ベトナム旅シリーズ、第3回です
前作まで、中部の古都・フエをご覧頂きました。前作のラストでホーチミン市へ戻ってきたので、今作からのシリーズ後半は、再びホーチミン市の街ブラです。早速スタートします
フエから飛行機でタンソンニャット空港に着いたのが夜半。既にバスが終わっていたため、タクシーで市内へ(※↑写真、わかりにくいですがタクシー車内です)
ホーチミン市の市バスは終車が早く、ほとんどの路線が19時頃で最終になってしまいます。空港バスも例外でありません(※2012当時)
比較的涼しかったフエから、再び暑いホーチミン市へ
この日は丸一日、ホーチミン市内を歩き回ります^
相変わらずのバイク大洪水
↑の宿があった旅人街、ブイビエン通りから近いベンタン・バスターミナルを、本日のホーチミン市街歩きの基点とします
(※シリーズ初回、入国して空港からバスで着いたのもここです)
シリーズ初回でも書きましたが、↑ベンタン・バスターミナルは交差点の真ん中のような位置にあり、信号もないのでバイクや車を縫ってここを横断するのは慣れるまで命がけです
このベンタン・ターミナルのロータリーから、市内大抵の主要地点に道路が繋がっています(※なのでバスターミナルも立地している)
ここから港(海)のほうを向くと、↑独特な形の高層ビルが目に入ります。近年完成した、ビテクスコ・フィナンシャルタワー(68階建)というホーチミン市で一番高いビルです
最上階は"サイゴン・スカイデッキ"という展望台になっていて、登ることも出来ます。その形から"イカビル"という愛称もあるんだとかw
ホーチミン市内にいくつかある総合市場の一つ、ベンタン・マーケットがあります。入ってみます
↑メインの通路、写真では広々してるように写っていますが・・
メイン通路からは、枝のように細い通路がいっぱい伸びていて、食品から衣類まで夥しい量の商品が所狭しと売られています
"アジアのカオス"を感じられるところです^
市場については後程もう1ヶ所行くので、少し端折ってw、再び街中に出ます
街路には、フエと同様、あちこちにテト(※ベトナム旧正月)を祝う装飾がみられます
ベトナムには、日本と同じく十二支を数える慣わしがあり、今年は同じく辰年です
ベンタンから10分程歩くと、喧騒の街中を出て、緑多い落ち着いた佇まいになってきます
街路樹のきれいな市街中心部・レユアン通りの突き当たりにあるのは・
↑旧南ベトナムの大統領官邸です。
そう遠くない過去、ベトナム戦争時、世界中が固唾を呑んで"革命のリアル"を見守った、その場所です。
現在は『統一会堂』として一般公開されています。
統一会堂については次作で見学し、詳述します
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旧大統領官邸をあとに、レユアン通りを反対に歩くと、↑レンガ建ての教会が見えてきます
サイゴン大教会です
ヨーロッパの教会かと見まごうような、堂々たる姿です。
ホーチミン市内には、フランス統治時代の建物が、戦火を乗り越えて市内あちこちに残っています。
正面にはマリア像が鎮座しています。ベトナムは約8割が仏教徒との事ですが、キリスト教徒も約1割いるとの事です。
大教会の横にある、↑これまた欧風の重厚な建物は・
↑サイゴン中央郵便局です
こちらもフランス統治時代の建物です。この郵便局、築100年以上との事です。
↑局内に入ってみました。
高いドーム型の天井がモダンな感じ^
両側には郵便や小包を受け付ける窓口が並んでいますが、この郵便局、これだけではありません
↑ホールの真ん中には記念切手や絵はがき、さらには郵便と全然関係ない品物まで揃う"お土産コーナー"があり、観光客が立ち寄るスポットとなっているんです
国際電話コーナーやATM、外貨両替所等もあり、世界中の観光客で賑わっていました
ホーチミン市に来た旅行者は、活用したい場所です
この、郵便局と教会がある広場の周囲には~
オープン席のあるカフェがあちこちに
勿論観光客向けでもありますが、僕が見た限りでは地元の人も沢山利用して、のんびりお茶を楽しんでいました^
2007年のモロッコシリーズでもそうでしたが、旧フランス宗主国だった国では、"カフェでマッタリ"の習慣がしっかり根付いているようです
ホーおじさんの笑顔に見送られ、さらに歩いてみます
大教会から少し歩くと、↑イスラムのモスクもありました。
多民族国家、ベトナムの一面が垣間見えます。
人民委員会の近くで見つけた、日本と全く同じのデザインの歩行者用信号。僕が歩いた限りではホーチミン市内でここだけでしか見かけませんでしたが、日本から輸入したものなのか?
さらに歩くと、先程の中央郵便局よりもさらに↑豪華絢爛な建物がみえてきました
↑ホーチミン市人民委員会の建物です。
”人民委員会”とは、市の行政を司る地方政府組織で、政治的に重要な地点のため規則上は撮影が禁止されています。しかし一方で、観光名所でもあるので、遠目から撮れば大丈夫との事です
(※至近距離での撮影は禁止)
この建物も、フランス統治下の1908年築との事です
それにしても、細部にいたるまで豪華な装飾です(※↑望遠で撮影)。しかし考えてみれば、こんな建物の中に社会主義の統治機構があるというのは面白くもあります^
人民委員会の前からサイゴン港に向かって、真ん中が緑地になっている↑グエンフエ通りが延びています
このグエンフエ通りの1本隣に並行しているのが、ブランド店が並ぶ”買い物通り”で有名なドンコイ通りです。
ベトナムを象徴する花のひとつ、ハスも植えてあります。
ハスはベトナム航空のマークにもなっています
人民委員会から歩いてすぐにある、日本食の店ではホーチミン市で最も老舗と言われている↑『ドラエモン・カカ』さんへ
トンカツから刺身、日本酒までメニューも種類豊富で、フォーばっかり食べていた胃に、久々の日本食は美味でございました^
ちょうど正午頃だったんですが、店のTVで"ミヤネ屋"をリアルタイムで放映していました(※日本との時差2時間なので、午後2時からの番組)
NHKの国際放送ならわかるんですが、日本民放の番組もベトナムで生受信しているのに驚き
店内は、日本から単身赴任と思しきおじさんで賑わっていましたw
帰りには、ドラえもんのキーホルダーをくれます
街中では、辻辻にバイクタクシーが待ち構えていますが、↑昔ながらの"シクロ"も少ないながら走っていました
一度乗ってみたいとも思ったんですが、ベトナムではバイクタクシーやシクロでの料金トラブルが非常に多いとの事で、なるべく嫌な思い出は作りたくなかったので利用しませんでした
人民委員会から15分ほど歩くと、サイゴン川のほとりまで出ます
川というより、↑海の入り江を思わせる雰囲気で、ここにサイゴン港があります
ここでしばし、昼食後の休憩
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港からまたUターン、街中へ
午後のメイン見学は、↑『戦争証跡博物館』に入りました。
約20年に及んだベトナム戦争。ホーチミン市には戦争や歴史に関する数多くの博物館や資料館がいくつかありますが、ベトナムに来たなら見学しておきたいのが、先程の旧大統領官邸とこの戦争証跡館の2ヶ所だと思います。
ここも、内部の様子は次作で、旧大統領官邸とともにおおくりします。しばしお待ち下さい。
次はここから、市バスに乗って少し足を延ばします
市バス運賃は、中心部は均一で4000ドン(約16円、2012現在)、前ドアから乗り、料金箱に運賃を投入して乗ります
これまではどちらかというと、サイゴン市街中心部をみてきましたが、これから夕方は"下町の街角"へ行きたいと思います
バスが終点に近づくにつれ、街並はどんどん庶民的になっていきます^
ベンタンからバスで約25分、ホーチミン市の中でも華僑が多く住んでいるという、チョロン地区の↑バスターミナルに到着しました。
バスを降りた途端、人とバイクの多さの物凄さに圧倒される
どうやって向こう側に渡ればいいのか・
道沿いに沢山並ぶ、↑お菓子や果物、豆を売る露店
この露店の列の奥に、朝に見学したベンタン市場以上にディープな市場があります
チョロン地区で一番大きな市場、↑ビンタイ・マーケット
この市場、見学した感じでは、小売というよりも、街中のお店に卸す問屋街のような印象をうけました
(※ソウルで例えると、ビンタイ市場=東大門市場 ベンタン市場=南大門市場みたいな)
ガイドブックにも"観光名所"として載るこの市場ですが、あまり観光客向けではない感じでしたw(※僕にはそこがまた面白いんですけど^)
そして、ビンタイ市場の近くを歩くと、↑"天主堂"と漢字で書かれた門がありました。
入ってみると~
中華風のあずま屋の奥に、瀟洒な教会が見えます
1900年築、↑チャータム・カトリック教会です。
一名"ザビエル教会"といいます
チョロン在住の華人にはカトリック教徒が多数いるとの事で、心の拠り所となっています
内部見学も少しできるようなので、おじゃまします
至極ヨーロッパ風の建築なんですが、所々に漢字があるので中華風にも見えます。漢字の影響力ってすごいと思います^
聖堂の中は、チョロンの喧騒がウソのような厳かな雰囲気。
教会の横は↑保育園(幼稚園?)になっていました。日本でも寺・神社等の宗教法人が幼保園を経営するのと同じ感じでした
教会を出て、再び喧騒のチョロンを歩きます
チョロンには、漢字の看板や中華風の品物があふれていますが、でも僕の印象では他国のいわゆる"中華街"のような凝り固まった感じではなく、むしろ"ベトナムの街並みの中に中国色がある"という雰囲気でした
チョロンで一番古いといわれる、↑天后宮という中華寺院です。
(※伝1760年築)
海の安全を司る守護神を祀っています
夕方になり、混雑もますます凄くなるチョロンの街
そろそろ日没、中心部に戻ります
夜になると、この港からは・
↑何隻ものディナークルーズ船が、夜な夜な出港します
煌びやかにイルミネートされた船は一見の価値ありです
毎晩5~6社の船が出港し、各々特色あるデザインやサービスを競っています
揃いの制服で、↑うやうやしく出迎える船会社もあります。
原則として旅行代理店での予約制ですが、↑船の前で当日券を発売する会社もあります。↑日本語で"どうぞ"の文字も
でも僕は1人旅なので、残念ながらこういうのは乗りにくいです
この鮮やかな夜景は現地の人にも魅力的なようで、川辺は格好のデート場所になっていました
夜のとばりも降りてきました
宿の近く、↑旅人街のカフェで食事
賑やかな夜の街をテラス席で眺めながら、一日を振り返ります
今作ここまでです!
次作は、本文中で予告しました通り、旧大統領官邸と戦争証跡博物館の2館に特化しておおくりします
(※2022.7 2024.4 文一部修正)