インドネシア旅シリーズ、第7回です
本シリーズ、あと1回(※鉄道編)予定していますが、旅としては今回で最終回となります^
前作は、バンドン市郊外の火山や紅茶工場を訪ねた後、ジャカルタへ戻ったところまででした
今作はジャカルタ郊外の街、ボゴールへのミニトリップ。そして帰国の途へつくところまでです。ではスタートします^
ジョグジャ&バンドンでの日程を終え、数日ぶりに戻ってきたジャカルタです。シリーズ前半で乗った、ジャカルタ首都圏電鉄(※コミュトレイン)に又乗ります
ゴンダンディア駅から出発、約1時間で・
ジャカルタ中心部からほぼ真南、コミュトレインのメインルート・ボゴール線終点、ボゴール駅に着きました
シリーズ前半ではJR205系のオンパレードでしたが、この日乗ったのは↑営団7000系のお古でした^
乗ったのがちょうど朝の通勤時間帯だったので、↑ホームへはき出される人々で物凄い混雑!
僕はこの光景、神戸・和田岬線の通勤風景と画が重なりました
10両編成の電車から降り立った満員の乗客、↑先を争って改札へ
そして、駅前には~
駅前に出て驚き、↑バイク置場に停まっている台数が凄いw
日本の駐輪場ではちょっと見ないような、圧巻の光景です
終点駅だけあって、近郊の街からこの駅へバイクを乗りつけ、ジャカルタへ通勤する人が多いと思われます
(※正確にいうとボゴール駅は終点では無いんですが、それについても次作・鉄道編で^)
このボゴールの街ですが、ジャカルタ南郊に位置し、人口約80万、”雨の都”とも呼ばれていて、降水量の多い街としても有名だそうです
しかしこの日は薄日も差し、まぁまぁの天気
緑も多く、郊外の街の雰囲気です^
街中にあった勇ましい兵士の銅像ですが、↑よく見ると腰に差しているのは日本刀のようでした
ここボゴールには、同国で、いや東洋一の規模と歴史を誇るという植物園があります。ボゴールでの見学はそこがメインです
なんと開園が1817年、日本はまだ江戸時代、200年以上の歴史を持つ世界有数の植物園です
元々は、農業技術の指導に来ていたオランダ人がつくったと言われていて、当初は日本でいう『農業試験場』の役割を兼ねていました(※現在でもその役割あり)
では、ザーっと廻ってみます
”ザーっと”というのは、広さ約80ヘクタールもあるので、丁寧に見ていたらとても半日では廻りきれないからです
入園してまず目に入ったのは~
↑"ZOO"と書かれ、白クマのマークがある案内標識。
“動物園”? ここ、“植物園”ですけど・w
その建物に着いて、↑看板をよく見ると・
"動物園"ではなく、『動物博物館』と書かれています^
とはいえ、植物園に、なぜ動物・(謎)
建物に入ると迎えてくれるのが、↑巨大なクジラの骨格
"園"ではなく博物"館"なので、実物の生きた動物はおらず、標本や資料を展示しています
それにしても、なぜ植物園でクジラの骨格を見る必要が・w
展示内容は哺乳動物に限らず、魚類や昆虫類に至るまで多岐に亘っていました
本シリーズ中で訪ねた各都市の博物館、銀行博物館や西ジャワ博物館等もそうでしたが、インドネシアの博物館ってどこも、蒐集範囲が広いというか、意欲的なところが多い気がします^
それにしても不思議な、”植物園の中の、動物の殿堂”でした
ホント広い園内、案内標識が無ければ迷子になりそうです
園内には、入口付近に1ヶ所ある以外は売店は全くないんですが、一方で園内のどこにでもいたのが↑”風船売りのオジサン”
なんかあまり売れてない様子で、風船より飲み物やアイスを売った方がいいと思うんですが・
前述の通り、このボゴール植物園は農業試験場も兼ね、2世紀の歴史を誇る世界最古級の植物園です。
研究所等に使われている、↑オランダ風の古い洋館が点在しています
↑巨大なサトイモの葉をかき分け、園内の奥へ・
↑同植物園の”名物”は、スマトラ島に咲く巨大な花、ラフレシアの一種なんですが、残念ながらこの日は咲いていませんでした
園内奥にある、大きな蓮池
この蓮池のむこうには~
↑大統領の別邸があるんです(※別名・夏の宮殿)
元々は、オランダ総督の住居として使われていた洋館です。
古来、ジャカルタの近郊避暑地として栄えてきたボゴールは、ジョグジャカルタとともに、同国に於いて『歴史的に特別な位置付けの街』です
訪れたのは12月でしたが、赤道直下のインドネシア、↑花をつけている水蓮もありました
ジャカルタより標高が高いので若干涼しく、気持ちよく歩けます
王侯や大統領が近郊避暑地としていたのも、この気候からです。
樹木も、この植物園の歴史を語るかのように立派な大木が多く、特に"根"に面白い形状のものが目立ちました
↑"支柱根"とも呼ばれる、空気中の水分を採り入れながら幹も支えている根を持つ木
主にメキシコ原産の品種を集めた、↑サボテン園も
熱帯なので、温室無しでも大丈夫^
温室の経費がいらない分、広々と豪華に仕上げてましたw
2時間半位は歩き回りました^
ホント広い園内でした
出口の横の売店で休憩していると・
↑ニャンコがのぞきに来ました^
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植物園を出て、街ブラしながらボゴール駅へ戻ります
↑きれいな稜線を持つ山(※たぶん火山)が、街並のむこうに見えています
昼過ぎの電車で、ジャカルタへ戻ります
ボゴールから乗った電車は、ガンビル駅やコタ駅への直通ではなく、途中でメイン路線から支線に入る便でした。
そのため↑のマンガロイ駅で乗換えたんですが、乗換客も多い主要駅なのに、ホームや電車には行先案内が全然書無し、その上↑ホームから線路から人で溢れていて、カオス状態でした(笑汗)
乗換と接続便で時間がかかり、予定より大幅に遅れてジャカルタ中心部に戻りました。この日午後から見ようと思っていた↑国立博物館に着いたのは、閉館1時間前
国立博物館は、シリーズ初回でご覧頂いたモナス塔のすぐ近くにあります。
↑中庭を中心に建物が囲んでいます(※これとは別に新館もあり)
1時間しかないので大急ぎで見学します
前作の西ジャワ博物館同様、主に仏教~ヒンズー教王朝時代の文物を中心に展示していました。
”さすが国立”という事で、ジャワ島だけでなくインドネシア全島の文物を集めていて、夥しい文物が廊下や中庭にまであふれるように展示してありました
本来なら、朝から一日がかりで見学したい博物館です
なんせ閉館前1時間で慌てて見学したため、充分紹介出来ませんが、ジャカルタへ行ったら見学必須と思います
知れば知るほど奥深い、ジャワ島の歴史
そして、アジアの大国であるインドネシアのパワフルな今を実感した旅でした。
これで、旅の全日程がおわりました。
いつもの事ですが、旅の終りは寂しく名残惜しい気持ちになります
ジャワ最終日の夕暮れが近づいてきました。
なぜかこの日だけ、夕方のお決まりだったスコールは無く、日没まで日差しがありました
ラストは、ジャカルタ市内南部にある"ブロックM"と呼ばれる、高級店からチープな店まで集まるショッピングモールに寄ります
後ろ髪ひかれつつ、ブロックMのバスターミナルから、↑ダムリ社のリムジンで空港へむかいます
車窓から、ジャカルタの街に別れをつげます
↑クレーンが見えますが、2015現在、ジャカルタ初となる地下鉄の工事が、日本の支援で行われています。次回来る機会には、もっと便利なジャカルタになっているはずです
(※2024追記:2019年に一部区間が開通しました)
リムジンで約2時間、日も暮れたスカルノ・ハッタ国際空港へ到着。
3つのターミナルが扇形に配置されている巨大な空港で、国際線は主に第2ターミナルから発着しています
同空港は24時間運用で、飲食店も一部は終夜開いています
今夜は空港で過ごし、翌日早朝の便で帰国です
スカルノ空港で土産を調達するなら、出国審査後に制限区域に入った中のほうが店が沢山あります
ジョグジャの安宿街で見たのと同じ挨拶がここにも。
↑“Selamat jaran”(※さようなら/いってらっしゃい/よい旅を)
↑インドネシア各島伝統の文様を採り入れた、搭乗待合室の凝った内装
夜が明け、出発時刻がきました
selamat tinggal, jakarta・
『スカルノ・ハッタ空港』の名は、同国の初代大統領・バンドン会議の作でも取りあげた国父・スカルノ大統領&初代副大統領だったハッタから由来します。
長い植民地支配から脱し、数々の政変や民族紛争を乗り越えてここまでの発展を遂げた人口2億人・世界一の島国とも言われるインドネシア。実際にこの目で見る事が出来、ホント有意義な旅でした
往路と同じく成田行の直行便、あっという間に日航機はジャワ島から離れていきます
ベルトサインが消えてすぐに出された朝食、ヤクルトが2本ついてました。ジャカルタ積みなのにさすがJAL^
ボルネオ島上空では、↑同島最高峰のキナバル山(4095m)が、雲の間から見事に見えました
ボルネオ島は、インドネシア・マレーシア・ブルネイの3か国から成り、同山はマレーシア領です。
以上、7作に亘ったインドネシア旅シリーズでございました
(※後述しますが、本シリーズあと1作upします)
火山の島、紅茶の島、そして世界遺産の島、本シリーズでジャワ島の様々な魅力をご覧頂きましたが、ジャワの一番の魅力は、人々の自然な笑顔だと僕は現地で思いました。”微笑の国”といえば、ふつうはタイの事ですが、インドネシアの人々が見せる微笑は、僕の感想ですがタイよりも素朴で自然な感じがしました。なので、本シリーズのタイトルに"微笑の島"と題しました
近年同国は、ASEAN随一の巨大国家として、ますますその存在感を高めていますが、折しも本作up(2015.3)直前、同国のジョコ大統領が来日しました。
シリーズ中取上げたバンドン会議から60周年となる今年(2015)は、バンドンでその記念首脳会議が行われるとの事で、当時の参加国が再びバンドンへ集まる予定だとの事です
昨年のマレーシアと並んで親日国のインドネシア、そして、日本軍部が占領した歴史もあるジャワ島・ジャカルタですが、今では日本の中古電車が500両以上も走り回っている愛すべき街です。そして古都・ジョグジャの世界遺産の2寺院、これはホント素晴らしかったです^
とはいえ、治安面ではマレーシアよりやや不安な面もあります。
交通機関内や繁華街ではスリに充分注意するといった海外での基本は常時不忘。日本の中古電車なのでつい油断しがちですが、現地の人もマレーではほとんど見なかったようなリュックを前に抱えて歩く光景をよく見ました。最近はイスラム過激派のテロも心配されます。
それでもあえて僕は、バリ島へ観光に行くかたは是非ジャワ島にも寄ってほしいなぁと奨めたいです
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なおかねてから予告の通り、次作は本シリーズ最終回として、『ジャワ島の鉄道特集』をupします^
(※2023.2 2024.6 文一部修正)