高層ビルのEVでシーズルーにするとコワ過ぎるんでしょうかあせる

↑写真はドア横にある高さ表示の画面、瞬く間に上昇していきますロケット

 

エレベーターが最上階に着き、ドアが開くと~

お~

広々としたロビーが目の前に・目

窓の外には~

お~

これまで見た事ない視線からの、なにわの街の眺望です^目

梅田の高層ビル群も、↑模型のように見えます飛行機

”大阪で一番高い塔”の通天閣も、↑の通りハルカスからは"見下ろす"位置に・UFO

(※通天閣は高さ108m)

窓には四方に、↑方角や著名地点を示すシールも貼られていて、初大阪の人でもわかりやすく見学できますサーチ

東京スカイツリー等、最近高層の塔必須(?)の、床がガラスになっている部分^あせる

↑高さを実感するにはこれが一番ですがw、高所恐怖症の人にはヤな設備です(笑汗)叫び



この後訪ねる、↑四天王寺の境内もハッキリと見えました。

↑は東側からですが、このハルカスの下から出ている近鉄南大阪線と、JR阪和線がクロスしている様子もハッキリとわかります(※上が近鉄)電車

南の窓からは、↑奈良方面へ延びる阪神高速・松原線が目立っていましたハチ

この高速下を、地下鉄谷町線が走っています地下鉄



↑西を見ると、大正区の木津川に架かる通称”めがね橋”

大阪に住んでた頃、仕事でよく渡っていましたメガネ

さらに望遠で↑西方向を撮ると、大阪湾に架かる『港大橋』(※阪神高速湾岸線)&南港にそびえるWTCビル(※現在は大阪府咲洲庁舎)が見えます。

ハルカスが出来るまでは、↑のWTCが大阪で一番高いビルでした(高さ256m)クリップ

 

なお余談ですが、今作編集にあたりググったところ、↑のWTCと、関西空港の対岸にあるりんくうゲートタワービルが、

2015現在では日本高層ビル高さの3位と4位にランクインしていて(※1位はこのハルカス、2位が横浜ランドマーク)、我が国ビル高さベスト5中、3つを実は大阪が占めている(※2015現在)という事になりますひらめき電球

”高層ビルといえば東京”のイメージがありますが、意外な感じがします^

近隣の商業ビルの屋上駐車場に書かれた、↑ハルカス展望客へ歓迎の文字サーチ

再びビル内ですが、58階~60階が展望フロアになっていて(※下からのEVは60階に着き、帰りは59Fから乗ります)、展望層内の上下はエスカレーターを使いますが、その全貌をこれから見ていきます目


↑3階ぶんの西側半分位が吹き抜けになっていて、その周囲の窓際のところを回廊状に見て回るようになっていますペンギン

吹き抜けの真ん中に鎮座している熊は、ハルカスのゆるキャラ、『あべのベア』です^クマ

そして、展望ロビーで↑目にとまったポスター、”ヘリポートツアー”

 

一定以上の高さのビル屋上には“非常用のヘリポート”が大抵ありますが、そこへ昇れるガイドツアーがあります。

僕が知る限り2015現在、我が国の高層ビルで常時これをやってるところは他にありません。しかも日本一高いこのビルで・

 

別料金500円で参加できるとの事なので、行ってみることにしました男の子

展望ロビー内の受付で申し込むと、↑チケットと共に専用のロッカーを貸与され(※カメラ以外の荷物は全て預ける)、集合時間を指示されます。

このツアーは曜日や来客数によりますが、約30分毎位に行われていますメモ

集合時間がきました時計

↑ロビー片隅の集合場所に係のお姉さんが現れ、注意事項の説明を始める注意

なんせ本来一般客が入れない危険を伴う場所だけに、念入りな注意を受けたあと・

非常階段を昇って、↑屋上の非常用ヘリポートへ!

予想通りでしたが、屋上は風が凄かったですあせる

(※非常階段は非常に狭いため、安全上の理由で撮影禁止でした)

 

さすが日本一高いビルのヘリポート、うまく表現できませんが、独特の雰囲気に言葉を無くします^

ツアー1回あたりの参加人数は約25人程。そのほかスタッフや警備員が約10人位で、この”日本一の屋上”をウロウロしています^虹

大阪らしく、↑多々冗談を交えて説明するスタッフさんしっぽフリフリ

 

記念撮影をしてくれたりもするんですが、この屋上名物のイベント(?)があって”日本一の屋上から叫ぼう!”というものw

スタッフの合図で一同、眼下に広がるなにわの街にむかって叫びますあせる

ヘリポートの隅に書かれている、↑『300』の数字クリップ

これ、あべのハルカス高さの300mではなく、ここが偶然、国交省登録の『ヘリポート番号300』になっているからとの事ひらめき電球

伊丹空港へむけて着陸しようとする、↑飛行機の姿もハッキリ見えます飛行機

ここ天王寺は伊丹・関空の2空港に挟まれた位置で、これまで航空法絡みの建築物高さ制限の関係で、こんな高層ビルは建てられなかったそうですが、近年その規制が少し緩和され、建築可能になったとの事です。



かなたに見える、↑六甲の山並み霧

この日はやや雲が多かったんですが、もっと見通しの良い日には、淡路島や明石海峡大橋も見えるそうです目

なかなか貴重な体験でした^目



屋上滞在時間約25分のツアーを終え、ロビーに戻ってきましたリサイクル

なかなか堪能しました。夜景も綺麗だそうです(※夜10時まで開館)夜の街

降りるときも、昇りと同様で16Fで乗り換えるんですが、地上直行EVよりも近鉄百貨店へのエスカレーターのほうがわかりやすい位置にあり、ちゃんと客を誘導するようになっていますwプレゼント

 

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日本一のビル、あべのハルカスでございました^

鉄道会社としては日本一の規模を擁する近畿日本鉄道、その創立100周年を記念して建築されたとの事ですビル

 

(※2023追記:本作up時点では日本一の高さでしたが、2027年に東京・丸の内に完成の『トーチタワー』(390m)が追い抜き、日本一高いビルとなります)

 

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前述しましたが、ハルカスの1階に入っている↑近鉄南大阪線の始発駅・阿部野橋駅です。

ちなみにこの駅名ですが、駅名は『阿野橋』、区名は『阿野区』で、”べ”の字が違うんです。歴史が古い関西の地名はホント難しいクリップ

 

ちなみに近鉄の大阪口でのターミナル駅は、名古屋・奈良方面へは難波/上本町駅からですが、桜で有名な奈良南部・吉野山へは、この阿部野橋駅からの特急で行くのが定番です^桜

 

又、この南大阪線は軌間1067mmの狭軌で、標準軌の奈良/名古屋線とは規格も違います。創立時は別々の私鉄だったためで、巨大私鉄・近鉄の一端が窺える現状です電車

 

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場面かわり、後半ですグッド!


せっかく天王寺へ来たので、この地にある超有名な”お寺”を訪ねたいと思います。

ご存じ、四天王寺です。

天王寺駅から北へすぐですカメ

お寺が近づくと、↑仏具を商うお店が目立ってきます家

谷町筋を北へ、大阪名物“かすうどん”の店を曲がると・ラーメン

お寺の入口に立つ、↑鳥居(!)が見えてきました。

お寺ですよあせる

お寺に鳥居、当別荘でよく登場する光景、神仏習合です^

この四天王寺、明治初年の神仏分離令までは配下に7つの神社を擁していました。その名残の鳥居が現在も建っています。

鳥居を入ると見えるのが、↑『西大門』

これが正門ではないんですが、駅から来る人は通常ここから入ると思います。

門を入ると、↑見えてきました、五重塔です星

五重塔がそびえる中心伽藍を囲む、壁の中は有料拝観区域です。

有料区域に入ります男の子

その中心には~

見事な均整美を誇る、↑四天王寺・五重塔です虹

 

この五重塔(※というか四天王寺全体)は、長い歴史の中で戦乱や自然災害により、幾度となく全滅に近い被害を受けており、明治以降だけでも昭和初期に大阪を襲った室戸台風や、先の大戦による焼失で五重塔も失われました。現在の塔は1959年に再建されたものです。

 

いつもご覧の方々には釈迦に説法ですが、ここで四天王寺の概要を書いておきますクリップ

西暦593年の開創という、我が国寺院中でも卓越した長い歴史を持つ四天王寺、長野の善光寺等と同様に、“特定の宗派に属さない、仏教の全ての宗派を包含するお寺”(※八宗兼学とも言われるそうです)との事です。

建立したのは、アノ聖徳太子です(※諸説あり)

境内からは、↑五重塔とハルカスが並ぶ光景を見ることが出来ます。

1400年の時を隔てた、新旧文化の塔が並ぶ壮観です^虹

中心伽藍の中にある、↑青龍が棲むと言われる井戸。

周囲には、紙シデが張られています。

この井戸の水脈はなんと天竺、インドまで(!)続いていると言われていますみずがめ座

↑『講堂』です。

この内部に観世音菩薩、阿弥陀如来像をはじめとした仏像や仏画などがあり、拝観できます。

中心伽藍を出て、次にその周囲をみていきます目

↑は休憩所です^

休憩所のすぐ近く、南大門の手前にある、↑『熊野権現礼拝石』

境内にある4つの由緒ある石、『四天王寺四石』のうちの一つです。

 

大阪・天満から紀伊半島南部へ至る熊野街道、その昔熊野への巡礼者はまず四天王寺に参詣の後、熊野詣の旅に出発したと言われます霧



南大門です。同寺の正門にあたります。

南大門から一旦外に出てみると、”日本仏法最初”の石柱が立ちます(※先程の西の鳥居横にも立っています)

前述の通り、この四天王寺の開創は593年。アノ法隆寺でさえ607年との事なので、『現存する我が国最古級のお寺』と言って差し支えありません星



さらに中心伽藍の周囲を歩くと、いろんなお堂が並んでいます。

↑、ちょっと変わった幟が立っていたのは『番匠堂』、全国の大工さんから信奉を集めているとの事レンチ

幟をよく見ると、↑文字中に"鋸"等の道具名が書かれ、文字のパーツもそういう形になっています。



『亀井堂』と呼ばれる不動さんも。



さらに奥へ行くと・

↑は奥中央にある、『六時礼讃堂』

ここで毎日6回の礼拝等をするので、この名だとの事です。

現在、回向や法要等の諸行事はここで行われています。

さらに、境内の周囲には↑も。『四天王寺病院』病院

 

この病院の起源は遠く1400年前の開創当時まで遡り、同寺が聖徳太子の命により設立していた"悲田院"、"施薬院"等の病院・福祉施設にその淵源を発すと言われています。

我が国最初の福祉厚生施設を、同寺が運営していたという事になります。

大阪の中心・天王寺の真ん中に、奈良や京都にも勝る大古刹。なにわの歴史はホント深いです^キラキラ

 

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四天王寺見学を終え、↑谷町筋へかたつむり

再びアベノの街ブラをして、あとは非公開で楽しみます^しっぽフリフリ


天王寺の"2大巨塔"、四天王寺&ハルカスのコラボ作でございました^虹

 

近年は関空への玄関口としても発展著しい天王寺/あべの地区。一方で古い街並や寺町が残り、又、新世界が近い事もあり、大阪ならではの庶民的な気質も健在な、梅田や難波とはまた違う魅力のある街です。

 

大阪唯一の動物園・天王寺動物園もあるほか、駅すぐの天王寺公園も近年再整備されてきれいになり、休日を一日天王寺で楽しむ事が出来ます。大阪へ旅行に来た人はどうしても梅田/なんばの"2極"に集中するので、時には気分を変えてあべのもいいかもです^ウサギ

 

 

 

 

 

(※2023.2 2024.6 文一部修正)