当別荘、冬の恒例となりつつある海外旅、今年は台湾へ行ってきました
沖縄県の西、ピーナッツのような形の島・台湾、親日でもあり、いつ行っても心休まる国です^
しかしご存知の通り、中国大陸の政権との間とは、今な形式上は"休戦状態"のままという、微妙な立ち位置にあります。ただ、半世紀以上大陸とは全く違う進化を遂げた台湾は"実質、別の国"とみるのが自然と思うので、当別荘では"台湾と中華人民共和国は別の国"という前提で話をすすめます
(※本シリーズでは、中華人民共和国は"大陸"と略します)
2013台湾旅シリーズ、今作から5回シリーズでおおくりします。早速スタートします
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やってきました、成田空港
今回乗るエアラインは、台湾屈指の財閥グループの一員、↑緑がシンボルカラーのエバー航空です
定時に動き出しましたが、誘導路大渋滞のため、離陸するのに約30分かかりました
しかし待たされて離陸した分、いつもにないスペシャルな景色を見ることが出来ました。
↑鹿児島の真上に差し掛かった時、よく晴れてたので噴煙を上げる桜島を空の上から見る事が出来ました^
↑写真、鹿児島湾と大隅半島がハッキリ窓の外に見えています
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エバー機は国境を越え、田んぼと家が点在する陸地が現れました。台湾の大地です
成田から約3時間半、台北郊外・桃園国際機場に着陸しました
ちょっと遠目ですが、↑ターミナルビルに台湾の国旗、青天白日旗が大きく掲げられています。
僕は台湾今回3回目で、前回は当別荘創設前に来たんですが、その時は"中正国際機場"という名でした。
数年前、国民党政権が歴史的敗北を喫した時、"中正"が国民党初代総統の蒋介石を表すという事で、改名されたんだそうです。
↑リムジンバスで市内へ向かいます。
台湾には沢山のバス会社がありますが、最大手で全国に路線網のある、國光客運社の台北駅行に乗ります
桃園から台北まで約20kmあり、リムジンバスは途中高速道に乗ります
韓国でもそうなってますが、高速道は有事の際、戦闘機が発着できるよう広めにつくってあります。
台湾の高速も日本同様、無線収受システムを導入していて、しかも日本と同じく↑"ETC"と呼ばれています。去年韓国の麗水万博に行った時、同様に無線収受しているのを見ましたが、韓国では別の名称でした。
料金所は"収費站"(※これは大陸と共通の単語)、車窓から見た限りでは桃園付近は区間制料金でなく、エリア制みたいでした
高速を降りると、渋滞に巻き込まれます
日本よりバイクが多く、東南アジアっぽい雰囲気もうけます^
↑国鉄台北駅に到着
駅舎中央の広いロビーは、↑デザイン重視になっててベンチはありません。売店等はこのロビーの周囲にあります
自動券売機もありますが、窓口のほうが人気あるのも韓国と似ています。
この台北駅、国鉄/高鐵(新幹線)/地下鉄の3社が入っています。
これから地下鉄に乗ります
台湾で地下鉄は"捷運"と呼ばれています。
地下鉄淡水線に乗り、2駅目の・
↑中正紀念堂駅で降ります。これから行くのは、駅名の通り、中正記念堂です。
島式ホームで、一段上の改札階から、↑ホーム全体が見渡せるようになっています。台北地下鉄はこういう構造になっている駅が多い印象です
駅の玄関は、これから行く中正記念堂の建物と同じ、↑青瓦のデザイン。
駅を降りて、まず目に入るのは↑『国家戯劇院』(※国立劇場)
そして、国立戯劇院の裏手は物凄く広い広場。
大陸の天安門広場に比べれば小さい広場ですが、自由は大陸よりもずっと大きな台湾です
そして、↑広場のむこう側に中正紀念堂が見えます
台湾国民党初代総統の蒋介石を祀る、中国伝統の様式を採り入れた巨大な建築です。
正面はこの当時、補修工事が行われていて、周囲には仮壁が張られていました。一瞬「見学できないのかな?」と思いましたが大丈夫でした。
入口は・
工事中でなくても、入場は正面でなく、横にある入口から入るようになっています。
では、内部へ
台湾はちょうど旧正月の時期だったので、1Fロビーは新春の飾りつけが^
紀念堂と自由広場の精緻な模型に見入る、大陸から(?)の観光客。
ちなみに大陸/台湾間は、2008年から直行便の運航が始まり、一定の資格を満たした大陸の人民も訪台する事が出来ます
1Fにあった↑"介石庁"という部屋では、テレサ・テンの回顧展をやってました(※内部撮影禁止でした)
そこには・
1Fの賑やかなロビーとは一変し、厳粛な雰囲気の4F。
1975年に亡くなった蒋介石の像が鎮座しています。
撮影は可能なんですが、節度ある行動が必要です。
像の後方には、彼の政治信条であった『三民思想』(※倫理・民主・科学)について刻まれています。
この中正記念堂は蒋介石の死後、国父の追悼と顕彰を目的として1980年に完成したそうです。像のある4Fはホントに厳粛な雰囲気でした。国家的な拠り所です。
日本同様、資源の少ない島国である台湾を、世界有数の経済国に成長する礎をつくった"建国の父"。
ただ、台湾や韓国の場合、分断国家である事から『資本主義経済』と『自由・民主主義』がセットでなく、各々別の歩みで進展してきたというのが日本と大きく違う点です。
そして、蒋介石像の左右には、儀仗兵が厳粛に護衛しています。(※謹写)
見ていてホント驚いたんですが、ピリッとも身動きしません。それどころか、まばたきさえ滅多にしません。毎正時には衛兵交代するんですが、という事は1時間身じろぎひとつせずこの体勢です。相当な体力と集中力がいる仕事です。
(※儀仗兵は陸海空軍が交代で担当するそうです)
2Fと3Fは写真展や各種の会議室・教室などがあり、"文化ゾーン"の様相です。大きな図書館もあり、総合文化センターという機能もあります。
紀念堂見学を終えました。
前述の正面の工事ですが、日本と同じような↑"工事中でご迷惑をかけます"という看板。でも日本なら申し訳なさそうな表情でお辞儀している作業員ですが、台湾では笑顔でしたw
そして紀念堂の近くには、暖かい2月の台北に満開の桜が咲いていました
↑の桜、日本から送られた"友好の桜"
戦時中、日本の中央大学に学んでいた台湾からの学生が、学徒動員と敗戦による日本撤退のため卒業証書を授与されないままだったのを、1999年中大が当時の学生に証書を特別に授与。その際に併せて桜を寄贈したとの事です
桜の木の下で、リスをみつけました
いま、日本でも鎌倉などで繁殖して問題にもなっているタイワンリスです。でもここは鎌倉じゃなく本来の生息地なので問題ナシです
日没前に、もう1ヶ所行きます
↑は台湾の歩行者信号ですが、ほとんどの信号機に残秒数の表示があり、しかも10秒をきって点滅しだすと、歩行者の絵が走り始めます
紀念堂駅から再び地下鉄に乗り、市政府駅で降ります。
駅から地上に出ると↑立派なビル。
なんと阪急百貨店でしたw
この市政府界隈、駅名の通り市役所もあるんですが、デパートやブランド店から量販店までの一大ショッピングゾーンになっていて、東京だとさしずめ銀座と新宿を合わせたような雰囲気です。
この周辺、最近急速に発展したとの事で、ひと昔までは畑が広がっていたそうです・
そして、市政府駅から歩いてこれから行くのは~
↑もう見えてますが、台湾で一番高いビル、台北101です
高さ508m、世界でもベスト3の高さを誇ります(※2013現在)
↑の写真、かなり離れたところから撮りましたが、見上げると首が痛くなる程ですw
ビルの付け根までやってきました
細長~いビルなので、敷地はそんなに広くない感じでした。
では入ります
これから昇る最上階は展望台になっていますが、低層階は店舗、中層階はオフィスが入っています(※"101"という名称は、搭屋も入れると101階建てという事から)
かなり贅沢に、↑吹き抜けスペースをとっている店舗階
最上階の展望台(※台湾語では"観景台")へ
展望台入場券を購入(※当時日本円で約1500円)、エレベーターの前でしばし行列。
で、この台北101の展望台EVですが、ギネス認定の世界最速エレベーターなんだそうです
なんと最高時速60km/h(※エレベーターでですよ)
↑EVの中なんですが、いざ乗ってみると、スピード感は全然わかりませんでした。発進・停止時も滑らかで、凄い技術です
ただ惜しむらくはシースルーじゃなかった事。移動中外が見えたらもっと凄かったのになぁと思いました
そして、4Fの乗り場からわずか37秒(!)で、展望階の89階(※標高約380m)に着きました。
既に日は暮れて、外はもう夜景になっています
↑窓辺から恐る恐る(笑)覗いてみると~
先程歩いてきた市政府前の繁華街のネオンが、模型みたいに見えます。少し霞んでいるように見えますが、これ、モヤがかかっていたのではなく、残念ながら窓ガラスがやや汚れていたんです。
台北101の窓ガラスは下方へ少し傾斜させて張っている(※各階がすぼまっている感じ)ので、清掃しにくいのかもしれません。
お土産屋さんも並んでいます
↑"ここから郵便を出そう"コーナーもありました
しかも「家族」「友人」「恋人」と分類したポストもw
でも、出す時点で分類しても、1通1通別々に配達されるだろうし、あまり意味はないとも思いますがw
窓辺ギリギリまで近づいて、↑下を覗きこんでみました
窓が下にすぼまっている分、下がよく見えて足がすくみます
高所恐怖症の方は止めといたほうがいいかも^
台北101のイメージキャラクター、↑ダンパーベイビーちゃんです^
顔が"101"になっています^
名前の意味については後程
展望階には、前出のEVをはじめとしたこのビルの"技術の粋"をいろいろ紹介しています^
日本語の解説文も付いています。
そして必見なのが、展望階の中央にある↑です。
近づいてみると~
16本の黄金に塗られたワイヤーに吊られた、↑黄金に塗られた巨大な球が
これ、『マスダンパー』といいます。この玉の機能は・
この"黄金の球"、鋼板を重ねてつくられていて、総重量660トンもあるそうです。細長い超高層ビルなので、受ける風圧が凄いとの事で、これをビルの中央に吊ることにより、風圧をうけて発生する振動を緩和できるそうです。
又、台湾は地震もあるので、制震装置の役目もしています
新年のカウントダウンの時は、↑ビル全体から花火が噴き出すイベントがあります
そして、89Fの展望階からさらに階段で、もう2階登れます
91Fに屋外展望台があるので、行ってみます
どんな眺めなのか・
オープンエアですが、高さが高さだけに、↑高い鉄格子で囲まれていて、隙間から覗き見るようになっています
もうこの高さからになると、↑"夜景"というより"地図"ですw
飛行機が着陸する時に見える風景のようです
聞きしに勝る、凄いビルでした
この時点で午後8時だったんですが、夜の台北、もう1ヵ所訪ねてから宿に入ります.
今作ここまでです!
次作は台北の街をもう少し歩いた後、新幹線で南下します。お楽しみに
(※2022.10 2024.3 文一部修正)